【獣医師監修】柴犬をケージで飼う。そのメリットとケージの選び方

日本で根強い人気を誇る犬種、柴犬。かつては屋外で飼われることが多かった柴犬も、近年では室内飼育が主流です。では、室内で柴犬を飼う場合、放し飼いにするのとケージを使うのでは、どちらがよいのでしょうか。

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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

ケージ飼いのメリット

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犬を室内で飼育する場合、散歩の時間以外はずっとケージやクレートの中で過ごさせる、というのはあまりおすすめできませんが、ケージやクレートを設置することで、犬にとって「安心して過ごせる場所」を作ってあげることはとても重要です。

犬にとって大切な自分だけの空間

犬の祖先は洞穴などで生活していたと考えられており、その血を引く現在の犬も狭い場所を好む傾向があります。そのため、犬にとって自分だけの安心できる場所があることは非常に大切です。

もし、来客時や留守番の際、犬を区切られたスペースに入れておく必要があるのなら、クレートでは狭すぎるので、ケージを用意してあげるとよいでしょう。

しつけがしやすくなる

ケージやクレートは、仔犬時代のトイレトレーニングにも役立ちます。クレートを使用する場合は、犬を短時間クレートに入れ、出してあげたタイミングでトイレに連れて行くことで、トイレを覚えさせることができます。

ケージを使用する場合は、ケージ内にトイレを置くこともできますが、柴犬は寝床とトイレを完全に分けたいと考える犬種のため、ある程度大きくなると、ケージ内のトイレでは用を足さなくなるかもしれません。その場合はケージの外にトイレを置くか、トイレ用のケージを別に用意してあげましょう。

このように、ケージやクレートは犬との生活に役立ちますが、犬を閉じ込めるためのものではありません。特別な理由がない限り、基本的には室内で自由に過ごさせてあげましょう。

ケージの選び方

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柴犬にとって適切なケージのサイズは、その中で過ごす時間の長さによって異なります。

日中、家族の全員が何時間も留守にする家庭で、その間はずっとケージに入れておきたい、トイレもケージ内で済ませてほしい、ということであれば、基本的に犬は寝床の近くでの排泄を嫌がるため、ある程度の広さが必要です。

しかし、「室内に危険なものは一切置いていないので、留守中ケージ内にいても室内で自由に過ごしていてもどちらでもいい」ということであれば、ケージの扉を常に開け放しておき、トイレはケージ外の室内に設置することができるので、小さなケージか、もしくはクレートを用意するだけでもいいでしょう。

このように、柴犬と飼い主の生活スタイルにより、適切なケージのサイズは異なるので、よく考えて選びましょう。

ケージを置く場所

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ケージを置く場合は、人通りが激しいところは避け、犬がゆっくりと落ち着ける場所を選んであげましょう。また、日本の夏は日差しが強烈なので、直射日光が当たる場所などは避けてください。夏場だけ場所を変える方法もありますが、安心できる場所がころころ変わるのは犬にとって大きなストレスになります。なるべくならケージを最初に設置する時から、最適な場所を確保してあげてください。

このように、犬にとっても飼い主にとっても、犬をケージ飼いすることで得られるメリットはあります。ただし、一日中ケージに入れっぱなしにするのは、犬にとってストレスの原因となります。基本的には、来客があった時や、留守番中、夜間など、犬をケージに入れる必要がある時と、犬が自ら入りたがっている時に使用してください。

大切な愛犬が一日でも長く健康に過ごせるように、愛犬にぴったりのケージを選び、安心して過ごせる環境を整えてあげましょう。

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