【獣医師監修】猫のおしりがクサイ。おしりのニオイの原因や、考えられる病気など
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【獣医師監修】猫のおしりがクサイ。おしりのニオイの原因や、考えられる病気など

猫を飼っているなら、愛猫のおしりが異様に臭いニオイを放っている経験をしたことがあると思います。ウンチとは違う、あの強烈なニオイの原因は何なのでしょうか。

  • サムネイル: PECO編集部
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

猫のおしりがクサイ

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可愛らしい表情で私たちを楽しませてくれる猫ですが、それとは対極にあるような強烈なニオイをおしりから放っていることがあります。個体差はあるものの、大概の場合は、ニオイがあまりに強くて、不快に感じてしまうこともあるくらいです。

シャンプーもしているし、カラダは清潔にしているのに、やっぱりにおう。下痢をしているわけでもないし、健康にはいたって問題がなさそう。

一体どういうことなのでしょうか。

猫のおしりがクサイの正体

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猫のおしりがクサイ時、それはずばり「肛門腺から出る分泌液」のしわざです。

ニオイの正体

肛門を時計に見立てた場合、尻尾がある方向を12時とすると、4時と8時の位置に「肛門嚢」という袋があります。この「肛門嚢」には「肛門腺」から分泌された液体が貯留しています。スカンクが臭いニオイを出して敵から逃げるのと同様に、猫や犬も驚いた時や興奮時、また排便時に分泌液が肛門嚢から排泄されます。

強烈なニオイを感じる時は、分泌液を排泄した直後なのでしょう。

肛門腺の破裂

しかし、猫によっては、この分泌液をうまく排泄できない個体もいます。分泌液が排泄できないと、分泌液が肛門嚢にどんどん溜まっていき、猫はおしりを気にするようになります。もし、猫がおしりを床にこすりつけるような仕草をしている時は、要注意です。溜まった肛門嚢が炎症を起こし、破裂してしまうことがあります。

肛門嚢が破れて液が排出されたところで、飼い主が出血とともに、ニオイに気が付く場合があるのです。ここまでになってしまうと、傷口がふさがるのにとても時間が掛かってしまうので、定期的に確認してあげることが重要です。

猫のおしりがクサイ時の対策

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分泌液をうまく排泄できない猫には、肛門腺絞りが必要です。とくに、老齢の猫の場合は、自然排出できない個体が多いといわれているので、飼い主の責任として行うようにしましょう。

左手で尻尾のつけ根を軽く持ち、右手の親指を肛門の左側の肛門腺に、人差し指を右側の肛門腺に当てます。そのまま、下から上に押し上げるようにすると、肛門にある開口部から分泌液が排泄されます(左利きの人は逆で行ってください)。手とおしりの間にティッシュなどを挟んで行うことをおすすめします。

しかし、家で行うのはなかなか困難なことも多いので、動物病院でお願いするのが一番いいかもしれません。

おしりのニオイの原因は、肛門腺から出る分泌液が原因です。自分で上手に排泄できていれば何も問題はありませんが、そうではない場合は注意深く観察してあげる必要があります。しきりにおしりを気にする仕草をみせるような時は、念のため動物病院を受診しましょう。

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