【獣医師監修】犬アレルギー 考えられる原因や症状、治療法と予防法

「犬を飼いたい!」と思いペットショップに行ってみたら、目がかゆくなり、咳込んでしまう…そのような症状が出た時は、ひょっとしたら犬アレルギーかもしれません。この犬アレルギー、人間の体質的な問題もあり、完治は難しいといわれていますが、しっかりとした対処をすることで犬との生活を楽しむことができます。

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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

犬アレルギーになる原因

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人間の犬アレルギーとは、犬と触れ合った時や犬と同じ空間にいる時などに起こる過剰な免疫反応全般を指します。このアレルギーは犬と接点を持った時点で反応するものなので、犬を飼って初めて自分が犬アレルギーだったことを知る飼い主は少なくありません。

犬アレルギーの原因は、犬の体内で生成される7種類のアレルギー物質にあります。その中でも、「Can f1」という物質は犬の毛やフケ・唾液に多く存在していることから、犬アレルギーの人が犬と触れ合ったり、犬に舐められたりするとアレルギー反応が出てしまうのです。

犬アレルギーの症状

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犬アレルギーには、以下のような症状があります。

咳・鼻水・喘息

犬に触ると、咳や鼻水が出る症状です。風邪と似た症状ですので、犬アレルギーではなく単なる風邪だと勘違いしてしまうパターンが多いです。また、もともと喘息が持病の人は、その症状が酷くなってしまうこともあります。

目のかゆみ・充血

犬に近づくと、目がかゆくなる・充血するというのも犬アレルギーの症状です。酷い場合には目が腫れてしまいますので、犬アレルギーの症状としてはわかりやすいでしょう。

じんましん・湿疹

じんましんによる、皮膚のかゆみ・赤み・腫れが出ることがあります。また、湿疹は皮膚の外側だけでなく、粘膜側にも発生することもあり、呼吸困難など重い病気につながることがあります。

これらの症状を放置しておくと、動悸・下痢・めまい・嘔吐といった症状が出てしまいますので、犬アレルギーの疑いがある場合はすぐに病院に行きましょう。また、子ども・幼児の場合も同じような症状が出ますが、大人と違い、カラダの異変をちゃんと伝えられないことがあるので、とくに犬を飼い始めた時は同居している子ども・幼児の様子はチェックするようにしましょう。

犬アレルギーの治療・予防方法

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犬アレルギーが疑われる場合は、アレルギー科(症状によって内科や皮膚科、子どもは小児科)で検査を受けることになります。この検査で犬アレルギーと診断されたら、どうすればよいのでしょうか?

治療としては、投薬療法もしくは脱感作療法というアレルギー症状の根治を目的とした療法があります。しかし、これらの治療でも犬アレルギーの完治は難しく、症状を軽減するために行うためのものだと考えた方がよいでしょう。

では、飼い主やその子どもが犬アレルギーの場合、犬は飼えないのでしょうか? じつはそうとは限りません。まず、犬アレルギーを引き起こしにくい犬種を選ぶようにしましょう。犬アレルギーの原因は抜け毛・フケなどなので、抜け毛の少ない犬種の方が犬アレルギー反応が出づらいと考えられます。

また、こまめに部屋を掃除し換気することも予防になります。犬アレルギーの原因となる物質は、空気感染によって人間の体内に入って来ます。そのため、掃除・換気をすることで部屋内に浮遊しているアレルギー物質を取り除くことで予防するという方法です。空気清浄機を使用するのもよいでしょう。

そのほか、犬のブラッシングを定期的に行ったり、散歩の後は必ず手を洗ったりするなど、基本的な予防方法も欠かさないようにしましょう。しかし、嘔吐やひどい喘息が伴う犬アレルギーであれば、犬との共同生活は難しいかもしれません。犬を飼う前には、自分そして家族の体質をチェックしておいた方がよいでしょう。

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