犬と猫の平均的な寿命と年齢の数え方

古くから、人間の良きパートナーとして生きてきた犬と猫。ここでは、犬と猫それぞれの平均的な寿命や、年齢の数え方についてみていくことにしましょう。

  • サムネイル: PECO編集部
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

犬・猫の平均寿命

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一般社団法人ペットフード協会の調査によると、犬全体の平均寿命は14.36歳、猫全体の平均寿命は15.04歳(平成28年度)。平均的にみて、猫の方が長生きする傾向があるようです。

また、犬と猫の平均寿命は昔に比べてかなり伸びています。昭和58年の独自調査において、犬の平均寿命は7.5歳だったといわれていることから、30年近くの間に2倍近い数字になっていることがわかります。

このように、犬と猫の平均寿命が延びている理由としては、飼い主のペットに対する意識の変化が大きく影響しているといわれています。たとえば昭和50年代には、ペットの犬のほとんどが、人間が食べた食事の残りを与えられていましたが、現代においては、健康や栄養を考慮した専用フードが多数開発され、その専用フードの普及率は犬・猫共に90%を超えているといわれています。

また、動物病院の数も年々増加しており、ペットが感染症により死亡する確率も大幅に減少しました。さらに、ペット保険が登場したことにより、犬や猫に対する健康増進の意識がより高まったといわれています。このように、ペットを飼育するための環境が整ってきたことも、平均年齢を延ばす結果に一役買っていることは間違いないでしょう。

犬・猫の年齢の数え方

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犬や猫の年齢を人間の年齢に換算する方法には諸説あり、絶対的に正確な方法は、いまだ確立されていないのが現状です。ここでは、その中でも代表的なものを紹介していきます。ただし、犬や猫の成長スピードには個体差があるので、参考程度に考えてください。

犬の年齢の数え方

●小型犬・中型犬の計算式:24+(犬の年齢‐2年)×4
※生後3年の犬の場合:24+(3-2)×4=28歳

●大型犬の計算式:12+(犬の年齢‐1年)×7
※生後5年の犬の場合:12+(5-1)×7=40歳

犬の年齢については、一般的にカラダのサイズによって計算方法が異なります。小型犬・中型犬は生まれてから1年経つと人間でいうところの17歳、2年で24歳まで成長し、それ以降は1年ごとに4歳ずつ年を重ねていくと考えられています。

これに対して大型犬の場合は、生まれて1年を迎えた時に12歳になり、それ以降は1年ごとに7歳ずつ加齢していくという計算です。

猫の年齢の数え方

●パターン①:24+(猫の年齢‐2年)×4
※生後3年の猫の場合:24+(3-2)×4=28歳
●パターン②:18+(猫の年齢‐1年)×4
※生後3年の猫の場合:18+(3-1)×4=26歳

猫の場合は、小型犬と同じ計算方法を使って算出することができます。また、生まれて1年で、人間でいうところの18歳になり、それ以降は1年ごとに4歳ずつ加齢していくという換算方法もあります。

犬・猫の高齢期は何歳から?

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犬や猫が高齢期に入ったら、これまで以上に健康に気を遣ってあげたいものです。ところで、犬や猫の高齢期はいつ頃から始まるのでしょうか。

意外と知らない? 高齢期を迎えるタイミング

マーケティングリサーチ会社のシタシオンジャパンが犬や猫の飼い主1236人に行った調査で、飼い主の多くが、ペットの高齢期について間違った認識をしていることが判明しました。このアンケートに回答した飼い主のうち、半数以上が「犬や猫の高齢期は10歳から」と回答しましたが、犬や猫が高齢期を迎える年齢は、10歳からではありません。

犬の高齢期

個体差はありますが、犬は一般的に7~8歳を迎えた頃に高齢期に入るといわれています。市販されているシニア用フードにも、7~8歳以上が対象であることが明記されています。この時期を迎えると、カラダの老化が少しずつ始まり、視力や聴力が衰えてきたり、関節などに痛みが生じたりすることがあります。また、この時期から様々な疾患を発症しやすくなります。

猫の高齢期

猫が高齢期に入るタイミングも、犬と同様に7~8歳頃といわれています。昔に比べると高い場所に登らなくなったり、腎臓などの臓器が衰え始めたり、内分泌疾患を発症し始めることも多くなります。

人間同様、犬や猫もカラダの老化を止めることはできません。ただし、日頃から健康状態をチェックしたり、食事や運動の管理を徹底したりすることで、老化のスピードをゆるやかにすることはできます。

また、カラダの機能が低下する高齢期には、病気の早期発見・早期治療がより重要になります。愛するペットと一日でも長く過ごすため、定期的に健康診断を受けることをおすすめします。

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