【獣医師監修】仔猫をもらう時の参考にも。猫が親離れをする時期について
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【獣医師監修】仔猫をもらう時の参考にも。猫が親離れをする時期について

猫の親子が仲良く寄り添っている光景はとても微笑ましいものですが、ある日突然、親猫が仔猫を威嚇しはじめます。あんなに仲良くしていたのに…と感じるかもしれませんが、それは、仔猫が親離れの時期を迎えているのです。

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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

猫の親離れは生後6ヶ月以内

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生後1ヶ月半くらいになると、仔猫がきちんと生きていけるように、母猫が様々なことを学習させ始めます。これが親離れの第一段階となります。その後、6ヶ月以内にはきちんと親離れができるようになります。

生後3ヶ月が経たないうちに親猫と仔猫が離れ離れになり、その後、誰からも充分な愛情や教育を受けないまま育ってしまうと、後に様々な問題行動を起こすこともあります。

分離不安

問題行動の一つに、分離不安と呼ばれるものがあります。これは、飼い主と離れてしまうことに対して、異常なまで不安に感じてしまう状態のことです。分離不安の症状として、次のようなものが挙げられます。

●飼い主の後をずっとついてくる
●飼い主が出かける準備をするだけで落ち着きがなくなる
●留守番をしている間、ずっと鳴いている
●トイレ以外で粗相をしてしまう
●食欲や体重の減少
●下痢や嘔吐などの体調不良
●自分の毛をむしり取り、部分的に脱毛してしまう

飼い主の後をついてまわり、甘える程度であればそのままにしておいても大きな問題はありませんが、留守中に不安から異常行動を起こしたり、粗相をしたりとなると、改善する必要も出てくるでしょう。少しずつ離れている時間を作り、徐々に順化させることである程度落ち着いてくれることもありますが、獣医師に相談をした方がよいケースもあります。

ウールサッキング

問題行動のもう一つの代表例が、ウールサッキングです。これは、部屋にある布をかじって食べてしまうという病気です。ウールサッキングは突然症状が出るので、身の回りにある布類に、穴が開いていることに気づいて発覚することが多いようです。原因がはっきりわかっているわけではありませんが、母猫と早い時期に離れたことが関係していると考えられています。

食べた布は通常、便と一緒に出てきますが、お腹の中にたまりすぎると窒息や腸閉塞を引き起こす可能性があり、手術をして摘出しなくてはいけない場合もあります。厄介なことに、ウールサッキングになった時の治療法は存在しません。部屋の中の布類に猫を近づけない、猫をケージの中に入れるなどの対策のほか、布を食べようとしたら叱ることで、しつけるしかないようです。また、分離不安と同じで、改善されるまでに時間がかかるため、根気が必要です。

野良猫の親離れはシビア

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野良猫の親離れは、飼い猫と比べてとてもシビアです。仔猫がメスの場合はそのまま近くで生活をしていくことが多いですが、オスの仔猫は母娘のコミュニティーから遠く離れるように、強制的に親離れさせられます。これは、性成熟を迎える前に縄張りから遠ざけることで、近親相姦を防ぐためと考えられます。

仔猫の親離れは自然の摂理なので、飼い主として目の当たりにすることがあっても、介入せず見守ってあげてください。また、仔猫を譲り受ける時は、後に起こり得る問題行動を防ぐためにも、生後3~4ヶ月が経過しているか、その間親猫と過ごしていたか、確認するようにしましょう。

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