猫好きなら一度は読みたい、猫を題材とした“名作文学”3選!!

猫が出てくる文学作品というと、真っ先に思い浮かぶのは夏目漱石の「吾輩は猫である」でしょうか。ですが、猫が題材の作品はほかにもたくさんありますよ! そこで今回はそんな「猫文学」を3作ピックアップしてご紹介。どれも名作ばかりで、猫好きな方は間違いなくハマります!

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    関 慶之
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ポール・ギャリコ「猫語の教科書」(ちくま文庫)

あらすじ

ある日、とある編集者のもとに不思議な手紙が届きます。“£YE SUK@NT MUWOQ”。文字と記号が入り混じったその手紙をポール・ギャリコが解読してみると、なんとその手紙は「快適な生活を確保するために、人間をどうしつけるか」が書かれた、猫の手による猫のためのマニュアルだったのです。

みどころ

この本は「猫による猫のためのハウツー本」なので、あらゆる物事が猫の視点から書かれています。なんといっても、第1章のタイトルが「人間の家をのっとる方法」。猫を飼っていたはずが、いつの間にか猫に飼われていた……なんて経験、猫の飼い主さんなら誰もが覚えがあるのではないでしょうか。

本書の原題は“The Silent Miaow”、訳せば「声に出さないニャーオ」とでもいうのでしょうか。作中ではこれが「必殺技」としてたびたび登場します。飼い主を見つめて物欲しそうな目をするけど、声は出しそうで出さない。……そんな魅力的な仕草をする猫は、もしかしたらひそかにこの本を読んでいるのかもしれません。

作者

ポール・ギャリコ(1897~1976)は、20世紀アメリカを代表する小説家の一人です。ニューヨークに生まれたイタリア系のアメリカ人で、当初は「ニューヨーク・デイリーニュース」紙のスポーツ欄の記者として働き大人気を博しますが、1930年代には記者の仕事を離れて小説の執筆に専念するようになります。

「猫語の教科書」のほかにも、猫になった主人公を書いたファンタジー「ジェニィ」やその続編「トマシーナ」など、動物を題材にした作品を数多く書きました。動物もの以外でも、雪が生まれてから消えるまでを女性の一生になぞらえた「雪のひとひら」などの名作があります。

内田百閒「ノラや」(中公文庫)

あらすじ

ある日庭の茂みを抜け出て、そのまま帰ってこなくなってしまった飼い猫・ノラ。ノラを目の中に入れても痛くないというほど可愛がっていた百閒先生はとても深く悲しみ、必死になってノラを探して回ります。

みどころ

本書は「猫本」の話題になると必ず名前が挙がるといっていいほどの名作です。これが書かれたころの内田百閒は68歳。そんな歳でありながら、新聞や折り込みチラシに迷い猫の広告を載せ、似た猫がいると聞けば慌てて駆けつけ、時には猫の墓を掘り返すことまでさせながら、必死になってノラを探し回ります。

そのあまりにも真剣な姿は、「文豪」といったようなお堅いイメージを超えて、読んでいる人の心を強く打ちます。猫好きはもちろん、好きでないという人も必読の一冊です。

作者

内田百閒(ひゃっけん、1889年~1971)は、夏目漱石の弟子としても知られる随筆家・小説家です。岡山県の裕福な酒造家の家に生まれ、東京帝国大学在学中に漱石と知り合い、門弟となります。卒業後は軍学校の語学教授、法政大学航空研究会会長などを歴任したのち、1933年以降から執筆活動に専念します。

「サラサーテの盤」などの独特な恐怖感を持った小説、独自のユーモアを感じられる随筆など数多くの作品を残しました。大の猫好きであると同時に大の鉄道マニアでもあり、鉄道紀行文「阿房列車」は特に有名です。

谷崎潤一郎「猫と庄造と二人のおんな」(新潮文庫)

あらすじ

荒物屋(雑貨屋)を営む庄造は、別れた前の妻である品子から飼っている雌猫のリリーを譲ってほしいという手紙を受け取ります。ですがリリーを溺愛している庄造には、譲る気持ちは一切ありません。庄造にリリーかわいがられているリリーに嫉妬している現在の妻・福子が絡んできて、猫を中心に騒動が始まります。

みどころ

猫を飼っていると、家族みんなが猫に振り回されて、てんやわんやになることってありますよね。この作品もそんな様を描いた小説ですが、それに留まらない細やかな心理や人間関係の描写を味わうことができるのが魅力です。

どうにもドロドロしたイメージがあってとっつきづらいという人も多い谷崎潤一郎ですが、この作品は中心に猫がいるので、とってもユーモアがあって入って行きやすいですよ。ここから日本文学に入門してみるのもいかがでしょうか。

作者

谷崎潤一郎(1886~1965)は、日本を代表する小説家の一人です。明治末期から戦後にかけて活躍し、その作風はいわゆる耽美主義であるとされますが、ミステリーや歴史もの、ブラックユーモアものから文化評論、果ては「源氏物語」の現代語訳に至るまで、それに留まらない多彩な作品を発表しました。

大阪・船場に生きる三姉妹を書いた大長編「細雪」、盲目の三味線奏者に恋した男を書いた「春琴抄」、日本における陰の美を説いた「陰影礼賛」などが知られています。

まとめ

動物,犬,猫,しつけ,飼い方,育て方,病気,健康

どうでしたか。猫を題材にした文学作品を3作ご紹介しました。

休日はこんな「猫文学」を、猫を傍らに読んでみるのも楽しいですよ!

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