”穏やかな巨猫”メインクーンの飼い方・歴史・特徴などの全て

今回はメインクーンを大特集いたします。「アライグマの血を引いている」「先祖はマリー・アントワネットの飼い猫」など、その出自にはびっくり仰天な説も多いメインクーン。ワイルドな雰囲気とか細い声、甘えん坊な性格のギャップがたまらない彼らの歴史、飼い方などを一挙紹介です!

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    関 慶之
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1.概要

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メインクーンは、北アメリカが原産の猫です。アメリカの東北端、カナダとの国境、五大湖の東にあるメイン州にルーツがあるといわれています。時に10kgを超すことのある大きな体格、ふさふさした硬い毛、か細く高い鳴き声などが特徴です。

その性格は風貌とは違ってとてもおとなしく主人に忠実で、犬のような猫ともいわれています。

2.歴史

メインクーンの由来ははっきりとはしていませんが、北アメリカでももっとも古い猫種であることは確かです。由来にはいくつかの説があります。

■船乗り猫と土着の猫がかけ合わされたという説

メインクーンはヴァイキングの船に乗っていたスコーガット(ノルウェージャンフォレスト)に容姿がよく似ています。このため、この猫が船から逃げ出して、アメリカ土着の長毛の猫の交わり、メインクーンが生まれたという説があります。これが最も有力な説とされています。

■イングランドの猫と長毛種の猫がかけ合わされたという説

17世紀にアメリカに移民してきたイングランド人が連れてきた猫と、19世紀にアメリカに持ち込まれたロシアあるいはスカンジナビアの長毛の猫が交わり、メインクーンが生まれたという説があります。

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■中国ルーツ説

ペルシャやアンゴラの血を引く猫が、クーン船長という人物によって中国から北アメリカ東部の沿岸地方に連れてこられ、発展してメインクーンになったという説。

■マリー・アントワネットのアメリカ亡命に関連する説

フランス革命で処刑されたマリー・アントワネットは、スティーブン・クロー船長という人物の助力によってアメリカ・メイン州へ亡命する計画があったといわれています。それは果たせず、船長は彼女が飼っていたアンゴラ種の猫を形見にと連れてきて、それがメインクーンとなったという説です。非常にロマンのある説ですね。

■カナダの土着猫をルーツとする説

カナダにいた野生の猫(ヤマネコ)が徐々に人間に近づき、ともに暮らすようになったという説です。メインクーンの大きな体格とその風貌はヤマネコを彷彿とさせます。

最も面白い逸話としては、この猫はアライグマ(ラクーン)の血を引いており、そのためメイン州のアライグマ=メインクーンという名前が付けられたというものです。生物学上ではそうしたことはありえないのですが、尻尾の形状や狩りの習性がアライグマに似ていることから、このような説が生まれたと考えられています。

こうした説の真偽はともかく、メインクーンは現在でもメイン州の「州の猫」と認定されており、珍重されています。

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アライグマはアメリカに広く生息しています。

メインクーンは19世紀後半にはアメリカで絶大な人気があり、1895年にはマディソンスクエアガーデンのキャットショーで最高賞を受賞します。しかし、20世紀に入って海外から長毛種の猫が入ってくると、ペルシャなどに人気を奪われて血統は先細りになってしまいます。

戦後の1968年になると、メインクーンの愛好家たちがこの猫種の専門クラブ「MCBFA(メインクーン・ブリーダー・ファンシャーズ・アソシエイション)」を設立すると、少しずつ人気が回復します。同団体は現在では1,200人以上のファンシャーが登録する大団体になりました。1980年までには、TICAやCFAなどの大きな猫種登録団体の公認も受けました。

3.身体的特徴

メインクーンは非常に大柄な猫として知られており、その体重は平均的には7㎏ほどで、最高では15kgに達することもあるといわれています。また、そのゴージャスな被毛はよりその大柄な体を引き立てます。ミディアムロングの被毛は硬く独特な手触りで、冬場に最も分厚くなり、見た目もとても美しくなります。

胸元にはライオンのたてがみに似た毛が密集して生えています。このことからメインクーンのことを、「maine(メイン州) coon」をもじって「mane(たてがみ) coon」と呼ぶこともあります。

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耳は高い位置に付いており、先端がピンと尖って、長い飾り毛が付いています。この耳毛にはリンクスティップ(ヤマネコの耳毛)という名前があり、単なる飾りではなく風や音を感じるための感覚器官としての役割を持っています。こうした毛はヤマネコに生えており、飼い猫では長毛種に多く見られます。

尻尾は非常にふさふさしており、まるではたきのように長く大きく、先端がかぎ状になっていることも多いようです。しっぽがあまりにも特徴的なことから、「しっぽにくっついている猫」というアメリカンジョーク混じりなあだ名もあるほどです。

4.性格・気質

メインクーンはその野性的な風貌とは裏腹にとても温和な気質をしており、「穏やかな巨人(ジェントル・ジャイアント)」というあだ名で知られています。

がっしりした見た目なので、「ヤンチャな子なのかな」とも思ってしまいますが、実際には温厚で飼いやすい猫です。そのため、初めて猫を飼う方にもおすすめです。また普段からあまり鳴くことはなく、鳴くときは「ルゥ~」という、震えるようなか細く高い声で鳴きます。このため、マンションなどの集合住宅での飼育などにも向いているといえるでしょう。

人懐っこいともいわれますが、あまりベタベタするのは好まず、一定の距離を保って接するのが好きなようです。学習能力も高く、大きな体も生かしてドアや戸棚を開けたりすることがあります。猫としては飼い主にも忠実であり、メインクーンの愛好家の中には、彼らの性格を「犬のよう」と表現する人も多いようです。

一般的に環境の変化に敏感とされる猫ですが、メインクーンはそうした変化によい意味で鈍感であり、少々のことには動じません。また協調性も高く、新しく犬や猫が家に来たり、子どもが生まれたりしてもすぐに仲良くなることができます。

また、猫は一般的に水に濡れることを嫌う傾向がありますが、メインクーンは水場で遊ぶのが好きという変わった性質を持っています。水道の蛇口から直接水を飲む場面もよく見られるようです。

性格の決まり方

猫は父親の性格を強く受け継ぐと言われています。ブリーダーから購入する場合ならば、猫舎を見学するときに親の様子も見ることができます。特に理由がないにも関わらず親の様子を見ることができない場合は、あまりよいブリーダーとはいえません。

遺伝だけではなく、性格は環境によっても変わってきます。どんな猫でもそうですが、ストレスの多い環境で飼育していると猫はやや攻撃的な性格になっていくことが多いです。メインクーンは元来温厚な性格なので、愛情を持って接してあげてください。

5.入手方法と価格

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入手方法

人気の猫種ですので、ショップからでもブリーダーからでも購入することが可能です。子猫を家族として迎えたいのであればブリーダーからの購入をオススメしますが、成猫でも構わないというのであれば、里親というものを検討してみてはいただけないでしょうか。殺処分されてしまう子を少しでも多く救うためにご協力お願いいたします。

価格

150,000円〜250,000円ほどが大体の目安となります。仲介業者を挟まない分、ショップよりブリーダーのほうが価格は安く設定されているようですね。もちろん、血統によってはもっと高い値段がつくこともありますので、購入を希望する際は直接問い合わせてみるのがいいかもしれませんね。

里親は基本無償です。ワクチン代や病院代などを支払うこともありますが、猫自体にお金がかかるということはないので、あまりに高いお金を求められた場合は内訳を訊くようにしましょう。

6.しつけ

運動

メインクーンは運動量そのものはさほど多くはありませんが、やはり体が大きいぶん体力はあるので、ストレスが溜まらないように運動はいつでもできるようにしてあげましょう。ヤマネコの血を引いているためか狩猟本能は強めで、ボール遊びや猫じゃらしで誘うとよく食いついてきます。

また、キャットタワーは体格にあった大きめのものを用意してあげて、飛び上がったり飛び降りたりする適度な上下運動ができるようにしてあげましょう。キャットタワーがなければ、高めの本棚などでもOKです。

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トイレ

猫はもともと、砂漠地帯の乾燥した砂の上で排泄を行っていた動物です。そのため、それと似たような猫にとって快適な環境を整えてあげれば、トイレのしつけにはさほど手間はかかりません。トイレの場所は部屋の隅など、あまり人通りが少なく落ち着ける場所に設置してあげるのが望ましいでしょう。ただし、最初のうちは目の届く範囲に置いて、少しずつ移動していくのがよいでしょう。

もし失敗しても、叱るのはやめましょう。猫は人間の設置したトイレの場所を理解できず、従って失敗してもなぜ叱られたのか理解することはできません。叱る前に、トイレの設置場所に問題はなかったか、猫砂などの環境は快適かといったことを見直しましょう。

爪とぎ

爪を研ぐことは、猫にとってはトイレと同じくらい重要です。猫の爪は古い爪の下に新しい爪が生える二重構造になっており、爪とぎによって古い爪を剥がして常に新しい爪を保っています。爪とぎはトイレと同様、落ち着ける場所に置いてあげましょう。キャットタワーやキャットハウスに爪とぎが付いている製品も多いので、そうしたものを利用するのもよいでしょう。

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噛み癖

温厚なメインクーンとはいえ、子猫の時分にはヤンチャをすることがあります。親や兄弟から早くに離れて暮らしている場合、加減が分からず強く噛んでしまうことがあります。そんな場合は、やたらと大きな声で怒鳴るようなことはせず、「コラッ」「ダメッ」などとしっかりした態度で「してほしくない」ということを示しましょう。

親猫は子猫に対して、表情を態度で示すことによってしつけを行います。そのため、叱る場合は猫の目を見て怒っていることを示すのも有効です。また、猫を無視することも有効です。噛んだらすぐに猫から離れて、遊んだり構ったりすることをせずにその場から離れます。これを繰り返すことで、「噛むことで遊んでもらえなくなる」と覚えるようになります。

こうした叱り方は、噛み癖に限らずその他のしつけにも有効です。ただいずれにしても、しつけは根気強く繰り返すことが重要です。中途半端に叱ったりしていると、猫は「これをすれば構ってくれる」と間違って覚えてしまいます。

7.お手入れ

メインクーンは長毛の猫であるため、お手入れには気をつけてあげる必要があります。

ブラッシング

一般的に、長毛の猫は1日に2回ほどのブラッシングが必要といわれています。忙しくても最低1日に1回は、コミュニケーションを兼ねてブラッシングを行ってあげましょう。メインクーンの場合は、特に3月ごろと11月ごろの年2回の換毛期にあたる時期には、ブラッシングは頻繁に行ってあげると抜け毛が少なく、気になりにくくなります。

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シャンプー

猫は自分の体は自分で毛づくろいして清潔に保ちますが、人間と暮らしている以上どうしても体はどうしても汚れがちになります。そのため、定期的なシャンプーは行ってあげてください。室内飼いであればさほど頻繁にする必要はありませんが、被毛をきれいに保ちたいなら月に1回程度行ってもよいかもしれません。

メインクーンは比較的飼い主に忠実で水遊びが好きな猫ですが、中にはシャワーを嫌う個体もいるので最初のうちは少しずつ慣らしていきましょう。濡れると埃などは取りにくくなるので、シャンプー前にはブラッシングを念入りに行いましょう。ぬるま湯程度のお湯を桶に張り、そこに猫を入れてあげましょう。ただ、メインクーンは体格が大きいため、ちょうどよいなら人間用の湯船を使用してもよいでしょう。

シャンプーは人間用のものは猫には刺激が強いので、ペット用のものを使用しましょう。シャンプーを手に馴染ませ、人間のシャンプーと同じように指の腹を使い、毛だけではなく皮膚をマッサージするような感覚で洗っていきます。体の上部分だけではなくお腹や足先など、隠れがちな箇所も洗ってあげましょう。また、長毛種はお尻周りが汚れやすいので、重点的に洗ってあげて下さい。

シャワーはできるだけノズルを体に密着させ、水が飛び散らないようにしてあげましょう。流し終えたら手で水を切ります。長毛種なので、シャンプーをした後はリンスをしてあげるとより毛が美しくなります。リンスは肌ではなく毛に馴染ませる感覚で使用しましょう。

シャンプーやリンスを流し終えたら、手でよく水を切ったあと乾かしていきます。まずはバスタオルで全身を包み、水分をふき取ります。そのあと、小さめのタオルでこまめに拭いていきます。脇の下や尻尾の付け根、指の間などは水気が残りやすいので、特に念入りに拭いてあげましょう。水分が残っていると皮膚のトラブルの原因になったり、残ったシャンプーが毛づくろいで体内に入って下痢の原因になったりすることがあります。

ドライヤーを使う際は、人間用のドライヤーでもOKですが、弱めの風を当てつつクシでとかしながら乾かしてあげましょう。毛の根元からしっかり乾かすことを意識して、最後はブラシで整えましょう。メインクーンはふさふさした尻尾が命なので、特に尻尾はきれいな形に保ってあげましょう。

爪切り

完全室内飼いの場合、猫の爪はすり減るスピードがどうしても遅く、長く伸びがちになります。ですので、爪は定期的にチェックしてあげましょう。猫の爪は自分で出し入れできますが、手の甲を押すことでも出てきます。爪には人間と違って血管が通っているので、深く切り過ぎないように注意しましょう。

歯磨き

猫も歯の病気にかかることがあります。歯の状態は定期的にチェックして、週に1回程度は歯磨きを行うようにしてください。口の中を触られることを嫌がる場合は、普段から歯磨き効果のあるおもちゃを与えたり、獣医さんに診てもらったりするのもよいでしょう。

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耳掃除

月に1~2回程度、耳の手入れをしてあげましょう。といっても、あまり丁寧に掃除しすぎると逆効果になってしまいますので、イヤーローションを染みこませたガーゼで拭いてあげたり、同じようにローションを付けた綿棒で溝部分を拭いてあげましょう。耳掃除を嫌がって暴れるような場合は、綿棒を奥まで突っ込んでしまう場合がありますので、ガーゼで拭くだけにしてあげたほうがよいです。

8.かかりやすい病気と平均寿命

平均寿命

メインクーンの平均寿命はおよそ11歳から14歳といわれています。猫全体の平均寿命がおよそ15年前後であることを考えると、それよりもやや短いということができるでしょう。しかしこれはあくまで平均値なので、それ以上に長生きする個体も大勢います。メインクーンは基本的にはアメリカ北部の厳しい気候にも耐える事のできる丈夫な猫なので、定期的な検査、完全室内飼い、食事、避妊手術などに気を付ければ健康で過ごせるでしょう。

メインクーンのかかりやすい病気としては、以下のようなものがあげられます。

多発性嚢胞腎

多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)は、両方の腎臓にできた嚢胞(液体をいれておく袋)が年をとるにつれて膨張し、最終的には腎臓そのものが膨張して腎機能が低下する病気です。この病気は遺伝病であり、特にペルシャやチンチラの血を引く猫に特によく見られる症状です。

この病気は有効な治療法がなく、1度発症すると完全には治らないことで知られています。初期症状は食欲不振、水を多く飲むようになる、尿が多量に出るなどがあげられますが、いずれも気づきにくいのが特徴です。親のどちらかにこの病気の遺伝子があると50%の確率で発症することが知られており、そうした猫を繁殖に利用しないことが最善の予防法になります。

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肥大性心筋症

肥大性心筋症は、左心室の筋肉が不自然に厚くなって心臓に様々な不具合が起きる病気であり、血流量が減ったり血栓ができることで心不全を起こして死に至ることもあります。症状としては元気消失、体重低下などがあるものの無症状の場合も多いです。やはり遺伝によって起きる病気であり、原因遺伝子を持った個体は繁殖に利用すべきではありません。

おわりに

いかがでしたか。アライグマやヤマネコの血を引いているともいわれる、野性味あふれる雰囲気が魅力的なメインクーン。大柄な体格とは裏腹の優雅な物腰や細い声、甘える姿はとても魅力的ですよ。

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