【獣医師監修】犬にお米を与えていい? お米のメリットと注意点について

日本人の主食といえば、お米。飼い主がお米を食べている時に、犬が寄って来たら、お米を与えても大丈夫なのでしょうか。そもそも肉食動物だった犬は、今は雑食動物とはいえ、穀物を与えるとどうなるのか…今回は、犬とお米について解説していきます。

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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

犬にお米を与えても問題はない

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犬にとってのお米とは、炊いた場合に限り元気の素となる、犬の食生活に有用な食材といえます。市販されているドッグフードやおやつの中には、お米や玄米が使われているものも多くあります。また、お米に含まれている上質のでんぷんやミネラルといった栄養素は、犬の健康にとっても良いものです。

しかし、肉を消化することは得意な犬でも、お米を消化するのはあまり得意としていません。プラスして、おいしいお米を好きな犬は多いですが、過剰に与えてしまうとすぐにカロリーオーバーとなってしまう食材でもあります。

お米に含まれる栄養素と効果

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では、お米にはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。おもな栄養素としては、以下のようなものがあります。
ただし、人と犬は違う動物です。犬の場合でも、人と同じ効果が期待できるとは限らないので注意してください。

●でんぷん
●たんぱく質
●ビタミンB1・B2
●ビタミンE
●カルシウム
●食物繊維

お米で有用な栄養素は、植物性たんぱく質です。動物性たんぱく質と比較するとエネルギーに変わる時間が早く、カラダを動かす原動力になってくれます。このように、お米はすぐにエネルギーになると同時に、体内のバランスを整えたり、脳を活性化したりと様々なメリットを持つ食材です。

また、玄米はミネラル・ビタミン類も豊富なので、より健康的な食生活につながります。加えて、お米はアレルギーの発症が少ない食材です。炭水化物の中では小麦アレルギーはたまにありますが、お米のアレルギーはほとんどないようです。

そして、お米には老化防止、疲労回復、神経機能の正常化という効能もあるので、健康でいられるための栄養素がそろっているともいえます。

犬にお米を与える時の注意点

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それでは、お米を犬に与える時はどのようにすればよいのでしょうか。普通に炊いたお米は、消化についてそれほど心配しなくてもよいともいわれていますが、決して消化が良い食材ではありません。とくに、生に近いお米は下痢や消化不良の原因になりやすいとされています。

玄米の場合は、白米よりもさらに多めの水でしっかりと煮たものを与えるようにしましょう。仔犬や高齢犬など消化器官が弱い犬に対しては、フードプロセッサーにかけて細かくしてから与えると消化しやすくなります。

そして、お米を与える時に注意しなければならないのは、大量に与えてはいけないということです。お米の過剰摂取は肥満の原因になってしまいますし、消化も良くないので、犬にとってあまり良いことがありません。上述の通り、お米はアレルギーが少ない食材ではありますが、稀にお米に対するアレルギーを持っている犬もいます。初めてお米を与える時は、少しずつ与えましょう。もし体調の変化があった時は、すぐに与えるのを中断し、体調不良が治らない場合は獣医師の診断を仰ぎましょう。
お米は糖分もカロリーも高い食べ物です。人間の一口が、小さな犬にとっては過剰摂取になることもあるので注意しましょう。

また、良質なフードをしっかり食べている場合は、それ以外の食事は基本的に必要ありません。ほかの食べ物を与えることで、それまで食べていたフードを食べなくなることもあります。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたいと考えている時などに参考にしてください。

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