【獣医師監修】折れ耳と丸顔が特徴のスコティッシュフォールド、成猫の体のサイズはどのくらい?

スコティッシュフォールドは、愛嬌たっぷりのルックスと穏やかな性格で、幅広い人々に愛されている猫種です。そのスコティッシュフォールドが成長したら、どのくらいの大きさになるのでしょうか。スコティッシュフォールドのカラダの特徴や、健康上の注意点とともに解説します。

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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

スコティッシュフォールドってどんな猫?

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スコティッシュフォールドは、イギリス・スコットランドが原産の猫種です。ある農場で生まれた白いメス猫のスージーは、成猫になっても耳が折れたままでした。

そして、スージーが産んだ子どもの中にも、スージーと同じ折れ耳の猫がいたことから、折れ耳という特徴が遺伝することに気づいた飼い主は、ブリーダーたちと協力し、折れ耳の猫を計画的に繁殖するようになりました。こうして、スコティッシュフォールドの小さく折りたたまれた耳は、猫種の特徴として固定されていくことになります。

しかし、スコティッシュフォールドの折れ耳は、遺伝子の突然変異による奇形です。そのため、交配していく過程で遺伝疾患を持つ猫が多く産まれるようになり、イギリスではスコティッシュフォールドの繁殖が中止されます。

その後、スコティッシュフォールドはアメリカでアメリカン・ショートヘアなど様々な猫種と交配され、1977年にアメリカ猫愛好家協会(CFA)において、正式な猫種として登録されました。しかし、遺伝疾患の問題があることから、イギリスではスコティッシュフォールドを猫種として認定していない団体も存在します。

スコティッシュフォールドの特徴

スコティッシュフォールドというと小さく折りたたまれた耳が特徴ですが、これは「骨軟骨異形成症(こつなんこついけいせいせいしょう)」と呼ばれる遺伝疾患によるものです。骨や軟骨が形成される成長期に発症することが多いといわれ、症状としては関節の変形(骨瘤)や強い痛みなどがあります。

じつは、足を投げ出して人間のように座る「スコ座り」も、関節の痛みを和らげるためにそのような座り方をしているのではないかといわれています。

スコティッシュフォールドの性格は、やさしく温和で、お茶目な一面を持ち併せています。とても人懐こく、飼い主に遊んでもらうことが大好きな猫種で、「犬っぽい猫」といわれることもあります。

スコティッシュフォールドの成長

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ほかの猫種と比べて、スコティッシュフォールドの成長過程に大きな違いはありません。ただし、遺伝による先天的な疾患、骨格形成の異常には注意が必要です。健康状態の把握や病気の早期発見のため、定期的に動物病院で健康診断を受けましょう。

スコティッシュフォールドの体重

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スコティッシュフォールドの平均体重・体高は以下のようになります。

●平均体重

オス:3~6kg
メス:3~5kg

●平均体高

オス・メスともに25~27cm

スコティッシュフォールドの成猫は、少しずんぐりとした、やや筋肉質なカラダつきが特徴です。大きさは一般的な猫とそれほど違いません。

ただし、スコティッシュフォールドはあまり活発な性格ではないため、比較的肥満になりやすいといわれています。肥満は万病のもとといわれますが、とくに骨や関節に遺伝疾患がある場合は、体重の増加によりカラダへの負担が増してしまいます。エサの与えすぎに注意し、カロリーを抑えたフードを選ぶなど、体重の管理に気を配りましょう。

スコティッシュフォールドは、穏やかで人懐こく、家庭的な性格をしているので、初心者でも飼いやすい猫種であるといわれています。

しかし、スコティッシュフォールドを家族に迎える時は、遺伝疾患についての正しい知識を身につけておく必要があります。そして、家族の一員になったからには、たとえその猫が遺伝疾患を発症してしまったとしても、最後まで添い遂げる覚悟を持ってください。

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