遺伝病に要注意! 犬種別のかかりやすい病気について

日本でペットとして飼われている犬は、40種類以上ともいわれています。その種類ごとに特徴があり、原産地・遺伝子系統が違うため、かかりやすい病気も異なります。そこで今回は、犬種ごとの病気について解説していきます。

  • サムネイル: ひなた ふゆみ
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

遺伝病とは?

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犬には、遺伝的にかかりやすい病気というものがあります。それが遺伝病です。

遺伝病を発症しやすいのは、「純血種」と呼ばれるいわゆる「血統書付」の犬です。「純血種」は同じ種類の犬同士を掛け合わせたものですが、様々な犬種を交配させた「雑種」と比べると遺伝的疾患の特徴も強く出るため、遺伝病を発症しやすくなります。

逆に、雑種は様々な犬種の血が混ざり合った結果、純血種の持つ遺伝的な問題となりやすい部分が薄れていくため、ストレスの少ない良い環境で育てば長生きしやすいといわれています。また、大型犬の寿命は平均して13歳程度といわれていますが、小型犬の平均寿命は17歳程度と、比較的長生きする傾向にあるようです。

犬種別のかかりやすい病気

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それでは、犬種別にかかりやすい病気を、とくに注意すべき犬種について、あいうえお順で紹介していきましょう。

秋田犬

大型犬であることから、骨や関節の成長に関した疾患にかかりやすい傾向があります。具体的には、肘関節や股関節形成不全が挙げられます。

ウェルシュ・コーギー

首の椎間板ヘルニアを発症しやすく、四肢・後肢のしびれや麻痺を起こすことがあります。また、椎間板ヘルニアと症状は似ていますが、変性性脊髄症(へんせいせいこつずいしょう)という病気を発症しやすいとされます。また、1~2歳の頃に、脳の異常からてんかん発作を起こすことも多い犬種です。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル

先天的な異常として口蓋裂(こうがいれつ)やヘルニアなどを起こすことがあります。また、高齢になると心臓病にかかりやすいほか、若年性の白内障(はくないしょう)を発症することがあります。

アメリカン・コッカー・スパニエル

白内障や緑内障(りょくないしょう)など、目の病気のリスクが高い犬種として知られているほか、比較的耳や皮膚にトラブルが生じやすい傾向にあります。

コリー

猛暑に弱いほか、コリーアイという目の遺伝性疾患を発症しやすい犬種です。また、灰色系や銀色の毛色を持つコリーは、グレーコリー症候群という白血球の病気にかかりやすい遺伝子的なリスクを持っています。

ゴールデン・レトリーバー

関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)を高い確率で発症します。また、白内障や犬アトピー性皮膚炎を発症する確率も高い犬種です。

シーズー

目が大きい犬なので、眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)、外膜炎(がいまくえん)、網膜剥離(もうまくはくり)などの目の疾患にかかりやすいリスクがあります。また、皮膚の問題を生じるリスクが少々高めです。

柴犬

交配による異常はほとんどない丈夫な犬種ですが、まれに膝蓋骨の脱臼がみられます。

シベリアン・ハスキー

生まれつきの病気は比較的少ない犬種ですが、成長すると白内障を患う可能性が高くなります。

ジャーマン・シェパード・ドック

遺伝性疾患が非常に多い犬種です。とくに、股関節の形成不全から引き起こされる脊髄の異常が多くみられ、遺伝子的に情緒不安定な個体も多いです。

ダックスフンド

胴長短足という体型的特徴により、椎間板ヘルニアを発症しやすい犬種です。また、網膜の異常や眼瞼外反症(がんけんがいはんしょう)など、目の疾患にもかかりやすいといわれています。

ダルメシアン

膀胱に結石ができやすく、犬アトピー性皮膚病にもなりやすい犬種です。

チワワ

生まれつき頭蓋骨にすき間があるので、頭への衝撃により病気を発症しやすくなります。また、目が大きいのでドライ・アイになるリスクが高く、食が細い場合は低血糖症にもなりやすい犬種です。

ドーベルマン

平衡感覚を失う「ふらつき症候群(前庭神経炎/ぜんていしんけいえん)」を発症する確率が高い犬種です。品種改良にあたって複雑な交配が行われたため、そのほかにも様々な犬種の遺伝的疾患のリスクを背負っています。

パグ

先天的な異常として、口蓋裂や口唇裂(こうしんれつ)が多くみられます。また、黒毛の個体は膝蓋骨脱臼のリスクも高くなります。

ビーグル

椎間板ヘルニアや白内障を発症しやすい犬種です。1歳を過ぎると、てんかんがよくみられますが、検査により早い段階で対処が可能です。

プードル

非常にデリケートな犬種です。アレルギーや目・耳の病気、過敏性皮膚炎(かびんせいひふえん)が多くみられます。

ブルドック

口蓋裂や睾丸停滞(こうがんていたい)など、先天性異常の多い犬種です。顔やカラダにシワが多いので、細菌感染も起こしやすいでしょう。

ボクサー

ホルモン異常や心臓疾患のリスクが高く、高確率でガンも発症します。

ポメラニアン

チワワ同様、頭蓋骨にすき間が空いているので、頭部への衝撃から病気を発症しやすい犬種です。そのほか、低血糖や睾丸停滞、気管虚脱(きかんきょだつ)などの疾患を発症しやすいです。

マルチーズ

水頭症(すいとうしょう)や低血糖症、膝蓋骨の脱臼が多い犬種です。また、涙が出やすいので、症状が強い場合は外科手術で治療します。

ヨークシャー・テリア

仔犬の時に低血糖症をよく起こします。膝蓋骨の脱臼も多い犬種です。

ラブラドール・レトリーバー

関節の形成不全、白内障を高確率で発症します。また、筋ジストロフィーはこの犬種の遺伝病で、生後3ヶ月ほどから歩行障害が起こることがあります。

このように、犬種によってかかりやすい疾患は様々です。純血種を飼っている人は、愛犬の遺伝病リスクをしっかりと把握し、健康の維持のために注意を払いましょう。

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