皮膚病の一種、膿皮症。考えられる原因や症状、治療法と予防法

膿皮症(のうひしょう)は、命に関わる病気ではありませんが、放っておくと全身に強い痒みが出るので、猫が引っ掻いて出血してしまうこともあります。膿皮症が起こる原因や症状、治療法、予防法についてみていくことにしましょう。

  • サムネイル: ひなた ふゆみ
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

膿皮症の原因

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出典 PearlNecklace/Shutterstock.com

膿皮症の原因となる病原菌は、ブドウ球菌と黄色ブドウ球菌が大半といわれています。これらは、皮膚の常在菌、もしくはありふれた菌なので、通常の状態で害はありません。しかし、何かしらの理由で猫の免疫力と菌の繁殖力のバランスが崩れると、炎症が発生し、膿皮症になります。

外的要因によって発症

皮膚などにできた傷が原因となり、菌に感染し、膿皮症を発症します。

菌の増殖によって発症

湿度が異常に高かったり、毛づくろいが不足して皮膚表面の換気が滞ったりすることで、菌が異常繁殖し、膿皮症を発症します。とくに、ペルシャやヒマラヤンなどの長毛種に発症しやすいといわれています。

既存の病気によって発症

何かしらの疾患が原因となって、膿皮症を発症することがあります。慢性的な皮膚病、ノミによる皮膚炎、免疫異常、ホルモンの病気、アレルギー、甲状腺機能の低下、他の感染症などが要因となります。また、病気を治すための過剰な投薬が原因となり、膿皮症が発症することもあります。

その他の要因

栄養不足、栄養過多、不衛生、シャンプーのしすぎなどが原因となり、皮膚が刺激されて発症するケースもあります

膿皮症の症状

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猫の膿皮症は、皮膚上に存在する菌が異常増殖し、化膿してしまう状態のことを指します。人間でいうところのニキビに近い皮膚病です。

猫の皮膚は、表面から順に表皮、真皮、皮下組織に分かれており、そのすべての部分において膿皮症の症状が現れる可能性があります。

表面性膿皮症

表皮の角質層に限って起こる膿皮症で、皮膚の表面上にできた傷が化膿したり、皮膚のシワの間に炎症ができて膿が溜まったりします。

表在性膿皮症

毛包(もうほう/毛根を包む組織)とそれに連なる表皮に起こる膿皮症で、猫にはあまりみられないといわれています。膿皮症が悪化している状態で、皮膚の表面にニキビのような膿を含んだ突起物がみられます。

深在性膿皮症

毛包全体や真皮、皮下組織に起こる膿皮症で、毛包が破壊され、皮膚組織がダメージを受け、強い痒みや痛みが発生します。出血の影響でカサブタができ、菌の増殖により悪臭が発生したり、化膿したりします。

膿皮症の治療法と予防方法

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膿皮症の治療法は、発症した原因によって様々です。一般的には、抗生物質を投与し、皮膚上の菌を減らすことで炎症を抑えます、表在性膿皮症の場合で最低3週間、深在性膿皮症の場合は最低6週間程度の投与が必要です。

膿皮症の原因が何らかの疾患にある場合、その疾患の治療を優先します。膿皮症が進行している場合は、基礎疾患の治療と膿皮症の治療を合わせて行います。表在性膿皮症の場合、猫用の薬用シャンプーを使用することで、症状が改善されることもあるようです。

膿皮症を予防するためには、日頃から適度なシャンプー、ブラッシングを行い、猫の皮膚を清潔な状態に保つことが重要です。また、室内が不衛生な場合も、膿皮症の発症することがあるので、飼育環境にもしっかりと気を配ってあげましょう。

さらに、運動不足や長時間の留守番などがストレスとなり、カラダを舐めたり、引っ掻いたりすることが原因で炎症を起こすこともあります。日常生活において、猫に過度のストレスを与えないよう注意しましょう。

膿皮症は命に関わる病気ではありませんが、猫は激しい痒みで苦しむことになります。原因となるものの大半は、日々のケアと飼育環境の改善で予防できます。飼い主の責任として、愛猫の健康管理に努めましょう。

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