犬のてんかん 考えられる原因や症状、治療法と予防法

てんかんとは、発作的に繰り返される「全身の痙攣」や「意識障害」などの症状が出る脳の疾患のことです。このてんかん、数分間続き徐々に治まることが多いのですが、この発作が続く時には、命の危険もある恐ろしい病気なのです。

  • サムネイル: ひなた ふゆみ
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

犬がてんかんになる原因

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てんかんの原因については、以下の2種類があります。

真性てんかん

明らかな異常がないのに、症状として発作だけが起きる場合…これを真性てんかん(特発性てんかん)といいます。後述するてんかん発作の症状があるものの、MRIなどの検査を行ってもはっきりわかる異常がない場合は、この真性てんかんと診断されます。この真性てんかんは、遺伝的な要因が大きく関係すると考えられていて、てんかん発作以外の症状はありません。

症候性てんかん

これは、脳炎や脳腫瘍など脳の異常により、その症状の一環としててんかんを引き起こしていると考えられるものです。てんかんの発作のほかの症状がある場合には、症候性てんかんが疑われます。

犬がてんかんになった時の症状

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犬がてんかんになった時には、以下のような症状が現れます。

●手足を左右対称に突っ張る
●痙攣する
●意識が薄らぐ・なくなる
●口から泡を吹く
●失禁・脱糞する
●同じ動作を繰り返す

このような発作は、脳全体の神経が興奮して起きる全般発作と呼ばれるものです。この発作のほか、さらに強い痙攣が起こってしまい全身の筋肉が突っ張る強直性痙攣や、小刻みな痙攣を繰り返す間代性発作などがよく見られる症状です。発作は数分間続き、その後少しずつ治まります。ただし、上記症状以外の例外もあります。

この発作が起こる頻度は様々で、毎日起こる犬もいれば、数ヶ月に1回起こる犬もいます。季節の変わり目など、長いスパンで定期的にてんかんを起こす場合もあります。これらの発作の前兆として、落ち着きがなくなったり、一点を見つめて動かなくなったり、口をもぐもぐさせたり、という症状がよく見られます。

犬のてんかんの治療・予防方法

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家でてんかんの発作が起きた場合は、その場で対処できることはありません。飼い主は慌ててしまうと思いますが、ここで急に抱いたりすると噛まれることもあるので、落ち着いて抱え上げて、症状が治まってから動物病院に連れていきましょう。この時、発作がなかなか治まらない場合は急いで受診する必要があります。

てんかん発作を起こした犬に対しては、まず、発作以外の神経異常がないかどうかを確認するために血液検査を行います。これは、低血糖や低カルシウム血症など、ほかの原因によってもてんかんの発作と似たような症状が現れるためです。この血液検査の結果に異常がなければ、てんかんの可能性が高くなります。

この先はMRI検査になりますが、限られた施設にしか機器がなく、麻酔もすることから行うかどうかは状況次第です。とくに、真性てんかんの可能性が高い場合は、MRI検査をせずに治療を行うことが多くなります。

てんかんの治療では、脳神経の興奮を抑える抗てんかん薬を投薬します。この抗てんかん薬を投与し、発作を抑えていきます。てんかんは一度発症してしまうと、完治が難しいことがほとんどといわれています。とくに真性てんかんは遺伝的な要素が大きいことから、明確な予防方法が確立されていません。抗てんかん薬は、発作を起こさない薬ではなく、発作の頻度を抑える、あるいは発作そのものを起こしにくい状態にするものと考えた方がよいでしょう。

このように、てんかんは一度発症すると長く付き合っていく病気になりますが、日頃の犬の様子をチェックし、てんかんの発作が起きそうな予兆がある時は、落ち着かせるようにすることが大切です。

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