猫の低体温は要注意。考えられる病気と対策

猫の体温がいつもより低い。もしかしたら、それは病気のサインかもしれません。早期に発見し、適切な処置をしないと猫の命に関わることも…。そこで今回は、猫の低体温について解説します。

  • サムネイル: ひなた ふゆみ
  • 更新日:

監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

猫が寒いところに行く理由

動物,犬,猫,しつけ,飼い方,育て方,病気,健康

grace son/Shutterstock.com

猫は暖かい場所が大好きな生き物ですが、なぜか突然寒いところに行きたがることがあります。それには次のような理由が考えられます。

●気温が高いので涼もうとしている
●病気により高熱を発しているので体温を下げようとしている
●低体温症になっている

暑い時に涼もうとするのは、人間と同じで自然な行動です。猫は自分にとって快適な場所を見つけるのが得意なので、そのまま見守ってあげましょう。

もし、猫にとって快適な気温であるにもかかわらず、寒いところに行こうとする時は、何らかの病気を患っている可能性があります。そんな時は、まず猫の体温を測ってみましょう。猫の平熱は39℃前後が正常な値です。体温が平熱から大きく外れていたり、ほかにいつもと違う様子がみられたりした場合は、獣医師の診断を仰ぎましょう。

低体温症とは

もし猫の体温が平熱よりも低く、寒い場所でぐったりしている場合には、低体温症にかかっている可能性があります。その場合は猫のカラダを温めて、すぐに動物病院へ連れていきましょう。猫にとって、低体温症は命に関わることがあるため、早急な対応が必要です。

猫が低体温症になる原因

猫が低体温症になった時に考えられる原因として次のようなものがあります。

●精神的なショック
●ケガ
●寒さ
●カラダが長時間濡れたままになっていた
●先天性の心臓病
●尿毒症
●急性心不全
●その他衰弱

猫は、何か精神的なショックを受けたり、もしくはケガをした時などに、低体温症になることがあります。

また、ごくまれに先天的な心臓疾患により低体温症になる猫がいます。先天的な心臓疾患については雑種よりも純血種の猫に多いといわれており、症状が軽い場合は気づくことが難しいといわれています。逆に症状が重い場合は、大人になるまで生きることは難しいでしょう。

人間と違い、猫は心臓の手術に耐えられるだけの体力を持っていないことがあります。そのため、症状を緩和するための対症療法として、心臓の動きを補うための血管拡張剤や利尿剤、強心剤などの薬を組み合わせて投与するのが一般的です。

また、猫が急性腎不全により尿毒症を発症した場合にも、低体温の症状が出ることがあります。急性腎不全の初期症状としては、食欲の低下、元気の減少、尿が少量になるもしくは出ない、嘔吐などがみられます。

急性腎不全の症状が悪化し、尿毒症を発症した場合、痙攣、昏睡、体温低下などの重い症状が現れます。この場合の体温低下は、急性腎不全の末期症状といえるでしょう。

猫の急性腎不全は、発症してから数日で症状が重篤化するといわれているため、早期発見・早期治療が重要です。利尿剤や点滴を用いて、尿毒症の原因となる物質を排出させる治療を行いますが、乏尿(尿量の減少)の症状がある時は、死亡率が高くなります。

ちなみに、慢性腎臓病の場合は急激に症状が悪化することがないので、体温の低下はあまりみられませんが、症状が進んで体力の低下が著しい場合はその限りではありません。

猫が寒いところに行く場合の対策

動物,犬,猫,しつけ,飼い方,育て方,病気,健康

Koldunov Alexey/Shutterstock.com

猫が寒いところに行きたがる場合は、体温が下がっている可能性があります。そんな時は、猫を飼い主の目が届く場所に置き、室温を上げることでカラダを温めてあげましょう。

また、タオルや布団などで猫のカラダを包んであげるのも有効です。猫が低体温症になっている場合、寒いところに行ってカラダを冷やしてしまうと、かえって症状を悪化させてしまうおそれがあるので注意しましょう。

大切なのは、急にではなく、ゆっくりと猫の体温を上げてあげることです。急激に体温を上げてしまうと、内臓の血流が急速に皮膚に流れ、猫がショック状態に陥る場合があります。

このように、猫が寒いところへ行きたがるのは、病気のサインである可能性があります。大切な愛猫の健康を守るために、普段から注意して見守ってあげましょう。

内容について報告する