犬のマダニ事情。症状や原因、治療法、予防法について

ノミとマダニは似ているように思われるかもしれませんが、全く異なります。ノミに寄生されると全身が痒くなるのに対し、マダニに寄生されても通常何も感じません。今回は、マダニにスポットを当ててその対策を考えていきます。

  • サムネイル: ひなた ふゆみ
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

犬にマダニがつく原因

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そもそもマダニとは何なのでしょうか? マダニは、犬の皮膚に張り付いて血を吸う3mm~4mmほどの大きめのダニです。暖かい時期を好むので、5月から9月に活動が活発化しますが、1年中活動はしています。ノミが犬にずっと寄生し続けるのに対し、マダニは十分に吸血すれば、脱皮や産卵のタイミングで犬の体から離れます。

マダニは蜘蛛の仲間なので、脚は8本(幼ダニの時期は6本)。犬に付着したメスのマダニは、約1週間にわたり犬の血を吸い続けて、お腹を満たすと犬から離れ、産卵の準備に入ります。

そのマダニが犬につく原因は、おもに散歩時などです。大きな公園や河川敷などでマダニが付着してしまうことが多いようです。

犬についたマダニの治療方法

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マダニがついたことで痛みや痒みはほぼ生じませんが、マダニが口を突き刺すために犬の皮膚を切開するため、炎症が起きたり、マダニの唾液に含まれる神経毒により、神経症状(ダニ麻痺症)を起こすこともあります。また、大量のマダニが付着することで、犬が貧血を起こしてしまう場合があります。マダニの種類にもよりますが、多くのマダニが皮膚に口を突き刺したあと、抜けないようにセメントのような物質を出して皮膚と口を固定します。

そのマダニ、厄介なことに病原菌を持っていることが多く、血を吸われた犬は「バベシア症」などの感染症に罹患する可能性があります。「バベシア症」はマダニの体内に寄生していた原虫が犬の赤血球に寄生することによって起こる疾患で、貧血や発熱などを引き起こします。

このようにマダニがついてしまった犬を救うには、飼い主が駆除剤を使ったり、ピンセットで取り除いたりする方法もありますが、獣医師に診てもらうのが良いでしょう。

というのも、マダニを取り除くのは非常に困難だからです。ピンセットではさむ際に、吸血して膨らんだ体をはさんでしまうと、吸血した血だけではなく、マダニの体内の物質を犬の体に押し出してしまうことになります。また、口の部分が犬の皮膚内に取り残されてしまうこともあります。

動物病院で取り除く際も、マダニの口が犬の皮膚内に残ることがあります。この際は、皮膚を小切開して残った口を取り除きます。また、マダニは犬だけでなく人間にも悪影響を与えることがあります。犬と同様、ダニ麻痺症を起こしたり、近年ニュースでも話題になった重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の危険もあります。これは、マダニを介してウイルスに感染することで発症し、日本でも死亡例が報告されました。

犬にマダニがつくのを予防する方法

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このように非常に危険なマダニですが、マダニの付着を完全に防ぐ手立てはないのが現状です。しかし、付着したマダニを48時間以内に死亡させる予防薬はあるので、定期的に使用することをお勧めします。また、なるべく草むらに頭を突っ込ませないようにしたり、散歩後に念入りにブラッシングをしたり、体を観察しておくことも大切です。

マダニは、犬にとって天敵ともいえる厄介な存在です。飼い主ともども、マダニがつかないような対策はしっかりしておきたいものです。

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