医療現場に癒やしを与える犬たち。日本で二頭だけの「ファシリティドッグ」

医療現場に癒やしを与える犬たち。日本で二頭だけの「ファシリティドッグ」

ファシリティドッグを知っていますか?ファシリティドッグは医療現場で活躍する犬たちです。日本では、盲導犬や警察犬はよく知られている存在ですが、ファシリティドックについてはあまり知られていません。今回は日本でたった2頭しかいないという、ファシリティドッグについてご紹介したいと思います。

  • サムネイル: PECO編集部
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ファシリティドッグとは?

病院などの医療現場で活動する犬、ファシリティドッグ。ファシリティドッグは、辛い闘病生活をおくる患者さんたちに触れ合い、励まし、精神的なケアを行うことで、治療が円滑に進むようにサポートします。

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日本の医療現場で活躍するファシリティドッグたち。

医療現場で活動する犬には、ファシリティドッグのほかにセラピードッグと呼ばれる犬たちもいます。

「患者を癒やす」という点では一緒ですが、さまざまな施設を訪問するセラピードッグに対し、ファシリティドッグの訪問先は固定しており、毎日同じ病院に通います。
また、ファシリティドッグを引率するハンドラーが、看護師や臨床心理士といった医療従事者であるというのも大きな特徴です。

日本にたった2頭だけ!ファシリティドッグのベイリーとヨギ

「ベイリー」と「ヨギ」は、日本でたった2頭のファシリティドック。現在、ファシリティドッグが活動できる医療現場は国内では少ないものの、静岡県と神奈川県の2つの小児病院で活躍しています。

最初のファシリティドッグであるベイリーはオーストラリアで生まれ、ハワイの専門施設「Assistance Dogs of Hawaii」でファシリティドッグとしてのトレーニングを開始。2010年1月から2年半の間、静岡県立こども病院に勤務し、2012年からは神奈川県立こども医療センターで勤務しています。

ベイリー

ベイリー

・ゴールデンレトリバー
・オス

静岡県立こども病院での2年半の勤務をへて
2012年7月から神奈川県立こども医療センター(横浜市)で勤務

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ファシリティドッグのベイリーとハンドラーの森田さん。

2頭目のファシリティドッグ「ヨギ」はベイリーと同じくハワイで訓練を受け、2012年からベイリーの後任として静岡県立こども病院に勤務しています。

ヨギ

ヨギ

・ゴールデンレトリバー
・オス

ベイリーに続く日本で2番目のファシリティドッグ
静岡県立こども病院(静岡市)に勤務

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ファシリティドッグのヨギとハンドラーの鈴木さん。

ベイリーとヨギがもたらした奇跡

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ファシリティドッグは、海外で産声をあげた動物介在介入の一つです。認定NPO法人シャイン・オン・キッズが、日本で初めて「ファシリティドッグ・プログラム」をスタートした当初、海外と日本では文化や価値観の違いもあり、犬を医療現場に受け入れてもらうことは容易ではなかったそうです。しかし今では、PICU(小児集中治療室)や手術室の入出も許可されるまでになっています。

ベイリーは、6年以上の医療現場での活動実績がありますが、なんとその間のクレームは0件。それどころか、彼は闘病している子どもたちに、笑顔や奇跡をもたらしています。その一部をご紹介したいと思います。

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『辛い治療を頑張れた』
小児がんや白血病などの重病の子どもたちは、大人でも辛い強い治療を受けています。ファシリティドッグはそんな治療を嫌がる子供たちのところへ行き、傍で見守ります。「ベイリー…おいでー!! 」「ベイリー、頑張ったよ」。治療が終わって、ある子が一番最初に発した言葉はベイリーの名前でした。

『不安を軽減する力になった』
ある盲目の患者さんは採血の時に毎回パニックになっていましたが、ベイリーが隣に寝てあげると落ちついて、採血でパニックを起こさなくなりました。

『ご飯が食べられなくなってしまった終末期の子が食べれた』
残された時間が少なく、食事も喉を通らなくなってしまった患者さんの食事に、ベイリーが立ちあうことになりました。その子は笑顔で「ベイリー見ててね」と言って、自分でスパゲティを少しとアイスクリームを食べたそうです。

『何に対しても反応しない子供が、笑った』
生後5日で「新生児大動脈弁狭窄」と診断され、くすぐっても、辛い治療をしても無表情だった子どもが、次第にベイリーに手を伸ばすようになり、目で追いかけ、笑うようになりました。その後、体調も安定し、宣告された余命を越え生きる力になりました。

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ファシリティドッグがもっと活躍できる未来を願って

ハンドラーの森田さんは以前、看護師として病院で勤務していた時、「ここはまるで牢獄ですね」といわれたことがあるそうです。入院中の子供たちは食事も行動も制限され、友達と遊ぶこともできず、子供らしい楽しい生活を送ることができません。また、耐えることや我慢する事が美徳とされる日本では、辛い治療を緩和させるためのサポートが乏しいと言われています。

そんな医療の現場を肌で感じてきた森田さんだからこそ、ファシリティドッグ・プログラムに携わるようになり、動物介在介入の重要性を強く感じているそうです。

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医療現場において、患者さんが過ごす空間や環境作りにファシリティドッグの存在はとても有効だと思います。闘病生活をおくる子どもたちに少しでも笑顔が広まるように、この先、ファシリティドッグの認知が国内でも拡大していくことを願います。

ファシリティドッグの活動について応援したい、興味がある、という方はぜひ、認定NPO法人シャイン・オン・キッズのHPを覗いてみてください。

文/Ms_Royal
画像提供/認定NPO法人シャイン・オン・キッズ
参照/認定NPO法人シャイン・オン・キッズシャイン・オン!キッズ【facebook】YOU TUBE/Yuko Morita & Bailey | TEDxShimizu神奈川県立こども医療センター静岡県立こども病院Assistance Dogs of Hawaii

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