保護犬のしつけ【ぼくの人生を変えた保護犬「ウディ」のこと #5】

保護犬のしつけ【ぼくの人生を変えた保護犬「ウディ」のこと #5】

毎週更新される『ぼくの人生を変えた保護犬「ウディ」のこと』。フリーライターの稲崎さんが、自身の体験をもとにしながら、いっしょに暮らす保護犬「ウディ」とのさまざまなエピソードを綴っていきます。今回のテーマは「保護犬のしつけ」についてです。

  • サムネイル: PECO編集部
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#5 保護犬のしつけ

保護犬を迎え入れるとき、多くの飼い主さんが頭を悩ますのが「しつけ」のことではないでしょうか。

保護犬の多くはすでに成犬になっている場合が多く、なかには人間不信になっている犬もいます。そうした犬たちの心のケアを行いながらも、犬が犬らしく人間と暮らすためには、飼い主と正しい主従関係を築く必要があります。

ぼくも犬と暮らすまでは知らなかったのですが、犬のしつけには終わりがありません。これが人間の子どもであれば、トイレやごはん、靴の履き方など、はじめはひとりでできなかったことも、成長とともに自らの手でできるようになっていきます。

しかし、犬のしつけは覚えたから終わりではなく、継続して行わなければいけません。どんなに些細なことでも褒めることを忘れず、いつも愛情たっぷりに接することが大切です。もしそれを怠ってしまうと、犬は今までできていたこともできなくなってしまいます。

犬のしつけは子犬の時期がもっとも大切といわれています。成犬になってからでは、子犬のときよりも何倍も労力と時間がかかってしまうからです。保護犬の場合でも、前の飼い主がしっかりとしつけをしていれば問題はありませんが、適切なしつけがされていなかった犬たちの場合、やはり長い目でしつけを正していく覚悟が必要になります。

さて、ぼくの家のワンコ、ウディはというと?

彼のいちばんの特徴は、極度の怖がりであること。
散歩やドッグランでは、他の犬たちと仲良くできるのですが、人間が苦手だったりします。飼い主のぼくに威嚇するだけでなく、ときにはキバを見せることもあります。

これまでに何冊かしつけの本を読み、トレーナーに相談もしてみたのですが、「すでに成犬だからね……」と長い目でのケアをすすめられるばかり。いまでは少しばかり人にも慣れてきましたが、それでもしつけの大変さを痛感する毎日です。

保護したばかりのころは、別の部屋で5分ほどひとりにしておくだけで悲痛な声を出すこともありました。これでは近くのスーパーへ買い物にもいけないと思い、ストップウォッチを片手に隣の部屋に隠れ、5分間一度も吠えなければご褒美を与え、次は6分、その次は7分と、少しずつ時間を延ばしながら、ひとりの時間に慣れさせたりしていました。

このころは「ちゃんとしつけをしなくては…」と焦ってばかりいましたが、いまになって思えば、もう少し犬のペースに合わせてしつけをするべきだったと後悔しています。

ウディとの生活を3年以上過ごしてみてわかったことは、保護してからの1年間は、飼い主と犬との信頼関係をお互いに築く期間だということです。

はじめの1年間は、犬が新しい飼い主のことを知る期間であると同時に、飼い主も保護した犬のことを知りながら生活スタイルを試行錯誤する期間です。それは恋人同士が結婚前に「同棲」をしながら、相手と自分の生活スタイルをすり合わせることに似ている気がします。

「犬は家族の一員」という言葉をよく耳にしますが、保護犬を家族として迎え入れるときは、家族というより「新しい友達」という感覚の方が近いかもしれません。

自分たちの生活スタイルに犬を適応させるだけではなく、保護犬の個性や好みも尊重する。お互いが少しずつ歩み寄りながら、時間をかけてしつけを行えば、きっと居心地のいいライフスタイルを見つけ出すことができると思います。

文・写真/稲崎吾郎

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