うさぎ|癒やしのペット『うさぎ』の飼い方・特徴のすべて

ペットとして飼われ事も多くなってきたうさぎ。その生態や歴史、野生の名残り、繁殖や病気に関して等幅広く解説します。

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1.概要

うさぎとは

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アナウサギ

ウサギ目の哺乳類の総称。ウサギ科とナキウサギ科に分けられ、ウサギ科は「プッシュマンウサギ属」「アラゲウサギ属」「ノウサギ属」「スマトラウサギ属」「アナウサギ属」「アマミノクロウサギ属」「ウガンダクサウサギ属」「アカウサギ属」「メキシコウサギ属」「ワタオウサギ属」に分類されます。

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ナキウサギ

現在ペットや家畜として一般的に知られている飼いうさぎは全て、ヨーロッパの野生のアナウサギを祖先に、人間によって改良され生まれた品種です。

ペットとしてより可愛らしく人懐こいうさぎ、食用として多くの良質な食肉がとれるよう大型に改良されたうさぎ、より多くの美しい毛皮がとれる長毛のうさぎなど、必要に応じて改良されてきました。

2.歴史

うさぎの歴史は古く、最古のうさぎの化石は約5500万年前にモンゴルと中国の地層から発見されました。3000万年前には現在のナキウサギとほぼ同種のうさぎの化石がアジアの地層からみつかるようになり、500万年前になるとナキウサギ属と等しい化石が、北アメリカやヨーロッパからも見つけられるようになりました。このことからうさぎがどのように分布を広げていったかが分かります。

今日、わたしたちが目にしているうさぎは、全てヨーロッパアナウサギを祖先とし、紀元前1100年のイベリア半島に生息していたアナウサギがルーツです。記録によると、紀元前750年以降ローマ時代から、食用として飼育されるようになったようです。飼育が簡単で、繁殖力にすぐれ、肉は食用、毛と皮は毛皮として活用できる為、段々と広がりヨーロッパ全土で飼われるようになりました。また当時、文化的なスポーツとして親しまれたうさぎ狩り、その際に狩猟用として放たれたうさぎの生き残りは繁殖しノウサギとなりました。

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ノウサギ

人間はその後数百年以上かけて品種改良を行い、沢山の種類の飼いうさぎを生み出しました。現在その数は世界中で200種類以上にのぼります。

日本には、ニホンノウサギ・エゾナキウサギ・エゾユキウサギ・アマミノクロウサギ・トウホクノウサギといった種の野ウサギが存在しますが、それらが日本に上陸をした経緯は、氷河期にまでさかのぼります。ニホンノウサギは、まだ大陸が陸続きだった頃、現在の朝鮮半島から上陸し、本州、九州、四国へと広がりました。一方、エゾノナキウサギ、エゾノユキウサギはユーラシア大陸の東方サハリン(樺太)から北海道へと上陸し、現在の種へと進化しました。

これらの種がわたしたちにとって古くから食用として狩猟の対象であったことは、縄文時代の貝塚からうさぎの骨が発見されたことからみても明らかです。外来種のウサギは1600年代にオランダから初めて輸入されました。江戸時代には人々の生活に溶け込んでいたカイウサギの人気は、明治時代に一気に加熱しました。愛玩用として様々な品種が輸入され、特に模様が綺麗で珍しいものは、現在の価値で190万~560万程の高値で取引されるようになり、詐欺や闇取引きで破産に追いやられる等の社会問題にもなりました。そのため政府はうさぎの飼育を届け出制にし、1匹に対して毎月1円の税金を課すことに。当時の1円は今でいう8000円ほどの価値だった為、数年のうちにブームは終焉を迎えました。

3.習性

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カイウサギはすべて、祖先であるアナウサギの習性を受け継いでいます。アナウサギはその名の通り、土に穴を掘って暮らしていたうさぎで、地面を掘るような動きや、狭いところを好む習性、巣の周辺を縄張りとしマーキングを行動を行う、巣を汚さないようトイレを覚える、夕方から明け方ににかけて活動的になる、などの行動がアナウサギの名残だと言われています。

4.身体的特徴

【体のつくり】
うさぎの基本的な体の特徴について。

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【体の各部の特徴】

・耳
最大の特徴である大きく発達した耳は、左右別々に、360度、音や風の吹く方向にむけて動かすことが出来ます。優れた聴力で、遠くの音や、小さな音を聞き取ることが出来ます。沢山の血管が通っているため、体温調節も耳で行います。

・目
顔の横に付いている目は前を向いたままで各180度、前から後ろまで確認する事が出来ます。その為視野は、前を向いたまま両目で360度あるといいます。視力はあまり良くなく、近視ですが、薄暗いところでも活動出来ます。

・鼻
縦に割れ目の入った鼻は、上部の皮膚を動かして、閉じることが出来ます。1分間に120回動くこともある鼻は、とても優れていて、敵か仲間かを嗅ぎ分けるだけでなく、そのものとの距離感を測ることも出来ます。

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・口
味覚に優れていて8000種類の味を判断できるといわれています。うさぎの歯の本数は品種に関わらず合計28本です。印象的な前歯は、切歯(せっし)と呼ばれ裏側には、二重に小さな歯が生えています。奥歯は臼歯(きゅうし)と呼ばれます。うさぎは切歯と臼歯が一生伸び続けるのが特徴です(常生歯)。

・ヒゲ
穴の中で生活していたうさぎは、髭を使って暗い穴の中の距離感を掴みます。口の上の毛は触覚と呼ばれ、とても敏感です。

・足
前足は短く、指は5本、穴を掘るのに適したつくりをしています。後ろ足は4本指で、筋肉が発達し大きく長いのが特徴です。足で地面を蹴ってジャンプしたり走るのに適しています。基本的に肉球は無くクッションの為に毛が密に生えています。

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・毛
体は全体的に柔らかい被毛に覆われています。皮膚に近いところに生えている、短く柔らかい毛を"アンダーコート"、外側の長めで固めの毛を"ガードヘアー"といいます。子どもの頃の柔らかい毛は"ベビーファー"と呼ばれます。

・尻尾
どの毛色のうさぎも尻尾の裏側は白色で、敵に襲われた時に、尾を立てて注意を引き逃げたり、求愛の時や緊張している時、嬉しい時、興奮している時に尻尾を振ります。

・骨
うさぎの骨の重さは体重全体の8%程で、非常に軽いことがわかります。その為、骨折しやすく、ちょっとした高さからの着地や、自らのキックで骨折してしまうこともあります。

・消化器官
完全草食動物であるうさぎの腸は長く、体長の約10倍にもなります。腸内のバクテリアの働きでセルロースを分解して栄養を取ります。

・生殖器
生後3ヵ月頃までは、生殖器がお腹の中に隠れているため、オスメスが見分け難く、成長と共に分かりやすくなってきます。子どもの頃は生殖器の周りを指で押し広げるようにして性別を確認します。

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5.品種

品種とサイズ

うさぎには様々な58種類が存在します。
サイズ別に紹介します。

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ネザーランドドワーフ

■約1.1kg~1.4kg
・ブリタニアペティート
・ドワーフホト
・ネザーランドドワーフ

■約1.5kg~1.7kg
・ジャージーウーリー
・ポーリッシュ
・ライオンヘッド

■約1.8kg
・アメリカンファジーロップ
・ホーランドロップ

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ホーランドロップ

出典 http://chura-usagi.com/undisposed/1765

■約1.9kg
・ミニレッキス

■約2.0kg
・ヒマラヤン
・ダッチ

■約2.1kg
・ミニサテン

■約2.7kg~2.8kg
・フロリダホワイト
・タン
・トリアンタ

■約2.9kg
・ハバナ
・ミニロップ

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イングリッシュアンゴラ

■約3.1kg
シルバー

■約3.4kg~3.5kg
・イングリッシュアンゴラ
・スタンダードチンチラ

■約3.6kg~3.8kg
・イングリッシュスポット
・ライラック

■約3.9kg
・フレンチアンゴラ

■約4.3kg~4.4kg
・サテンアンゴラ
・ベルジアンヘア
・ハレクイン
・シルバーマーチン

■約4.5kg~4.7kg
・アメリカンセーブル
・イングリッシュロップ
・ジャイアントアンゴラ
・ラインランダー

■約4.8kg
・カリフォニアン
・レッキス

■約4.9kg
・ブランデホト
・シナモン
・クリームデアージェント
・フレンチロップ
・パロミノ
・サテン

■約5.4kg~6.9kg
・アメリカン
・ベファレン
・シャンパンデアージェント
・アメリカンチンチラ
・ニュージランド
・シルバーフォックス
・チェッカージャイアント
・ジャイアントチンチラ

■約6.6kg以上
・フレミッシュジャイアント

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フレミッシュジャイアント

6.ボディータイプ

うさぎのボディータイプは5つのスタンダードに分けることが出来ます。ラビットショーでは品種ごとに下記の5タイプに属します。その特徴から何を目的として改良されたかも見てとることが出来ます。

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[コンパクトタイプ]
ライオンヘッド

・コンパクトタイプ
体長が短く、丸い印象。コンパクトで可愛らしく、ペットに適したタイプ。

・コマーシャルタイプ
体形はコンパクトタイプと似ているが大きいのが特徴。中型から大型で肉付きが良く、食用や毛や皮を目的に作られた品種。

・セミアーチタイプ(マンドリンタイプ)
楽器のマンドリンを伏せた形に似ているためマンドリンタイプとも呼ばれる。肩の後ろから尾にかけて丸い。大型種で、食用や毛や皮を目的に作られた品種。

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[フルアーチタイプ]
イングリッシュスポット

・フルアーチタイプ
体高が高く、首から尾にかけて丸くアーチを描くラインが美しく、ショーでは歩く姿を審査される。

・シリンドリカルタイプ
体長が長く、体がまっすぐなのが特徴。円柱体系なのが理想で、地面にお腹を付けてまっすぐに伸びた体制で品評される。このタイプに分類されるウサギはヒマラヤン一種。

7.カラー

うさぎのカラーは大きく7つのグループに分けることができ、その中に様々なバラエティーが存在します。

■セルフグループ

「セルフ」とは単色カラーのうさぎの事をいいます。模様はなく、毛1本単位で見ても根元から毛先まで同じ色で構成されています。セルフグループは以下のバラエティーに分けられます。

・ブラック
・ブルー
・チョコレート
・ライラック
・ホワイト
・ブルーアイドホワイト
・ルビーアイドホワイト

■シェイデッドグループ
シェイテッドは、陰影のグラデーション(濃淡)があるタイプです。鼻先、耳、首の周辺、足先、尾、背中、頭の色が濃く、お腹に向かって薄くなっていきます。以下のバラエティーに分けられます。

・パール
・フロステッドパールブラック
・フロステッドパールブルー
・フロステッドパールチョコレート
・フロステッドパールライラック
・セーブル
・セーブルポイント
・サイアミーズセーブル
・シール
・スモークパール
・サアミーズスモークパール
・トータスシェルブラック
・ブルートータスシェル
・チョコレートトータスシェル
・ライラックトータスシェル

■アグーチグループ
アグーチは1本の毛が、根元、中間、毛先、等で、三色かそれ以上に分かれているタイプです。息を吹きかけると、リング状の模様が見られる特徴があります。

・チェスナット
・チェスナットアグーチチョコレート
・チンチラ
・チンチラチョコレート
・チンチラライラック
・テンテラセーブル
・チンチラスモークパール
・カッパー
・リンクス
・オパール
・スクワレル

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[アグーチ/スクワレル]
ネザーランドドワーフ

■タンパターングループ
基本色を頭、顔、背中、体側、尻尾の上側等に有し、目鼻の周辺、耳の中、首、顎、胸、腹に対象的なカラーがあるタイプ。

・ブラックオター
・ブルーオター
・チョコレートオター
・ライラックオター
・セーブルマーチン
・ブラックシルバーマーチン
・ブルーシルバーマーチン
・チョコレートシルバーマーチン
・ライラックシルバーマーチン
・スモークパールマーチン
・タンズブラック
・タンズブルー
・タンズチョコレート
・タンズライラック

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[タンパターン/ブラックオター]
ネザーランドドワーフ

■ブロークングループ
ホワイトを基本に、それぞれの品種の公認色でまだら模様が描かれている。「スポテッド」「チャーリー」「ブランケット」3つパターンがあります。両耳、両目、鼻周りにあることが望ましく、模様部分が全体の10%以上50%以下であることが基準です。

・ブロークン
・トライカラード

■チックドグループ
アンダーカラー、表面の色とは全く違う1色、または毛先の色の違うガードヘアーが身体を覆っている。

・スティールブラック
・スティールブルー
・スティールチョコレート
・スティールライラック

■ポインテッドホワイトグループ
体の色は純白で、鼻、耳、足、尾にブラック、ブルー、チョコレート、ライラックのくっきりしたマーキングがある。

・ポインテッドホワイト

■ワイドバンド
同じ色合いの濃淡を体に有する。頭、耳、尻尾、足が濃く、目、耳、尾の下、顎、お腹周りの色が薄い。

・クリーム
・フォーン
・フロスティー
・オレンジ
・レッド

■AVO(エニーアザ―バラエティーズ)
ネザーランドドワーフのみに適応されるグループ。

・スティール
・フォーン
・オレンジ
・ブロークンブラック
・ブロークンオレンジ
・ブロークンオパール
・ブロークンチェスナット
・ブロークンブラックオター
・ブロークンブルー
・ヒマラヤンライラック
・ヒマラヤンブラック
・ヒマラヤンブルー
・ヒマラヤンチョコレート

特有のバラエティをもつ品種。

ダッチ
・ブラック
・ブルー
・グレー
・スティール
・チョコレート
・トータス

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[ダッチ/ブラック]
ダッチ

イングリッシュスポット
・グレー
・ゴールド

フレミッシュジャイアント
・ライトグレー
・サンディ
・スティールグレー

ハレクイン
・ジャバニーズブレック
・ジャバニーズブルー
・ジャバニーズチョコレート
・ジャバニーズライラック
・マグパイブラック
・マグパイブルー
・マグパイチョコレート
・マグパイライラック

ミニレッキス/レッキス
・キャスター

パロミノ
・ゴールデン

サテン
・カリフォルニアン

シルバー
・ブラック
・ブラウン
・フォーン

8.ファータイプ

うさぎには様々な分類方法があり、サイズ、ボディタイプ、カラー、そしてファータイプで分けることが出来ます。ファータイプのスタンダードは以下の4つに分けられています。

・ノーマルファー
ノーマルファーは一般的なうさぎの毛のことです。ロールバックとフライバックの2種類に分けることが出来ます。頭からお尻に向かって流れている毛の流れにさからって、お尻の方から毛を撫で上げた時、ゆっくりと毛が戻るタイプがロールバックで、すぐに毛が戻るタイプのことをフライバックといいます。

・レッキスファー
このタイプのファーを持つうさぎはレッキスとミニレッキスの2種類です。外側の長く固めなガードコートが退化した突然変異のタイプで、長さが均一の毛が真っすぐ密集して生えています。毛流れを感じさせず、もっちり、ふわっとした、ビロードの様な手触りが特徴です。

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[レッキスファー]
ミニレッキス

・サテンファー
このタイプのファーを持つうさぎは、サテン、ミニサテン、サテンアンゴラの3種類です。サテンファーは劣勢因子の影響で生まれた突然変異で、色素が毛の内側にあり、外側は透明に近く光を反射してキラキラと輝く毛をもちます。半透明でガラスの様に光沢がある細い毛が密集して生えているのが特徴です。

・ウール
ウールはその名の通り、羊の様な毛を持つタイプです。アンゴラ種全般、アメリカンファジーロップ、ジャージーウーリーなどが該当します。美しい被毛を保つためには高たんぱく質、高繊維なフードが必要です。フェルト化しやすい為こまめなグルーミングが欠かせません。

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[ウール]
アンゴラウサギ

9.生態

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野生のアナウサギの遺伝子を受け継ぐウサギの本能的な動き。

・穴掘り行動
穴を掘るのはアナウサギの名残です。この行動は土が無くても行われます。

・マウンティング
他のうさぎや飼い主さんの手足の上に乗りかかる行動のことです。オスのうさぎに多く見られる行動で、発情し興奮状態にある場合や、縄張り行動や上下関係を決める為に行うこともあります。

・スタンピング
後ろ足で地面を叩く行動です。野生のウサギはこの方法で、危険が迫っていることを知らせます。飼育下では警戒や怒りを表します。

・食糞
うさぎはしばしば自分の糞を食べることがありますが、これは正常な行動なので心配はいりません。特に盲腸で発酵させた栄養価の高い柔らかい盲腸弁を食べることはとても重要なことです。

・目をあけて眠る
うさぎは目をあけて眠ることが出来ます。天敵の多いウサギならではの習性です。

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10.出産

身を守る為の硬い皮や、甲羅、毒、鋭い牙や爪を持たないうさぎは、自然界で肉食動物の捕食対象になりやすい弱い動物です。その為種を絶やさないよう繁能力に優れた、うさぎ特有の生態があります。

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【繁殖機能】

・性成熟と繁殖適期
オスのうさぎは生後4~6ヶ月で生殖機能が完成されます。メスは小型の品種が4~5ヶ月、中型品種が4~8ヶ月、大型品種が9~12ヶ月と言われていますが、実際に交尾を行うには、体が成体のサイズになってからが繁殖適期です。

・繁殖シーズンと発情期
うさぎは、季節に関係なく一年中繁殖できる周年繁殖動物です。メスは4~17日の許容期(受精可能な期間)と1~2日の休止期(受精ができない期間)を繰り返しているといわれますが、オスの精子はメスの体内で、最大で30~32時間生存できるため、休止期に交尾が行われたとしても受精が成立する可能性は高いです。

・排卵周期
うさぎは周期的に排卵が行われる"自然排卵"と違い、定期的なヒート(生理)はありません。交尾の刺激によって排卵が起こる"交尾排卵"の為、受精の確率は更に高くなります。

・出産子数
平均5~6匹、多い時には10匹を越えることもあります。ネザーランドドワーフなどは他の大型種よりも少なく1~3匹ほど。胎児吸収の影響によって産子数が減る場合もあります。

・胎児再吸収
うさぎは妊娠中に強いストレスを感じたり、母体の状態が悪い場合は、体内の胎児と胎盤組織を体に吸収してしまうことがあります。今回の出産を見送り、よりよい状態で出産をおこないます。

・重複妊娠
うさぎは体内に2つ子宮を有するため(重複子宮)妊娠中に、また新たに妊娠する"重複妊娠""同期複妊娠(複妊娠)"することが可能です。

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【交尾と妊娠】

・発情
野生のアナウサギは出産に適した春から夏にかけて繁殖を行います。飼育下にあるカイウサギは一年中繁殖可能ですが、オスのウサギが最も発情しやすくなるのは春から夏にかけてです。発情すると臭腺から特有の臭いをだしたり、マウンティング行為、スプレー行為(オシッコをまき散らす)などが起こります。動きが活発になったり、甘えん坊になったり、スタンピングが増えたり、性格面でも変化が現れます。

メスのうさぎもオス同様臭腺から特有の臭いをだしたり、スプレー行為などが現れます。いつもより神経質になりトイレの位置や掃除にヒステリックになったり、ゲージの隅を掘ったりします。お尻の周りを触られることに敏感になり、お尻をなでられたことのより偽妊娠を起こしたりもします。

・交尾
オスとメスに体格差がある場合、交尾が上手くいかなかったり、胎児が大きくなりすぎて、出産が困難になる場合があります。出来るだけ体格の近いオスメスを引き合わせましょう。オスとメスを一緒にすると、メスお尻をあげ交尾の体制をとります。交尾の時間は非常に短く、30秒ほどで終わります。オスがメスの背中に乗り、腰を振りオスが倒れるようにしてメスから離れれば交尾は終了です。終わったら、オスとメスを離します。

・妊娠
妊娠したうさぎは神経質になるので、なるべく今までの環境を変えないようにします。受精から三週間ほどたつとお腹が膨らみ、乳首も目立つようになります。妊娠期間は約1ヵ月。前後2、3日をみて、遅れるようだと胎児が大きくなり過ぎるなど、母体への影響が心配されますので動物病院に相談しましょう。

・出産準備
出産の2週間前~3日前くらいになると牧草をくわえて巣作りを始めます。巣を作る為の産箱と牧草を用意してあげましょう。産箱は、母うさぎの大きさに合わせて選びます。出産が近づくと、メスは自分の胸元や、お腹の毛をむしり、牧草で作った巣の上に赤ちゃんの為のベッドを作ります。また、毛を抜くことにより乳首が表面に現れ、赤ちゃんに授乳しやすくなります。

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【出産と子育て】

・出産
うさぎの出産は早朝に行われることが多いです。一般的に1時間ほどで全て産まれますが、数時間、翌日に分けて出産するケースもあります。また出産時間があまり長引く場合は難産の可能性があり、母体の危険も高まるので、事前に相談できる病院などを決めておきましょう。問題なく出産が行われた場合は、母うさぎが胎盤や羊膜などの世話をしてをしてくれます。人間が赤ちゃんうさぎに触れる際には、人間のニオイを付けない様に気を付けます。神経質なうさぎの場合、人間の臭いが付いたウサギを育児放棄をしたり殺してしまう事もあります。赤ちゃんに人間のニオイがついてしまった場合は母うさぎのオシッコやフンで、臭いを消すことも出来ます。

・子育て
産まれたばかりのうさぎは目も見えず、毛も生えていません。母うさぎは1日に1回(稀に2回)、5分、10分程度で授乳を行います。赤ちゃんのお腹が張っていれば、母乳を飲んでいると確認できます。授乳の時以外、母うさぎは普段と変わらない様子ですが育児放棄ではありません、逆に母うさぎが巣に居座ると赤ちゃんうさぎを踏んでしまう恐れがあります。生後10日程で赤ちゃんは目が開き始めます。目がみえるようになると段々と産箱から出て歩くようになります。生後1ヶ月は家族から離さないようにしましょう。

11.食べ物

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うさぎは完全な草食動物です。ウサギの胃は伸張性に乏しく、食べる量は身体の大きさによって異なりますが、主食に"牧草"と"ペレット"、副食として"野菜"を与えます。食事の回数は1日に2回ですが、牧草は基本的にいつでも食べられるようにしておきます。早朝と夕方に活動的になる野生のうさぎの性質を踏まえ、飼いウサギも朝と夕方に食事をあたえるのが良いでしょう。

野生のアナウサギは一日のうちの多くの時間を食事に当てています。飼育下のうさぎも時間をかけて食事を行うことで精神的にも満足感を得ることが出来ます。うさぎは食物繊維を分解するために体内に細菌を有しています。その機能を正常に保つためにも常時食事を行い、絶食は禁物です。24時間以上の絶食は命に関わる事になります。また伸び続ける歯を調節するためにも咀嚼が重要です。

うさぎは単一胃草食動物のため、牛やヤギ、シカ、ラクダのように、胃袋を複数持ち、反芻(はんすう)を行う動物とは異なった方法で栄養を吸収します。うさぎは食べ物の栄養素のほとんどを胃と小腸から吸収します。小腸を通過した食べ物は結腸に送られ、消化不能な"繊維質"と可溶性炭水化物である"非繊維質"に分けられます。"繊維質"はそのまま直腸へと送られ、コロコロの糞として排出されますが、"非繊維質"はうさぎ特有のしくみで、結腸を逆流し盲腸と盲腸の先端の虫垂と呼ばれる部分に送られます。うさぎの盲腸は胃の10倍の大きさを持ち、とても重要な役割を担います。盲腸に運ばれた非繊維質の食べ物は細菌の働きによって発酵され、高タンパク質、高ビタミンの物質へ変化され再び結腸を通り、柔らかい盲腸便として体外へ排出されます。

うさぎはその栄養に富んだ盲腸便を肛門に直接口をつけて噛まずに飲み込み、再び吸収します(食糞)。直腸便はうさぎにとって必要な栄養であり、食糞を制限するとうさぎは栄養不足で死んでしまいます。

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・牧草
うさぎの主食である牧草は栄養面で優れていることはもちろんですが、歯や食停滞などの病気を予防することにも繋がります。主流の牧草はイネ科の"ティモシー"とマメ科の"アルファルファ"があげられます。ティモシーは高繊維質で低タンパク、カルシウム含有率が低く、成体の主食に適しています。アルファルファは栄養価が高く、運動量の多いうさぎや成長期、妊娠、授乳中のウサギに適しています。嗜好性とカロリーが高い為あげ過ぎには注意が必要です。

牧草は刈り取られた時期により"1番刈り"、"2番刈り"、"3番刈り"と分けられます。春から初夏の間に刈り取られた"1番刈り"は、太く長いシッカリとした茎、大きな穂と幅広で長い葉が特徴です。食物繊維が豊富で栄養価が高く、成体に適した一般的な牧草です。"2番刈り"は1番刈り牧草が刈り取られた後に生えてきた牧草で、夏の終わりから秋にかけて刈り取られます。穂は殆ど見られず、細い茎と柔らかそうな葉が沢山ついています。2番刈りのあと、冬の初めに刈り取られた牧草が"3番刈り"です。スーパーソフトと呼ばれこともあり、高齢のウサギや、赤ちゃんうさぎ、闘病中や病み上がりのうさぎ等に向いています。

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・ペレット
ラビットフードと呼ばれ栄養バランスの良いペレットは大事な主食の一つです。体重やライフステージ(年齢)、によって適した量を朝と夕方の1日2回与えます。いろいろなメーカーから様々なペレットが販売されています、最近ではうさぎの品種別商品なども販売されています。一般的に柔らかいものが嗜好性が高いです。成分表示を見ることで、主原料に使われている牧草がティモシーなのかアルファルファなのか確認することが出来るので、参考に選択しましょう。

・生野菜、野草
生野菜は必ずあげなければいけないということはありません。牧草とペレットをメインに、副食として与えます。与える際には栄養が偏らない様に少量ずつ様々な種類のものを与えるのが理想的です。どんな野菜も食べれるわけではないので、与えてはいけない野菜には注意しましょう。また、消化器官が未熟な赤ちゃんうさぎはお腹を壊しやすいので、水分量の多い生野菜は与えるのは生後3、4ヵ月以降がよいでしょう。野草も種類によってはメニューに加えることが出来ます。農薬や除草剤、排気ガスや犬や猫のトイレになっていないかなどに注意し与えましょう。

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・食べてもいいもの、いけないもの
うさぎは自分で食べていいものと、そうでない物を判断することが出来ません。そのため飼い主さんがきちんと管理してあげることが大切です。少量づつ様々な種類を与えると栄養が偏りません。

【食べられる野菜やハーブや野草】
ニンジン・小松菜・チンゲン菜・キャベツ・水菜・クレソン・ルッコラ・セロリ・ミツバ・サラダ菜・セリ・レタス・春菊・サニーレタス・青じそ・ブロッコリー・ニンジンの葉・大根の葉・カブの葉・よもぎ・白菜・豆苗・トマト・ワイルドストロベリー・ラズベリー・レモンバーム・ミント・ハコベ・ミント・オオバコ・イタリアンパセリ(パセリ・ローズマリー・セージ・パセリは妊娠中は避ける)タンポポ・クローバー・ナズナ・アザミ・チガヤ・クワ など

うさぎの好物はニンジンというイメージがありますが、ニンジンは糖分が高いため与え過ぎないように。キャベツや芽キャベツ、また葉物野菜はそれだけを与え続けないようにしましょう。

【食べられる果物】
リンゴ・ブルーベリー・パイナップル・オレンジ・ナシ・洋ナシ・バナナ・イチゴ・メロン・パパイヤ・ブドウ・キウイ など

果物は基本的に高糖分なので与え過ぎると肥満の原因になります。

【食べられない野菜】
ネギ、タマネギ、ニンニク、ニラ等のネギ類・アボカド・ジャガイモの芽 など

【その他食べられないもの】
塩分・糖分・香辛料・チョコレート、ココア等カカオを含むもの・コーヒー、紅茶、炭酸飲料水等カフェインを含むもの・果物の種・ピーナッツ・生の大豆などは中毒症状を引き起こします。

12.病気・寿命

うさぎの寿命

野生のうさぎの寿命は3年と言われています。自然界の食物連鎖のピラミッドで中でも極めて階位に位置するうさぎは、様々な肉食動物から捕食対象とされるため、長く生きるのはとても難しいのです。飼いうさぎの寿命は一般に6~7歳程と言われていますが、エサや飼育環境の向上に伴い年々延びていて、最近では10歳以上のうさぎも少なくありません。

病気

草食動物であるうさぎは、わたしたち人間や犬や猫とは違ったところが多く、便秘や下痢や、絶食などが深刻な状態を招く事があります。かかりやすい病気や身体的特徴を理解したうえで正しく飼育しましょう。

■歯の不正咬合(ふせいこうごう)
うさぎはすべての歯が伸び続ける生き物です。1ヵ月で約1cm、年間で12cmも伸びるといわれていて、通常、健康なうさぎは食べ物(食物繊維)を噛むことによって、一定の長さを保っています。ところが落下事故などの外傷や、ゲージを噛んだりすることによって、かみ合わせが悪くなり不正咬合が起こると、摩耗がうまく出来きなくなり、歯が伸び続けることになってしまいます(過長歯)。歯で口内を傷つけ、痛みから食欲不振を起こしたり、よだれや口臭が気になるようになります。食欲不振はうさぎの健康に深刻な影響を与えますし、過長歯自体もひどくなると頬や舌に刺さり穴をあけたり、炎症を招くため、定期的に病院でトリミングを行う事が必要になります。

■胃腸うっ滞
草食動物であるうさぎは犬や猫とは異なり、常に食事を行い消化器官を動かし続けていないといけません。うさぎの体内では沢山の細菌が、発酵を行い、栄養を作り出しています。胃腸の動きが止まると、腸内細菌のバランスが崩れガスが溜まり、お腹が痛くなってしまいます。この状態をうっ滞と呼び、最悪の場合は死亡をまねきます。うっ滞の予防法は、とにかく常にうさぎが食事をとれるように注意することです。エサ切らさないよう注意するのはもちろん、急な気温の変化や、引っ越しなどのストレスからおこる食欲不振、不正咬合の痛みや、その他の疾患による食欲不振、また何かの誤飲によって消化器官が正常に機能出来ない場合なども同様にうっ滞を引き起こします。うさぎの食欲不振や絶食は急死する恐れがある為、異変に気づいたら病院に連れていきましょう。胃腸の働きを促進する薬を投与するなどの治療が可能です。

■毛球症(もうきゅうしょう)
うさぎの消化器官内に大量の毛が詰まり固まってしまう病気で、うさぎの死亡原因で一番多いのがこの病気です。うさぎは自分で毛づくろいを行う際、抜けた毛を飲み込んでしまいます。通常は便と共に排泄されますが、食欲不振や、食事管理が適切に行われず、胃の中の食物繊維が少なく、毛の量が多い状態になると、毛がうまく排泄されず毛球症をおこします。すぐに大事には至りませんがショック死を招く危険な病気ですので、日ごろから糞の状態を観察したり、食欲不振がないか注意する必要があります。毛でつながった珠数つなぎの糞をしたり、便秘は毛球症の可能性がうかがえますので早めに医師に相談しましょう。また食物繊維の多いティモシーを与えたり、換毛期にはブラッシングをして大量の毛を飲み込まないように注意することも大切です。

■パスツレラ感染症
パスツレラマルトシダという細菌による感染症です。この菌は60~70%のうさぎが保菌していて、健康な状態であれば感染症を起こすることはない細菌ですが、ストレスや加齢による免疫力低下などが原因となって発症します。あらゆる部位に影響を与え、主な症状は鼻炎や副鼻腔炎(スナッフル)、また歯根膿瘍、結膜炎、中耳炎、内耳炎などがあげられます。酷くなると斜頚や眼振をおこしたり、肺炎、皮下膿瘍や乳腺炎、化膿性心膜炎、脳脊髄炎を引き起こすることもあります。感染力が高く、保菌しているうさぎとの接触・飛沫感染、感染している母ウサギの産道粘膜や授乳で感染したり、交尾によっても感染します。一度感染すると治すことが難しく、発症した際には抗生物質の投与で症状を抑える治療をおこないます。ストレスや室温等の影響を大きく受ける為、飼育環境を整える事で発症率を下げることが出来ます。

■スナッフル
感染症によっておこる"くしゃみ"や"鼻水"などの症状を総称してスナッフルといいます。軽度のうちは鼻風邪のような症状ですが、重症化すると呼吸の度にズーズーと言った音(スナッフリングノイズ)が聞かれたり、呼吸が苦しそうな状態(鼻性呼吸)や口を開いて開口呼吸になってしまうこともあります。スナッフルをおこす原因は、パスツレラ菌や気管支敗血症菌、黄色ブドウ球菌等の常在菌の影響が大きく、免疫力が低下している時に呼吸器に感染し、副鼻腔炎や気管支炎などをおこします。軽度であれば部屋を暖かく保つことなどで治癒することもありますが、肺炎などをおこし、胸に膿が溜まり死亡するケースもありますのでしっかりと状態を観察することが必要です。

■斜頸(しゃけい)
自分の意志ではなく首が傾いてしまう症状のことです。注意深く観察しないとわからないくらいの傾きから、歩行が困難なほど傾くこともあります。原因はエンセファリトゾーン原虫が脳内で増殖することでおこる、エンセファリトゾーン症による中枢神経の乱れ、または内耳炎による(内耳炎の原因の大半はパスツレラ菌による)末梢神経への影響によるもの、のどちらかが考えられます。酷くなると眼振(眼球が左右上下に振れること)をおこしたり、ローリング(倒れてしまう)をおこしたりします。駆虫剤や抗生物質による早期治療が必要ですので、すぐに病院に連れていきましょう。

■ソアホック(または、飛節びらん、足底皮膚炎)
足裏の皮膚炎のことを言います。最初は硬いタコが出来き、次第に患部の脱毛がおきます、皮膚は紅斑(患部が赤や、紫に変色すること)、びらん(患部かただれること)、潰瘍へと進行し、同時に細菌感染が起こると膿瘍を形成して骨髄炎や滑膜炎をおこします。炎症は骨まで到達することもありますし、最悪の場合、壊死することもあります。ソアホックの原因は飼育環境の影響が大きく、硬い床材や狭いゲージの中で足裏にかかる体重の負荷が分散出来ないことなどが原因になって血行の循環不全がおこり皮膚が硬くなります。他にも肥満や爪の伸びすぎ、激しいスタンピング、加齢による被毛の減少が要因になります。うさぎは、肉球がないため足裏への衝撃には注意が必要です。飼育環境を見直し、抗生物質や抗炎症剤、患部を清潔に保ち、消毒、薬剤の塗布等による治療を行います。

■膿瘍(のうよう)、歯根膿瘍、根尖膿瘍(こんせんのうよう)
傷口から細菌が侵入し膿がたまることを膿瘍といいます。全身におこるりうる症状ですがうさぎの場合とくに歯根部に出来る歯根膿瘍が知られています。不正工合の影響などでできた傷口から細菌が侵入したり、特に目だった傷口がなくてもうさぎがもつ、歯が伸び続ける性質が影響となって炎症を起こし根尖膿瘍をおこすこともあります。上の歯の歯根部に出来た膿瘍は眼球を圧迫したり(眼球突出)鼻涙管を圧迫して、涙や目ヤニを発症することもあります。重症になると大量に溜まった膿が皮膚が破って出てくることもあります。口内に破裂した膿が肺に流れ込んで肺炎をおこしたり(誤嚥(ごえん)性肺炎)、炎症によって骨が溶け、顎を骨折する場合もあります。治療は切開や手術で膿を出し、患部を消毒、抗生物質の投与によって行われます。

■下痢症
健康なうさぎの糞は1cm程の大きさがあり薄い緑、茶色、濃い茶色で出来ていて、糞を手で割ってみると牧草が排出されたことがしっかりと確認できます。うさぎの下痢は様々な原因でおこります。クッキ―などの炭水化物の多いおやつの食べすぎや、水分の多い生野菜のあげ過ぎなど、食べ物によるものから、ストレスや食欲不振から腸内の細菌のバランスが崩れて起こるケース、コクシジウムやジアルジアといった寄生虫の感染によるものまで様々です。痛みがある場合は、じっと丸くなって丸くなっていてり、強い歯ぎしりをする事もあります。うさぎの下痢は命に関わる事もある為、注意が必要です。特に子うさぎの下痢には早急に対応する必要があります。

■尿石症
腎臓、尿管、膀胱、尿道などのうさぎの尿路に結石が出来る病気です。結石は尿に含まれる炭酸カルシウムのミネラル分が固まったもので、大きいものは直径3cmほどになることもあります。主な原因は、カルシウムの取り過ぎ、飲み水の不足、遺伝によるものと言われています。うさぎは取り過ぎたカルシウムを尿と一緒に排出するため結石を作りやすく、通常の食事で必要な量のカルシウムは摂取できているので、特にカルシウムの多い食べ物は与えない様にしましょう。尿結石が出来ると、尿の量が減ったり、排泄時に痛そうにしたり、尿が出ずらい、トイレ以外の場所でしてしまうなど異常が起こり、血尿を起こす場合もあります。結石が小さい場合は、飲み水を増やすことなどによって体外に排出される場合もあります。大きい物や結石が出来た場所によっては手術が必要になります。

■骨折などの外傷
一般的にウサギは犬や猫より骨が薄く、些細な衝撃で骨を折ってしまいます。抱っこの際に腕から飛び出してしまったり、カーペットに引っかかった爪をはずそうとしてもがいて骨折したりします。自分で高いところに登って降りる際に骨折することもあれば、飼い主さんが気が付かずに蹴ってしまい骨折することもあります。軽度の骨折は運動範囲を制限して自然治癒をまつ場合もありますが外科手術が必要になることもあります。脊髄を痛めて下半身麻痺になることもありますので防げるところは飼い主さんの注意によって気を付けてあげましょう。

■その他の病気
エンセファリトゾーン症・コクシジウム症・緑内障・虹彩膿瘍(こうさいのうよう)・角膜炎・湿性皮膚炎・ツメダニ症・子宮蓄膿症・子宮腺癌・子宮水腫・子宮内膜炎・膀胱炎・蟯虫症・耳疥癬(ウサギキュウセンヒゼンダニ症)・ティザー病・トレポネーマ症・熱中症・条虫症・レプトスピラ症・皮膚糸状菌症・クリプトコッカス症・パスツレラ感染症・オウム病・トキソプラズマ。野兎(やと)病 など

13.ウサギの文学・行事

日本文学の中に描かれるうさぎ

・「今昔物語集」(月のうさぎ)
満月の日、月の表面の凹凸(クレーター)によって出来る陰影が、うさぎの形に見える為、日本では古くから「月にはうさぎがいる」と言われてきました。この言い伝えの元となったお話が、平安時代末期に作成された説話集「今昔物語集(こんじゃくものがたりしゅう)」の中にあります。

第五巻第十三話、「三の獣、菩薩の道を行じ、兎身を焼く語」。

この話では前世で良い行いをしてこなかったため獣として生まれ変わった猿、きつね、うさぎが登場します。ある日、改心した3匹の元に老人が助けを求めて現れました。それぞれ老人の為に食べ物を用意します。猿は木登りで果物などを調達し、きつねはお墓で供え物を調達してきて老人に与えましたが、どんなに頑張っても何も調達してこれなかったうさぎは、「私をお食べください」とサルとキツネの起こしてくれた火の中に飛び込んで死んでしまいました。しかし、この老人の新の姿は須弥山に住まう帝釈天。これを見た老人は帝釈天の姿に戻り、この行いをすべての生き物に見せるために焼け死んだうさぎを月に移した、というお話です。

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・因幡の白兎

712年(和銅5年)に作成された日本最古の歴史書である古事記の中の出雲神話のお話。因幡の白兎は「ヤマタノオロチ」、「大国主の神話」、「大国主の国づくり」に並ぶ出雲神話の一つです。

隠岐の島に住む1匹の白うさぎが海を渡って因幡の国にいる姫神(八上姫(やがみひめ))に会いたいと思い、ワニザメを騙して海を渡ろうと思いつきました。「あなたたちワニザメと僕たちうさぎ、どちらが多いか比べてみよう」と提案し、ワニザメ達を隠岐の島から因幡の国の浜まで並べさせ、その背中の上を渡りながら数を数えました。もう少しで向こうに到着しそうになったところで、うさぎは口を滑らせて、騙していたことがワニザメ達にバレてしまいましした。

怒ったワニザメ達はうさぎの毛を全てむしり取りました。向こう岸に渡れたものの、丸裸にされたうさぎは痛みで泣いていていました。そこにうさぎと同じように因幡の国の姫神に会いに行く途中の、大国主命の兄神様の一行が通りかかりました。兄神様達は面白半分に「海水で体を洗い、高い山の頂上で風で乾かしながら寝ていれば治る」とうさぎに嘘を教えます。言われたとおりにしたうさぎの体はますます酷くなり、泣いていたところに兄神様達の荷物を担がされた心優しい大国主命が遅れて通りました。

うさぎの話を聞くと「川の真水で体を洗い、蒲の穂をつけなさい」と教えてくれました。言われたと通りにするとうさぎの体は元通りになり、喜んだうさぎは自らが伝令の神となって、兄神達より先に八神姫さまの元に到着し、ことのすべてを伝えました。兄神達は、我先にと姫に結婚を申し込みましたが、姫は「大国主命の元へ嫁ぎます」と兄神達を追い返し、うさぎは八上姫と大国主命との縁を取り持ちました。

この神話に基づき因幡の白兎は、ある特定の人やかなわぬ人との縁を取り持つ御祭神として鳥取県にある「白兎神社」に祀られています。赤羽八幡神社にも、大黒様を見つめる白兎の石像が置かれています。

海外の物語に描かれるうさぎ

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・うさぎと亀

日本でもよく知られている「うさぎと亀」は「アリとキリギリス」「北風と太陽」「金の斧」などでも知られるイソップ寓話を翻訳したもので、室町時代後期以降に日本に入ってきました。明治時代には国語の教科書にも採録され一般に知られました。当初は「油断大敵」というタイトルで掲載されていました。

・ピーターラビット

ピーターラビットは、イギリスの作家ビアトリクス・ポターが自分の飼っていたうさぎを主人公に描いた児童書籍です。1902年に初の本が出版され、現在では全世界で発行され、累計発行部数は1億5000万部を越えます。また物語が出来たきっかけは1893年9月4日にポターが、友人の息子にあてて書いた絵手紙が始まりで、物語上でもその日がピーターラビットの誕生日となっています。

うさぎに関連する行事

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・イースター

イースターとは十字架にかけられて死んだイエスキリストが生き返ったことを祝福した「復活祭」の事。日本では馴染みが薄いですが、キリスト教においてはとても重要な行事です。イースターは移動祝日で、その年によって日付が異なりますが、金曜日に亡くなったキリストが三日後の日曜日に復活したことから日曜日に行われます。イースターにはデコレーションされた卵とうさぎが印象的ですが、卵は一見死んでいるかのように動かないものに命があることから、キリストの復活を連想させ、うさぎは子どもを沢山産み、生命力にあふれることからめでたいとされています。

最後に

犬や猫のように鳴かない為、ペットとして人気が出てきているうさぎ。歯が伸び続けることや絶食が危険だということなど、うさぎ特有の性質をしっかりと理解してから家族に迎えてあげてください。

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