老化のサイン、見逃さないで! ペットの介護を快適にするために、知っておきたい症状と対策
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老化のサイン、見逃さないで! ペットの介護を快適にするために、知っておきたい症状と対策

犬も猫も人間より寿命が短い分、老いも早くやってきます。できるだけ早く老化のサインに気づいてそれぞれのペットに合ったケアをしてあげたいですね。そこで、シニア世代にあらわれがちな症状、快適に過ごせるための対策を紹介いたします。

  • サムネイル: 山富龍
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

シニアがかかりやすい症状を、犬・猫の種類別にcheck!

犬も猫も基本的には7歳ぐらいから徐々にシニア期に入っていきます。最近では寿命が延びているため、猫と小型犬・中型犬は10歳ぐらいからシニア期と考えることも。今までできていたことができなくなったり、寝ている時間が長くなったりなど、飼い主さんにとっては寂しく思うこともあるかも知れません。少しでも長くペットと快適に暮らすためには、そのサインに気づくことが重要になります。

犬や猫の場合、種類によって症状に違いがあります。我が家のペットがどのような症状にかかりやすいか知っておけば、早めに対応することができるので進行を遅らせることも可能です。
※注:下記の症状は若くても発症するものも含まれています。

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犬の場合

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<ダックスフンドやウェルシュ・コーギーなど胴長短足犬>
●症状/椎間板ヘルニア
脊椎のクッションの役割をする椎間板が損傷することにより、足を引きずるといった症状が見られ、重症になると自力で立ち上がれなくなることも。できるだけ階段の上り下りは避け、フローリングなど滑る床はマットを敷くなどして腰への負担をかけないようにしましょう。
●原因
これらの犬種は軟骨異栄養犬種と言われ、身体に比べて四肢が短くなる遺伝子を持っています。そのため椎間板の早期変性を起こしやすく、通常は老齢で発生する椎間板ヘルニアが若いうちに発生しやすくなってしまうことがあります。

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<マルチーズ、トイプードルなど小型犬>
●症状/膝蓋骨脱臼
膝のお皿の部分が従来の位置からずれてしまうことにより、膝がガクガクしたり足を引きずったりする症状が出ます。小型犬に多く見られる症状で先天性の場合も。
●原因
一般的にトイ種と言われる犬種では、もともと膝蓋骨がはまっている場所のくぼみが浅いなどの身体的特徴から、膝蓋骨の内方脱臼を起こしやすいことが知られています。

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<パグやフレンチ・ブルドッグなど短頭犬>
●症状/短頭種気道症候群

鼻の長さが短い犬種に多く見られるのが呼吸器系の病気。寝ている時いびきをかいたり、暑い気候や興奮時に口を開け激しい呼吸をしたりします。呼吸困難におちいり、泡を吐き失神することも。特に暑い日中の外出や散歩は避けるようにしましょう。
●原因
解剖学的に鼻呼吸がうまくできないことや、喉がふさがりやすいことなどが要因となります。

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<ゴールデン・レトリバーなどの大型犬>
●症状/股関節形成不全、関節炎

股関節の発育または成長に異常が見られる疾患です。この病気が発症すると関節が不安定となり、骨関節症などが引き起こされます。治療方法は投薬や外科治療などです。
●原因
遺伝的な要因が知られています。

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<キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル>
●症状/僧帽弁閉鎖不全

心臓の病気として有名で、身体に十分な血液が送られないため臓器の働きの低下や運動に耐えられなくなります。長いお散歩に耐えられなくなったり、息切れをしたり、咳をするなどの症状が見られたら早めに病院へ。
●原因
若いうちから心臓の僧帽弁の問題が起こることが多く、遺伝が影響していると言われています。

猫の場合

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<アメリカン・ショートヘア>
●症状/肥大型心筋症

知らず知らずのうちに心臓の筋肉が厚くなってしまう心臓病。無症状の場合が多いのですが、症状が進行するにつれ食欲や元気がなくなります。1年に1度は健康診断をしてチェックしましょう。
●原因
全ての高齢の猫種にリスクがありますが、アメリカン・ショートヘアの場合は遺伝が関係していることが分かっています。

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<スコティッシュ・フォールド>
●症状/軟骨異常、関節症

骨軟骨異形成症とは先天的な要因により、骨が十分に成長しない状態のことを言います。軟骨が変形することで歩きにくくなり、跛行したり、あまり動かなくなったりすることも。いつもと歩き方が違うな、と思ったら早めに病院に連れて行きましょう。
●原因
スコティッシュ・フォールドの折れ耳はもともと軟骨の奇形です。その奇形が耳以外のところにも出ることによってこの症状が起こります。

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<アビシニアン、シャム>
●症状/拡張型心筋症

心筋が細く伸びてしまうことで、左心房と左心室の壁が薄くなり収縮力が低下し、十分な血液を送り出せなくなってしまう病気です。低体温や脱水症状が見られることがあるため、呼吸が荒くなった場合はすぐに病院へ。

●原因
遺伝的に発症しやすいと言われています。

老化のサインと対処方法

ペットがシニアになったら、まずしてあげたいのが毎日の健康チェックです。「いつもとちょっと違うかな?」と思ったらかかりつけの獣医師に相談を。ここでは老化のサインとペットが快適に暮らしていくための対処方法を紹介します。

筋力の低下

老犬になると積極的に運動をさせるように心がけていないと、急に筋肉がやせ細ってしまいます。そのままにしておくとどんどん歩けなくなるので、散歩には積極的に連れ出してあげましょう。

また老猫の場合も動かないと筋力が低下していくので、飼い主さんが一緒に遊んであげましょう。

<ワンポイントアドバイス>
歩く時にふらつく場合や下半身が弱っている場合は、ハーネスやウオーキングベルトで腰を支えてお散歩をしてあげると良いでしょう。

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【介護グッズ】車椅子
後ろ足を引きずるなど、うまく歩けなくなっても車椅子を使うことで元気に走り回ることも。

歯周病など歯の衰え

犬も猫も歯石がたまることによって歯肉炎、歯周病になるおそれが。歯肉炎が進行すると、歯肉の炎症だけにとどまらず歯周病を起こします。また歯周病になると、歯肉が痩せたり歯を支える靭帯が弱ったりして、歯が抜けるだけではなく顎の骨を溶かし、心臓や腎臓などの臓器にも悪影響を与えます。歯石除去やハミガキをしていない子は早めに病院に相談をする方が良いでしょう。

おもらし

腰が弱くなり自力で踏ん張れない子は、腰を支えて姿勢の補助をしてあげましょう。おもらしをするようなら、おむつを使用するという手もありますが、できるだけおもらしをする前にトイレを促し、トイレの場所まで連れて行きましょう。

<ワンポイントアドバイス>
紙おむつのほか、人間の赤ちゃん用のおむつにしっぽを出す穴を開けて使用することでコストをおさえることもできます。

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【介護グッズ】おむつ
最近は、水玉や花柄、チェックなど可愛い柄の紙おむつもたくさん。

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【介護グッズ】サスペンダー付きおむつパンツ
おむつが脱げるのを防ぐため、上から履くパンツ。サスペンダー付きで、しっかり固定できます。

痴呆に伴う夜鳴き

夜鳴きの原因は、昼夜逆転によっておこることが多いようです。場合によっては動物病院で薬を処方してもらうという方法もあります。

<ワンポイントアドバイス>
体内時計をリセットするために、昼間にお日様を浴びたり、飼い主さんが声をかけてなでてあげたりなど、楽しい刺激を与えてあげると効果的です。また痴呆により鳴いているのではなく、身体の痛みや不調を訴えていることもあるため、まずは受診してみましょう。

異常な食欲

満腹中枢や記憶力が衰えることによって、ひっきりなしにご飯を食べたがることがあります。

<ワンポイントアドバイス>
1日のトータル量が変わらないように、少量ずつこまめにご飯をあげたり、低カロリーのおやつなどをあげたりすると良いでしょう。

徘徊

ペットが理由もなく部屋の中を歩きまわるようになったら、「家具と家具の隙間をクッションや段ボールなどで埋める」、「家具の角を布などで覆う」など、怪我をしない工夫をしてあげる必要があります。

<ワンポイントアドバイス>
お留守番の時などには、サークルの壁に沿ってお風呂マットなどを設置し、そこに入れてあげると安心です。

視力の低下

視力が低下すると、物によくぶつかるようになります。また、物が見えにくいことで臆病になることも。視力が低下しても、物の配置を覚えているのでぶつからずに歩けることもあります。配置が変わると分からなくなってしまうので、模様替えは控えましょう。

<ワンポイントアドバイス>
観葉植物や余計な物はなるべく置かないようにし、歩きやすい空間に。また、急に身体に触ったり大きな音を出したりすると驚かせてしまうので注意が必要です。明るい方が見えやすいので、夜のお散歩は控えるようにしましょう。

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だんだん年老いていくペットを見るのは辛いですが、できるだけ飼い主さんが明るく接してあげることで犬も猫も安心して過ごせるはず。最近は介護用の便利グッズも充実しているので、これらを利用し負担を軽くするのも方法です♪

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