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【飼い主攻略には欠かせない】柴犬式 次の一手

【飼い主攻略には欠かせない】柴犬式 次の一手

「オヤツ欲しい!」「遊んで欲しい!」そんな時、柴犬さんたちはただ黙って待ってるわけじゃあ、ありません。飼い主さんを動かす緻密な攻略法に迫ってみた!(Shi-Ba 2017年11月号 Vol.97より)

  • サムネイル: Shi-Ba編集部
  • 更新日:

柴犬も自分の得意戦術で飼い主と対峙している!?

ふっ……全て読み切った!

ふっ……全て読み切った!

「将棋って格好よくない?」こんな言葉が女子高生の口から聞こえる日がくるとは! 今年に入って将棋界は、藤井聡太四段の前人未到の活躍で大いに沸いている。「我が子も続け!」とばかりに将棋教室は満員御礼、将棋グッズや藤井四段が幼少期に使っていた知育玩具が売り切れるなんて現象も。

ところで、将棋ってつくづく面白い駒の動きをするなあ、なんて感心してしまう。だってめちゃめちゃ強いヤツ(角)が斜めにしか動けないとか、ほぼ万能選手(銀)なのに脇と背中が隙だらけとか、アンタ関ヶ原に呼ばれたらどういう戦い方するっちゅーねん! とついつい突っ込みたくなる。でもまあ、そんな弱点をカバーしつついろんな戦術を使って戦うのが日本人の強み。

そんな私たちと暮らす柴犬さんたちももしかして戦術を使っているのかも? ということで、出ました! シーバお得意のこじつけ企画。飼い主を攻略するための「次の一手」、駒の動きになぞらえて見てみよう!

Shi-Ba名人による将棋戦術講座

戦いを有利に進めるには、将棋と同じく戦略的に動くのが一番。守ったり、攻めたり、逃げたりと飼い主さんと柴犬との間で繰り広げられる様々な戦術をご覧あれ。

様々なシーンで作戦を使い分ける

用意はよろしいかな

用意はよろしいかな

まずは形からってことで名人っぽく和服にお着替え♥ 背中の犬の手形の家紋がたまらんです。それでは解説、よろしくお願いしますよ~。

将棋では、「攻め」と「守り」どちらも車の両輪のごとく、うまく回らなければ勝ちは望めない。そんなわけで、序盤はまず守りを固めるのが定石。柴犬界でも嫌なことをさせられそうになると「穴熊囲い」で家具の下に逃げ込む派が多数。うちの犬も「散歩行くよ~」の合図でベッドの下に隠れます。まったく、けしからん。

中盤になるといよいよ攻めを開始。様々な戦略がある中で、お得気分が味わえるのは「両取り」。ここでは多頭飼いの犬が両側からオヤツをおねだりする様子を紹介したけれど、ひとりっ子の愛され犬がとーちゃん、かーちゃん両方からオヤツを頂戴するという意味でも使われることがある。うらやましい限りだ。終盤に入ると戦いもいよいよ大詰め。相手が自陣につっこんできて、これはまずいぞ! となれば、さっさと逃げる「玉の早逃げ」作戦が有効。苦手な人が来訪したら違う部屋に隠れてしまったり、動物病院が近づいてきたらしれっと違う道へと誘導したりと、この作戦を使う犬は少なくない。

やはり、将棋の動きと犬の動きはどこか似ているようだ。

序盤編 穴熊囲い

【Shi-Ba的】戦略

将棋では玉を敵から守るために、あらゆる駒を周りに固めて手を出せないようにしてしまうことを言うが、柴犬界でも飼い主の怒りから身を守るために使われる戦術として知られる。椅子やベッド、ソファの下などが待避場所。

悪いことした自覚はあるんです

悪いことした自覚はあるんです

ひとまず安心だな

まだやんちゃ時期のメロスは椅子の足を噛んだり、トイレシーツの場所以外でおしっこをしてしまったりして、飼い主さんに叱られることもしばしば。そんな時はソファの下にさっと潜って、飼い主さんの怒りが静まるまでしばらく隠れているんだそう。まずは守りで形勢を立て直す、というわけ。

中盤編 両取り

【Shi-Ba的】戦略

将棋では二つの駒どちらでも取れる良い位置に自分の駒を置くことを指すけれど、多頭飼いの犬たちはオヤツや食べ物を見つけると、即座に両側から距離を詰めていってなんとかもらえないかと奮闘することを指す。

2匹の視線にぐらり!?

2匹の視線にぐらり!?

「一口だけっお願い!」
「アンタも何か言ってやってよ」

「早く、早く~」 「狙ったものは逃さないっ」

「早く、早く~」
「狙ったものは逃さないっ」

飼い主さんが食事で席につけば、2匹で横にピタッとオスワリ。オヤツの入った器が目につけば、しっかり両側からガード。2匹だからこそできる連携プレイなのである。じーっと飼い主さんにプレッシャー与えてるんですよ。

終盤編 玉の早逃げ

【Shi-Ba的】戦略

戦局があやしくなってきた時に、とりあえず玉は逃げてしまおうという「逃げるが勝ち」の将棋の戦術だけれど、柴犬界でも嫌なものとは敢えて戦わず、そこから立ち去るという方針を持つ犬も少なくない。対象は虫や動物病院、歯磨きなど多岐にわたる。

濡れた草むらから逃亡

濡れた草むらから逃亡

退却するのだ!

足が濡れるのが大嫌いなメリー。雨の日は家から一歩も出ないし、地面が濡れている雨上がりの日も散歩はなかなか行きたがらないとのこと。この日も地面が濡れている公園でボール遊びをしようとしたら「絶対イヤ~!」と拒否して、早々に逃亡。女流棋士は汚れたくありませんのよ。

【一局目!!】 新人には新人なりの戦い方があるのさ

Shi-Ba初段 東京都 霜野メロス(オス・7ヶ月)

Shi-Ba初段 東京都 霜野メロス(オス・7ヶ月)

まずはオレから!

「走れメロス」の主人公のように身体能力、体力ともに長けた元気な男の子。甲府に住む霜野さんの長女が一目ぼれし、以前から柴犬を飼いたい! と話していた霜野家の仲間入りを果たしたんだとか。

生後7ヶ月のメロスはいわば新人棋士。怖いもの知らずでどんどん前へ出ていくタイプなのか、取材スタッフに対しても「そんなこと良いから早く遊ぼうぜ~!」と人見知りすることなくオモチャをくわえて突っ込んでいく。攻めの強さは食べ物獲得の場面でも存分に発揮。

「昔は小さかったから良かったけれど、今はめきめき大きくなって机に手をかけたり、椅子へも上るようになっちゃってね」とご主人の霜野さんがあきれるほど。もちろん勝手に食べたら叱られてしまうわけだけれど、そんな時は一旦ソファの下に籠城して、しばらくしたらケロっとして出てくるそう。
「学習してない感じですね」とご主人は笑うが、不利な局面を引きずらないのも、名棋士の条件かも。

一方メロスがめっぽう弱いのが優しくされること。基本的に甘えん坊なので、ご主人がメロスに構わないと、甘噛みしながら「こっち見てよ~」とアピール。ナデナデされているうちに仰向けにされ、形勢逆転。勝負に負けても、愛をもらえればまあ、いっか。

得意技

机の上の新聞紙を落としてビリビリに破いたり、洗濯バサミを破壊したりと強力なイタズラ技をいくつも持っている。意表をつく桂馬の動きに定評あり。

勝負飯

野菜は食べないけれど、オモチャのスイカは大好物!? 投げて遊んでくれたら、もっとおいしくなるはず!

野菜は食べないけれど、オモチャのスイカは大好物!? 投げて遊んでくれたら、もっとおいしくなるはず!

食欲旺盛のメロスは基本、何でも口にしてしまう。食べ物はもちろんのこと、子供のオモチャもかじるので、ウンチからプラスチックの欠片が発見されたことも!

序盤

いきなり飛ばして一気に攻め上がるのがメロスの強み! 欲しいものがあったら遠慮はしないぜ。いざ、食卓へ!

メロスシステム!!

しめしめ誰もいないぞ

しめしめ誰もいないぞ

むう…… 届かぬ……

むう……
届かぬ……

ひゃっほーい

ひゃっほーい

怒られる前にいただくぜ

「最近体が大きくなって食卓に前足が届くようになったので、常に食べ物を狙っています」とご主人。撮影当日の朝もお皿に置いておいたベーコンエッグを目を離した隙にぺロリと食べてしまったとか。カワイイ顔してなかなか手ごわい相手とみた。

中盤

意表をつく動きで相手を揺さぶるメロス。攻めの姿勢を崩さず、最後まで持っていけるのだろうか!?

飛車ですっとび!

よし、コイツら捕まえちゃる

よし、コイツら捕まえちゃる

うりゃー

うりゃー

チッキショー

チッキショー

気合で空も飛べる!?

「地上にいる鳥ならまだしも、未だに飛んでる鳥を見ては『オレなら捕まえられるぜ!』って追いかけていくんですよ。バカですねえ」と笑うご主人。いやいや、そんなこと言って思いっきり目尻が下がってますよ。鳥より、ご主人の心を捕まえちゃったみたい。

終盤

いよいよ玉を追い詰めるぜ。ってあれ? いつの間にか手なずけられちゃってるよ。形勢逆転してないか~?

お腹だってば、お腹~

お腹だってば、お腹~

撫でられるのが大好物

甘えん坊でスキンシップ好きなメロスはナデナデされてるうちに、甘噛みしながらへそ天であっという間にダウン! 普段からご主人がリラックスして寝ていると「構って~」とスリスリしてくる「かまってちゃん」だけに、優しさ攻撃にはめっぽう弱い!?

メロス名人の格言

玉は包むように寄せよ ~ふんわり優しく扱ってもらうと参っちゃうぜ♪~

負けました~

投了!

負けました~

感想戦

守りの対策が今後の課題

攻めには強いけど、守りには弱いオレの悪いトコが出ちまったな。大体、お腹ナデナデとか反則っしょ。でも、知ってるぜ。飼い主さんだって相打ちしそうになってたこと。

次は手加減しないよ

次は手加減しないよ

【二局目!!】ライバル棋士の登場でレベルアップ

Shi-Ba初段 東京都/簗瀬モコ (メス・10ヶ月)

Shi-Ba初段 東京都/簗瀬モコ (メス・10ヶ月)


Shi-Ba四段 東京都/簗瀬ムク(オス・10歳)

Shi-Ba四段 東京都/簗瀬ムク(オス・10歳)


シニア犬と子犬のわちゃわちゃ名コンビ。2匹の写真を使って自らカレンダーやTシャツを作成するなど柴犬LOVEな簗瀬さん夫婦と共に、賑やかに暮らしている。大人で頼れるお兄ちゃん的存在のムクだが、無邪気で元気すぎるモコに度々手を焼いている。

先代犬のぽんが亡くなって、ひとりっ子生活に少しずつ慣れてきたムクの元にモコがやってきたのは昨年の11月。それまでどちらかというと何でもぽんにお任せで、積極的に主張したり、ご主人の意図を汲もうとすることはなかったというが、モコの存在で兄の自覚ができてきたのか、自ら進んでコミュニケーションを図るように。

「何かして欲しい時はオスワリをして見つめてくるので、気持ちがわかってかわいいです」と奥様の典子さん。
一方、モコはそんなムクを見て、様々なコマンドやご主人の攻略法(!?)を学んでいる最中だとか。中でも甘える作戦に関してはムクを超える上手さ。
散歩中に「もう歩けませ~ん」と立ち止まり、うるんだ瞳で抱っこされるのを待つ様子は、ご主人でなくてもメロメロになってしまうというもの。典子さんも「しょうがないわね~」と言いながらも「この重みが幸せの証♥」とニコニコ。

そんなムクとモコは一番の対局仲間でもある。「遊びなの!?」と驚いてしまうほど激しく取っ組み合いをすることも時にはあるが、「2匹は補完関係なんですよ」とご主人。お散歩で片方が遅れていれば来るまで待つ、初めての場所では互いに反対方向を見て相手の背中を守る、といった行動をするんだとか。まさに盤上のコンビネーション。
攻めたり守ったり、なかなか勝負がつかないところだけど、これからも末長く対局してね!

得意技

いぶし「銀」のムクは10年以上のベテラン棋士。攻守のバランス感覚に定評がある。一方甘えん坊の「金」のようなモコは、常にご主人やムクにぴったりとくっついて、次の動きに注視。洞察力に優れた女の子だ。

勝負飯

ゴハンやオヤツは全て手作り

十種類以上の野菜を刻んだものに、湯がいたお肉か魚を足し、そば粉とお酢でトッピング。健康に良さそう!

十種類以上の野菜を刻んだものに、湯がいたお肉か魚を足し、そば粉とお酢でトッピング。健康に良さそう!

豆腐やヨーグルトが好きで、テーブルにあると2匹ともクンクン鳴いて寄ってくるというが、普段の食事もとてもおいしそう。ムクの父親犬が病気になって療養食に切り替えて以来、オヤツもゴハンも全て手作りなんだとか。

序盤

経験豊富な四段ともなると、いきなり相手に突っ込んでいったりしない。まずは相手の出方を伺うのが玄人さ。

まずは様子見!

【ムクの場合】不服だが、逃げたりしない

【ムクの場合】不服だが、逃げたりしない

奥まで入れるのやめてくれませんかね

毎日の歯ブラシが嫌でしょうがないムク。明らかに不満そうな表情だが、それでもおとなしくシャコシャコされてる姿に編集部はキュンときたぜ。いつか香車がドーンと前へ出て行く時のために、今は力を溜めているのだ。エライぞ、ムク。

ヒフミンアイ!!

【モコの場合】私こそヒフミンアイの継承者

【モコの場合】私こそヒフミンアイの継承者

今日のご飯は肉じゃがね

簗瀬さんが何か食べ始めると、脇からやってきて「何を食べてるの~?」と同じ向きでウォッチング。これ、あの偉大なる加藤一二三先生と同じ技ではないか!
相手が何を考えてるのか知りたいのは人間だけじゃないようです。

お手本はいつもお兄ちゃん

お手本はいつもお兄ちゃん

モコ「それ、もらえるやつ?」
ムク「落ち着けっ」

モコ「兄貴、どうすれば良いんですかね」 ムク「ひとまずカメラ見とけ」

モコ「兄貴、どうすれば良いんですかね」
ムク「ひとまずカメラ見とけ」

子犬なので、コマンドや生活の約束事などまだまだわかっていないモコ。ゴハンのおねだりや散歩の催促など、ムクがすることを見よう見まねで覚えるモコは、ここでもやっぱり「ヒフミンアイ」。

中盤

互いのクセがわかって楽しい戦いになってくる頃。仕掛けて、仕掛けられてと2匹で遊ぶのってワクワクする!

一緒の散歩は二倍楽しい

一緒の散歩は二倍楽しい

ムク「どっちが早いか競走だ~!」
モコ「負けないぞお~!」

毎日のお散歩時間は2匹にとっての遊び時間でもある。モコを家に迎え入れた当初は、先住犬のムクは警戒して受け入れようとしなかったが、一緒に散歩をするようになって、互いに気持ちが通じ合うように。今はこんなに楽しそうな表情で駆けっこを満喫。

終盤

いよいよガチンコ対決に入ってくる終盤。互いの大駒をぶつけ合い、プライドを賭けて最後の勝負に挑む!

モコ「アタシにも着せてよ」 ムク「10年早いわ!」

モコ「アタシにも着せてよ」
ムク「10年早いわ!」

ムク「若造には負けん!」 モコ「そう言ってられるのも今のうちよ!」

ムク「若造には負けん!」
モコ「そう言ってられるのも今のうちよ!」

仲良しのムクとモコも、時には激しいバトルになることも。「本人たちは遊んでいるだけだと思うんですけどね」と簗瀬さんは意に介さないが、王手を賭けてこうした熱い戦いが日夜どこかで繰り広げられているという。はたしてこの戦いの行方は…??

ムク&モコ名人の格言

敵の打ちたい所に打て ~大好きな飼い主さんや仲間のことは全部お見通し!~

感想戦

ムク「まあまあだったな」 モコ「そっちこそ」

戦いは続く!

ムク「まあまあだったな」
モコ「そっちこそ」

お兄ちゃんの序盤の守り、耐える姿にグッときたわ。アタシたちの激しい戦いは楽しくっていつも勝負がつかないから千日手ってとこかしら。また明日も続きをやるわよ~。

【三局目!!】対局はご主人との心理戦でもあるのだ

Shi-Ba三段 神奈川県 片桐メリー(メス・5歳)

Shi-Ba三段 神奈川県 片桐メリー(メス・5歳)

最終戦よ!

丸い顔とふっくらした体がキュートな女の子。その容貌と人懐っこさから周囲の人にかわいがられているが、実のところ内弁慶で、家の中ではヤンチャっぷりを発揮している。

思わず触りたくなるような風貌で、訪れた取材スタッフをたちまち虜にしてしまったメリーだけれど、片桐家の攻防戦といえば「メリーに触りたい」ご主人と「触られたくない」メリーの間で繰り広げられる果てしない戦い。昔からスキンシップが苦手なメリーは、撫でられることがストレスの素。

当然ブラッシングやシャンプーは「命がけ」と飼い主の光恵さんも苦笑する。普段はその気持ちを尊重して無理はさせないけれど、「かわいいメリーに時々触れたい!」と思うのが親心というもの。そこで考案したのが、オヤツを食べながらのラブラブタイム。女子というのは総じて甘いものが好きだけれど、メリーも例外ではない。ほんの少しもらえるデザートを前にして、この時ばかりは「ここが耐え時!」とおとなしく膝に抱かれている。

一方「オヤツをもらいにいくぞ!」と仕掛けるタイミングを見計らうと、ご主人の前で数々の芸を披露。この日もオテ、オスワリ、ハイタッチと流れるような展開を見せたかと思うと、最後は高いジャンプで王手!

押しの強さに一同圧倒され「お~!!」と歓声と拍手が湧きあがったほど。身体能力はさることながら、集中して何度もトライする姿は、戦況が苦しくても諦めずに指し続けるプロ棋士の姿を彷彿とさせたよ。

苦手分野もあるメリーにとって飼い主攻略は楽じゃないけど、これには全員「参りました~」と言わずにはいられないのでした。

得意技

片桐家で飼われた犬はメリーが4代目ということで、過去の先輩から受け継いだ様々なコマンド、芸を披露できる。中でもジャンプの高さはピカイチ。

勝負飯

スイーツ女子なの

カステラやまんじゅうがお気に入りだが、もらえるのは生地の部分をほんのちょっぴり。もっと欲しい!

カステラやまんじゅうがお気に入りだが、もらえるのは生地の部分をほんのちょっぴり。もっと欲しい!

肉や魚も大好きだが、なんといっても甘いものには目がない。家族が夕食後にデザートを食べ始めると、決まって「チョーダイ」と寄ってくる。

序盤

相手の思惑通りに戦いを進めさせないためにも、まずは玉である自分が動くのが大切……

冷静さを忘るべからず!

時間短縮できませんかね

時間短縮できませんかね

ここは我慢のしどころ
実はスキンシップが大の苦手。ブラッシングやシャンプーの時は怒って自分のシッポやオモチャに八つ当たりをするほどだが、オヤツをもらうためならおとなしく抱かれます。

中盤

勝負を仕掛けるか、まだ堪えるか、しっかり時機を見極めたいところ。ご主人の顔色も判断材料に。

寄せはタイミング

勝負を仕掛けるか、まだ堪えるか、しっかり時機を見極めたいところ。ご主人の顔色も判断材料に。

ワタシはイイコ~

ワタシはイイコ~

そろそろ入れてくれない?

そろそろ入れてくれない?

中に入ろうと必死
普段は室内飼いなだけに、たまに外に出されるとものすごく悲しい顔に。意地でも入ってこようと、隙間から鼻先を入れてこじ開けるんだとか。そんなわけで、外から帰った後すぐに入れてもらえるように、散歩中は「イイコ」を演出。

終盤

ここは光恵さんの心を一気に掴んでオヤツをゲット!「ご主人の傍でハイジャンプ」の金×飛車のコラボ攻めだ!

いくわよ~

いくわよ~

うりゃっ!

うりゃっ!

メリー名人の格言

金はとどめに残せ ~最後はやっぱりご主人の傍でキメ!~

感想戦

次の対戦相手はおじいちゃんね

何事も鍛錬が大切

次の対戦相手はおじいちゃんね

攻めに転じるタイミングがなかなか難しかったけど、今までの経験値がものをいったわね。ジャンプはよく使う技だけどお母さんを喜ばすために、普段からよく練習してるのよ。

対局の戦術は個性に満ち溢れている

さて、これまで見てきた柴犬の飼い主攻略のための「次の一手」、いかがだっただろうか? 今回の対局に参加してくれた犬たちは、プロ棋士もびっくりの様々な戦略を見せてくれた。

私は普段、下手ながらも自分の子供たちと将棋を指すことがあるのだが、その子によって「几帳面な長女はまず守りを固めがちだな」とか「後先考えずに行動する末っ子は、とにかく前に出てきがちだな」と驚くほど性格と将棋の指し方がリンクすることに気がつく。そして犬もやっぱり、年齢やタイプによって飼い主に対する攻め方や守り方、タイミングの見極め方が違うなあ、と実感。

時にはちょっぴり「おバカだな~」と笑ってしまう対処法もあるけれど、駒の持つ特性と同様に、不器用だったり、欠点があったりするからこそ、愛しいと思ってしまうもの。これからも全面的に負けてあげたり(要求をのんであげることね)、積極的にかわいがって犬をデレデレに降参させてみたりしながら、日々の犬との対局を楽しんでみよう!

Text:Rena Uematsu  
Photos:Michio Hino、Miharu Saitoh 

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