寒い冬の夜は「猫マンガ」を読もう! 心がグッと温まるオススメの7冊
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寒い冬の夜は「猫マンガ」を読もう! 心がグッと温まるオススメの7冊

寒さの厳しい毎日が続いていますが、冬の長い夜、猫を膝の上に載せてゆったりと読書するのは、猫飼いならではの楽しみではないでしょうか。今回はそんな時に読んで欲しい、心がほっこりする猫好き大満足の猫マンガを紹介します。

  • サムネイル: 野月くりっぷ
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猫マンガは、もはやマンガの一大ジャンル

古今東西、小説や映画、絵画などで度々モチーフとして描かれる猫。マンガ文化が花咲く日本では、主人公に猫をすえた「猫マンガ」が登場し、今やマンガの一つのジャンルとして認められるようになりました。

そのルーツは小林まこと先生の「What’s Michael?(ホワッツ・マイケル)」。30年前に猫ブームの一端を担った猫マンガの金字塔です。その後、猫ブームはいったん下火になりましたが、10年ほど前から再燃、猫マンガも盛り上がりをみせるように。今やファンタジーや時代物、ギャグマンガなどさまざまな分野にまで進出しています。

猫マンガと言えばこれ。日常を描いた「ウチ猫系」3冊

猫マンガで最も多いテーマが、作家さんの飼い猫の日常をつづった、ウチの猫、略してウチ猫実話系。作家さんの熱い猫愛や猫との独特な距離感を楽しむことができます。

猫飼い共感力マックス! 『そろえてちょうだい?』

動物,犬,猫,しつけ,飼い方,育て方,病気,健康

いくえみ陵 著
『そろえてちょうだい?』
(祥伝社)
第0~第4巻(連載中)
第0巻は、歴代いくえみ猫が総出演する蔵出し編

いくえみ陵先生は、女子マンガ界きっての大御所作家。テレビドラマ化された「あなたのことはそれほど」は記憶に新しいでしょう。いっぽうで大の動物好き、猫好きで、長年、野良猫を保護してはウチ猫に。その先生が溺愛する愛猫「ブンたん」を筆頭に、個性あふれる猫たちとの生活を軽快なタッチで描きます。変わったタイトル「そろえてちょうだい?」の意味は読んでからのお楽しみ!

猫との何気ない日常から、猫好きが「これ、これ!」と思わず膝を打つ瞬間を鋭く切り取るセンスは秀逸!しかもそれぞれの猫キャラがまた素晴らしい。猫の猫たる特徴を際立たせ、さらに可愛くこしらえるその手腕は脱帽ものです。

可愛くないのに可愛さ100%『ウチのハナちゃん』

動物,犬,猫,しつけ,飼い方,育て方,病気,健康

松本英子 著
『ウチのハナちゃん』
(日本出版社)

晩年のハナちゃんをつづった
『ずっと、ウチのハナちゃん』
(辰巳出版)もどうぞ!

取材+イラストというコミックエッセイのジャンルで活躍する新進気鋭の作家、松本英子先生。タイトルの「ハナちゃん」は著者の実家の猫で、保護主さん宅にて預かられていたところ、子猫にあるまじき凶暴さを松本先生のお母様に見初められ、めでたく家族に迎えられました。天上天下唯我独尊、他を一切許さない女帝ハナちゃんと、そのすべてを受け止める松本母娘の懐の深さが際立つ1冊です。

猫愛丸出しのベッタリ甘いマンガではなく、どこか一歩引いて、愛猫の行動を冷静に分析しているのは、もともと取材マンガを生業としている方だからでしょうか。しかしこのシニカルな目線からこぼれ出る猫愛は本物。シュールな絵柄は決して万人受けするものではないのですが、かえってハナちゃんの性格を如実に表した、味わいのある作品に仕上がっています。

ホラー作家が描く恐怖? の猫マンガ『伊藤潤二の猫日記 よん&むー』

動物,犬,猫,しつけ,飼い方,育て方,病気,健康

伊藤潤二 著
『伊藤潤二の猫日記 よん&むー』
(講談社)

数少ない男性作家による猫マンガで、著者は日本のホラーマンガ界をけん引する伊藤潤二先生。もともとは犬派だったそうですが、結婚を機に奥様の猫と暮らすことに。「呪いの猫がやってきたー!」と戦々恐々とする中、奥様の言われるままにキャットタワーを組み立て、新居の壁をカバーするなど、かいがいしく準備。奥様と張り合いながら、二匹の猫をなんとか自分に懐かせようとする姿が痛々しくも微笑ましいのです。

呪い顔の猫「よん」、じつは奥様の指でチュッチュする甘えん坊さんで、そのギャップがたまりません。絵のタッチはいつものホラー調のためなんとも怖い雰囲気に仕上がっていますが、その中身はほっこりゆるゆるしているコワ可愛い猫マンガです。

猫ならではの物語「フィクション&ファンタジー系」2冊

実在の猫の話ではないけれど、「猫あるある」が盛りだくさんのストーリー猫マンガ。実話のような「飼い猫とご主人」の何気ない日々を描いたものからコアなファンタジーまで、そのテーマは多岐にわたります。

叙事詩のような優しく美しい猫マンガ『ねことじいちゃん』

動物,犬,猫,しつけ,飼い方,育て方,病気,健康

ねこまき著
『ねことじいちゃん』
(KADOKAWA/メディアファクトリー)
第1~3巻(連載中)

「ねことじいちゃん」は、奥さんに先立たれた大吉じいちゃん75才と、奥さんにじいちゃんのことを頼まれた、たま10才(オス)とのハートウォーミングなストーリー。著者は「まめねこ」でも有名な、ねこまき先生。絵柄も内容も優しさあふれ、二人の間に流れる穏やかな時間に、読む側も心が洗われます。

二人が住む日本家屋や、猫と老人だらけの島の春夏秋冬の風景を丁寧に描き、まるで光の中の美しい情景を読むよう。第15回文化庁メディア芸術祭漫画部門審査委員会推薦作品でもあり、幅広い年代に支持される、何度も読み返したくなるマンガです。

勇者と子猫とらじの夢あふれる冒険ストーリー『猫mix幻奇譚とらじ』 

動物,犬,猫,しつけ,飼い方,育て方,病気,健康

田村由美 著
『猫mix幻奇譚とらじ』
(小学館)
第1~11巻(連載中)

著者はSF少女マンガの第一人者、田村由美先生。もともとかなりハードなヒロイックファンタジーを描く作家ですが、この作品は猫が主人公ながら、設定もプロットも確かな本格的冒険譚。

堅物の勇者パイ・ヤンがある日帰郷すると、愛する妻は行方不明、息子は魔法のねずみにさらわれ、残っていたのは息子の猫「とらじ」だけ。そのとらじも魔法のねずみによって、人型の「猫mix」になっていました。パイ・ヤンは息子を取り戻すため、とらじと共に旅立ちます。偏屈で猫という動物にまるで理解がないパイ・ヤンと、とらじの掛け合いは猫好きの萌えポイント満載。とらじの可愛さもさることながら、著者の他に類をみない独特の世界観は、ファンタジーとしても読むべき1冊です。

猫がいるから笑える毎日「コメディ系」2冊

猫という動物は、1日に1回は飼い主さんを楽しませてくれる動物ですよね。そんな猫だからこそできる、コメディ系の猫マンガ。笑いの中に垣間見える猫愛にもキュンキュンです。

『まねき猫不動産』 不動産実話×猫!?

動物,犬,猫,しつけ,飼い方,育て方,病気,健康

空乃さかな著
『まねき猫不動産』
(少年画報社)
第1~6巻(連載中)

夜逃げした店子「栗田」に置き去りにされたペルシャ猫「クリ太」と、「クリ太」を保護した「亜徳不動産(悪徳ではない!)」の社員「松本まつり」と同僚たちが繰り広げるほのぼの不動産コメディマンガ。主人公のまつりは持ち前のパワフルさで、クリ太と共に不動産業務で発生するもめごと、やっかいごとを無理矢理解決していきます。

じつはこの作品の著者、マンガの舞台仙台で実際に不動産会社に勤めるOLさん。大家さんと店子のトラブル、仙台特有の物件ウラ事情などが実話をもとに描かれていて、エッセイとしても楽しめます。もちろん、個性豊かな亜徳不動産の面々、クリ太と猫なかまの活躍も見逃せません。猫あるある、不動産エッセイ、コメディと、1冊で3回楽しめる作品です。

コメディマンガの王道。ミー太郎がひたすら可愛い『猫ピッチャー』

動物,犬,猫,しつけ,飼い方,育て方,病気,健康

そにしけんじ 著
『猫ピッチャー』
(中央公論新社)
第1~6巻(連載中)

読売新聞日曜版に連載されている「直球一本勝負 猫ピッチャー」のコミック本で、作者は「猫ラーメン」「ねこねこ日本史」で知られるそにしけんじ先生。セロリーグ・ヨミウリニャイアンツに所属する、プロ野球界初の猫ピッチャー、ミー太郎(オス・1才)の活躍を描いたコメディマンガです。猫ならではの可愛さと本能を武器に、相手チームを翻弄します。

「もし投手が猫だったら」という何気ない私たちの妄想を本当にマンガに。勢いのまま突き進む、そのブレのなさがかえって新鮮です。「そりゃ猫だしねー、猫だからねー」、というオチや、「セロリーグ、パセリーグ」「シマシマケープ」「ニャックルボール」などのネーミングセンスが、ゆるーいタッチの絵柄とあいまって、どこを切っても可愛いミーちゃんワールドを作り上げています。猫好きだけでなく、野球好きな方にもぜひおススメ!

猫マンガの世界は年々広がりをみせ、まだまだ紹介しきれない作品がたくさんあります。冬の夜はこの奥深い猫マンガの世界に、どっぷり浸ってみてはいかがでしょうか。

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