ふだんおうちで飼い主さんが何気なくやってあげているお手入れ。でもやり方によっては、犬が痛みを感じていたり、怖い思いをしていることも。今回はついやりがち&見落としがちなお手入れのポイントを徹底的に紹介しよう。(チワワスタイル Vol.25より)
監修:野矢雅彦先生

上手にやってくれなきゃ泣いちゃうよ
足
細い足だからこそ気をつけたい
小さいチワワの足はとてもデリケート。足を無理に伸ばしたまま拭いたり洗ったりすると、関節が外れてしまうことも!
拭く時 正しいやり方

足は自然に曲げた形で
拭く前に「拭くよ~」と言って、後ろ足を触りながら始めると、犬がびっくりしない。足はぎゅっと押さえず自然に曲げた形で拭く。
これはNG!

足を握る時は優しく!
犬が嫌がるからといって、飼い主が手に力を入れて犬の足をギュッと握るのはNG。関節を痛める可能性がある。
洗う時 正しいやり方

砂や小石が詰まったら
外出後は足の裏もチェック。砂や小石が指の間に詰まっていたら、ぬるま湯の中で指の間を開き砂や小石を取り除こう。

しっかり水気を拭く
砂や小石が取れたら、足の水気をしっかり絞り、その後はタオルで拭いてしっかり乾かすこと。生乾きは皮膚炎の元に。
爪
やすりをかけると、犬も人も心地いい
ハードルが高い爪切りだけど、爪切りを見せる→爪切りを近づける→爪切りを指に当てる→爪を1本だけ切ってみる、など段階を経て慣らしていこう。
正しいやり方

一度に全部切らなくてOK
爪を切る場合は写真のように肉球から爪切りを離すのがコツ。慣れないうちは1回で全部切ろうとせず、1日1本切るくらいの心の余裕を持とう。1人でできない場合は、無理せず家族に手伝ってもらおう。
これはNG!

爪切りを肉球に当てない
写真のように肉球の上から爪切りで爪を切ろうとすると、誤って肉球を切ることも。一度嫌な経験をすると、爪切りが大嫌いになってしまう。爪切りを当てる角度にはくれぐれも注意して。
やすりを使う

人用のやすりでOK
写真は海外旅行のお土産でもらったやすり。家にあるもので試してみよう。

切りたては爪が痛い
爪を切った後に愛犬に足でカリカリされると、人の手や足に傷がつくことがある。同様に、犬もその足で自分の体を掻くと皮膚を傷つけることもあるので、爪を切った後は仕上げにやすりをかけ、爪の先を丸く整えておくと安全だ。
切りすぎたら

赤く透けて見えるのが血管
爪が白い犬の場合は、赤く透けて見える血管から2~3mm先の部分で切るのをやめる。黒い爪の場合は、真ん中に芯のような部分が見えた所で切るのをやめておこう。

万が一、血が出てしまったら
血が出てしまったら、爪ではなく指を押さえてまずは血を止めること。

その後、止血剤(粉状になっている)を患部につけて処置しよう。どうしても血が止まらない場合は、かかりつけの動物病院へ。

NGバージョンマジ痛そう……
Text:Mari Kusumoto
Photos:Miharu Saitoh
Model:Hublot、Choco、Koro
監修:野矢雅彦先生
ノヤ動物病院院長。日本獣医畜産大学卒業後、1983年よりノヤ動物病院を開院。著書に『犬の言葉がわかる本』(経済界)『犬と暮らそう』(中央公論新社)など多数。
ノヤ動物病院
埼玉県日高市上鹿山143-19
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