ふだんおうちで飼い主さんが何気なくやってあげているお手入れ。でもやり方によっては、犬が痛みを感じていたり、怖い思いをしていることも。今回はついやりがち&見落としがちなお手入れのポイントを徹底的に紹介しよう。(チワワスタイル Vol.25より)
監修:野矢雅彦先生
汚れを見落としたり、お手入れを忘れがちな部分について知っておこう
見落としがちなところは毛玉ができやすい!?
ブラッシング、シャンプーの際、洗い、すすぎ、乾燥といった流れの中で、忘れがちな体の部分は意外にも共通している。耳の後ろ、あご、脇、内股、シッポ、足先などだ。

特にロングコートのチワワは、耳の後ろ、脇に毛玉ができやすい。毎日ブラッシングしているつもりでも、ある日愛犬の体を触ってみると毛玉ができていてびっくり、ということも。

ロングのチワワのお尻やシッポの毛はまるでモップのよう。座った時や散歩中にホコリやゴミが毛につくことも多い。
毛玉も小さいうちはコームでとかせばほぐれやすいが、大きくなったりたくさんできたりすると、ほぐす時に愛犬が痛い思いをすることもあるし、バリカンで刈らなくてはならないことも。

水を飲んだり、ゴハンを食べた後にあごが汚れたり、フセた時に胸にゴミなどがつくことも。毛の豊かなコは特に注意。
見落としがちな部分を把握し、愛犬の体を常に清潔に保ちたいものだ。

耳の後ろの毛はとても柔らかく、毛玉がよくできやすい。毛玉を取る時に嫌がるコも多いので、こまめにチェックしよう。
ブラッシング
同じ所ばかりブラシをかけていてはダメ
背中などかけやすい所だけでなく、ブラシは全身にかけて。また、スクラッチャーなどダブルコートの犬によく使うブラシでゴリゴリ毛をとかすと、皮膚を傷つけることもあるので要注意。
正しいやり方

①自分の腕に当て力加減を知る
ブラシは犬の皮膚の状態に合わせて使おう。皮膚にダメージがある時はスリッカーよりもピンブラシやラバーブラシがオススメ。使う前に自分の手で力加減を確認。

②ブラシは犬の後ろからかける
ブラシをかける前は「今からブラッシングしようね~」などと声をかけながら、体を撫でたりした後に、顔の後ろの方から優しくブラシをかけていく。
これはNG!

ブラシの先を目の近くに持っていかない
コームやスリッカーのブラシの先は尖っているので、ブラッシング中に犬が動いて先端が目に入るととても危険。犬の正面からブラシをかけないように気をつけよう。
忘れがちな所

耳の後ろ
毛玉が小さいうちなら、コームも入りやすく、毛玉もほどけやすい。こまめなブラシがけを。

脇の下
耳の後ろと同じく毛玉ができやすい脇の下。手を優しく持って、そっとブラシをかけてあげよう。

内股の毛
散歩中にノミやダニがつきやすい内股。ブラッシングしながら、虫などがついていないかチェック。

シッポ
ゴミやほこりがつきやすいシッポは、先端までこまめにブラシをかけて清潔を保とう。
ブラシの種類
犬の毛質や用途によってブラシは使い分けよう。スムースさんは獣毛ブラシやラバーブラシがオススメ。

獣毛ブラシ
スムースチワワ御用達。静電気が起きにくい。馬毛や豚毛などがある。

スクラッチャー
被毛をすいて取るタイプ。柴やコーギーなどダブルコートの犬向き。

ピンブラシ
ブラシの先端が丸まっているので、皮膚に触れる感じが優しい。

ラバーブラシ
被毛のお手入れにも使えて、同時に皮膚のマッサージもできる。

スリッカー
毛を整えたり、シャンプー後の毛を乾かす時に主に使う。

コーム
毛玉をほぐしたり、毛並みを整える時に。ロングコートにオススメ。
Text:Mari Kusumoto
Photos:Miharu Saitoh
Model:Hublot、Choco、Koro
監修:野矢雅彦先生
ノヤ動物病院院長。日本獣医畜産大学卒業後、1983年よりノヤ動物病院を開院。著書に『犬の言葉がわかる本』(経済界)『犬と暮らそう』(中央公論新社)など多数。
ノヤ動物病院
埼玉県日高市上鹿山143-19
http://www.noya.cc/