ふだんおうちで飼い主さんが何気なくやってあげているお手入れ。でもやり方によっては、犬が痛みを感じていたり、怖い思いをしていることも。今回はついやりがち&見落としがちなお手入れのポイントを徹底的に紹介しよう。(チワワスタイル Vol.25より)
監修:野矢雅彦先生
シャンプー

シャンプーする場所の温度管理もヨロシクね
目にシャンプー液が入らないようにして
体が小さいチワワは自宅の洗面所などで手軽に洗っている人も多いもの。愛犬のためにも正しい洗い方を再確認しておこう。
正しいやり方

①濡らす時は頭に遠い部分から
まずはお湯の温度を確かめ、「シャンプーするよ~」と犬の体を優しく触ったり声をかけながら、お湯をお尻の方から静かにかけて、頭以外を濡らしていく。
これはNG!

頭を最初に濡らさない
頭が濡れるのを嫌がる犬は多い。体を洗い終えたら、頭は最後に濡らして洗う。そして頭を最初にすすいであげると犬のストレスが軽くなる。

②初めて使うシャンプーはパッチテストを
初めて使うシャンプー剤は必ずパッチテストを行い、アレルギーの有無をチェック。耳の内側に10倍ほどに薄めたシャンプー剤を少量塗り、一晩様子を見る。皮膚が赤くなったら使用を中止しよう。

③シャンプーはよく泡立てて使う
体の表面だけでなく、皮膚までちゃんと濡れているか指で確認したら、シャンプーをよく泡立てて、犬のボディから洗っていく。


④洗う時は指の腹を使って
自宅でシャンプーする人は、犬の毛だけ洗っていることが多いそう。指の腹を使い、毛だけではなく皮膚までしっかり洗うようにしよう。
これはNG!

爪を立てて洗わない
皮膚を傷めてしまうので、飼い主の爪を短く切っておくことはもちろんだが、洗う時には犬の皮膚に爪を立てないようにして洗うこと。

⑤顔周辺は特に優しく、慎重に
シャンプー剤が目に入って角膜炎になるケースもある。顔周辺は特に慎重に洗うようにしよう。シャンプー剤が目に入るのが心配な場合は、濡らしたタオルやスポンジで顔を拭くだけでもOK。

⑥洗い残しはないかな?
あごや耳の後ろ、脇の下、足の指の間、シッポの裏側、内股など、洗い残している部分はないか、最後にもう一度チェック!

愛あるシャンプーでお願いしまっす!
すすぎ
ぬめりは完全に取ることが大切
しっかりすすいでおかないと、シャンプー剤が残っている皮膚の部分に炎症が起こることもある。念には念を入れてすすぎをしよう。
正しいやり方

①まず頭からすすぐ
目にシャンプー剤が入らないように、顔を上に向けながら頭から優しくすすいでいく。

②ぬめりをしっかり取る
体全体を触り、ぬめりがないか確認。ぬめり感がまったくなくなるまで丁寧にすすぐ。

③水気を絞る
すすぎが終わったら、足先などは軽く手で絞って水気を切っておく。
タオルドライ
3分くらいを目安に拭こう
洗った後はタオルでしっかり水気を拭き取っておけば、ドライヤーを当てる時間も短縮できる。
正しいやり方

①ブルブルも活用して
犬にブルブルしてもらって余分な水分を切ってもらうのもオススメ。周りに水分が飛び散らないように、タオルで犬を覆うと良い。

②耳の中や裏もしっかりと
つい忘れがちな耳周辺。よく乾かさないと毛玉ができやすくなるので、耳の中と同様、耳の裏側もタオルでしっかり拭こう。

③シッポの裏やお尻周りもね
同じく忘れがちなシッポの裏側やお尻の周りも毛が豊かなコが多いので、優しく水分を拭き取ってあげよう。

④タオルドライ終了の目安は?
写真の状態がタオルドライ終了の目安。時間にして3分くらい全身をしっかり拭いていると、このような状態になる。

しっかり乾かすんだよ~
Text:Mari Kusumoto
Photos:Miharu Saitoh
Model:Hublot、Choco、Koro
監修:野矢雅彦先生
ノヤ動物病院院長。日本獣医畜産大学卒業後、1983年よりノヤ動物病院を開院。著書に『犬の言葉がわかる本』(経済界)『犬と暮らそう』(中央公論新社)など多数。
ノヤ動物病院
埼玉県日高市上鹿山143-19
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