犬や猫の膵炎:症状や検査・治療法について解説 | 動物医療センターPeco

この記事では犬猫の膵炎の症状・原因を解説します。また、検査や治療法とおおまかな検査費用についてなども解説しているので、動物病院に行く前に参考にしてください。

記事の監修者
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大野耕一
動物医療センターPeco 院長 獣医師

膵炎とは?

「膵炎」とは十二指腸に張り付くように存在する「膵臓」という臓器が炎症を起こす病気です。膵臓は食べ物の消化に必要な消化酵素を作っており、炎症によってこの消化酵素がさらに身体に悪影響を及ぼします。

重症例は犬でしばしば認められます

膵炎ではさまざまな臓器が障害を受け、多臓器不全の場合や死に至ることもあるため、ときとして入院治療が必要です。

しかし軽症例のことも多く、誤って膵炎と判断されていることも少なくありません。

犬猫の膵炎の原因は?

犬や猫の膵炎の原因はこれまでいろいろと疑われていますが、はっきりしたことはよく分かっていません。

また膵炎には特効薬がなく、個々の動物によって状態が全く違うので、症状によって点滴や吐き気止めの投与を行ったりなど、治療法もさまざまです。

犬で考えられる原因

血液中の中性脂肪などが高くなるような状態(肥満や食事、内分泌の病気など)が膵炎の原因の可能性となると考えられていますが、ほとんどの動物では原因は特定できません。

猫で考えられる原因

原因はほとんど分かっておりませんが、膵臓のそばに存在する十二指腸や胆管という肝臓から繫がる管の炎症に関連していることが多いと言われています。

膵炎の症状は? 

犬と猫では膵炎の症状が異なります。

犬の症状

膵炎では、ほとんどの犬種で以下の症状が見られます。

・嘔吐

・食欲不振

・腹痛

腹痛は一見分かりにくいですが、お腹を触ると嫌がったり、お尻を持ち上げてじっとするポーズをとったり、お腹を冷やしたりする症状がみられることがあります。

また、まれに白目が黄色くなるなどの黄疸の症状がみられることがあります。

猫の症状

嘔吐や腹痛の頻度は少なく、症状は元気・食欲の低下だけの場合が多いので、膵炎と気づかないこともあります。

また、肝臓の病気と一緒に起こることもあり、まれに黄疸などが見られることもあります。

気になる症状がある場合はご相談ください

特に重症の場合、ぐったりして元気がなくなってしまうので、できるだけ早く動物病院に行くことが薦められます。

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膵炎の検査・診断は?(動物医療センターPecoの場合)

当院で実際に行う可能性のある検査についてご説明します。

※検査は、問診を含めて1時間近くかかります。また原因や病状によってさらに時間がかかることや、診断のために何度か通院してもらう必要がある場合もあります。時間に余裕をもってご来院ください。

血液検査

血液検査では犬猫ともに膵臓で作られる消化酵素(リパーゼ)を指標としますが、必ずしも膵炎マーカーというわけではないので、評価には注意が必要です。炎症の程度を知るために、白血球数や炎症マーカーの数値も評価します。

超音波検査

おなかの超音波検査で膵臓に異常がないか調べます。

診断で重要なこと

大事なことは、膵臓以外の重い病気がないか調べることです。腫瘍や肝臓、腸の病気など、膵炎よりも優先すべき病気が潜んでいることもしばしばあります。

このため、血液検査や超音波検査では膵臓以外の臓器もしっかりと調べます。

実際には膵臓の数値が高いだけで、膵炎ではない(膵炎が問題ではない)ことも多いので、注意が必要です。

当院が膵炎の診療で心がけていること

1.膵臓の病気があるかないかを見極める

膵臓の数値だけでは膵炎は診断できません。

2. 本当に膵臓の病気が今の問題か見極める

たとえ膵臓に病気があってももっと重要な病気があるかもしれません。

3.できるだけ適切な治療を提案します

特に膵炎に特効薬は無いので、症状に合わせた適切な治療を選択します。

初診時の検査費用の例

当院では、病気の診断や状態把握のために、必要と思われる検査を選択致します。以下に一般的な膵炎の検査料金をご紹介します。

検査内容料金の目安
カルテ新規開設料1,100円
初診料4,950円
血液検査7,660円~
超音波検査4,500円~

※治療費は別になります。

膵炎の治療は?

膵炎には特効薬がなく、また個々の動物によって状態が全く違うので、治療法もさまざまです。

犬の膵炎の治療

吐き気や腹痛を伴うことが多いので、最初は点滴をして、吐き気止めや痛み止めなどを使用することが多いです。

状況によっては膵臓の炎症を抑える薬や、合併症の治療などを行います。

急性膵炎の場合

突然発症し急性に進行する急性膵炎で、症状が強い場合には、最初は入院して治療を行うことも多いです。

慢性的な場合や膵臓の数値だけが高い場合

低脂肪食だけで管理することもあります。

猫の膵炎の治療

急性膵炎は少なく、慢性膵炎が多いので、むしろ膵炎の治療よりも合併している腸や肝臓の炎症の治療を行うことが優先されます。猫で推奨される食事は今のところありません。

当院の獣医師スタッフからのメッセージ

急性膵炎だけでなく、激しい嘔吐が続いてぐったりしている場合には動物病院で診察を受けるようにしてください。膵炎の原因ははっきりしていませんが、犬では脂肪分の多い食事や、人間の食事などいつもと違うものの摂取などが引き金になることがあるので、普段から食事に注意することも大切です。

一方で、膵臓の数値が高いだけで実際は膵炎ではないことも増えてきています。これは症状がない状況で膵臓の数値を測定したときなどに起こります。

どんな病気でもそうですが、大事なのは症状です。いずれにしても「本当に膵炎なのか?」「本当に膵炎が今の問題なのか?」ということを考えて診断を行う必要があります。

当院では血液検査だけでなく、問診や画像検査なども含めて総合的に膵炎診断を行っております。

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診療経験を積んだ獣医療チームが、健康診断〜病気の診療を担当する「犬と猫のための動物病院」です。

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