この記事では獣医師監修の元、犬と猫のてんかんの原因や症状そして検査・治療法について解説しています。動物病院に連れて行く前に参考にしてください。

犬猫のてんかんとは?原因について
脳の慢性的な病気
てんかんとは、様々な原因により繰り返し起こる発作を主な症状とする、脳の慢性的な病気です。
てんかんの原因
遺伝的要素が原因と考えられているものや、脳炎、脳奇形(水頭症など)、脳腫瘍など脳の構造異常によるものなど原因は様々です。
てんかんは主に3種類に分類されます。具体的には、遺伝が原因と考えられている「特発性(素因性)てんかん」、脳に器質的な病変を認める「症候性(構造的)てんかん」、原因が特定できない「おそらく症候性(原因不明)てんかん」です。
犬猫でよく見られる原因
発症しやすい犬種・猫種
犬では、ダックスフンド、チワワ、プードル、シェルティー、テリア系、レトリーバー系などが挙げられます。
てんかんの症状は?
最も代表的な症状は全身に及ぶ痙攣発作です。その他にも体の一部にしか症状が現れないものもあります。
主な症状1「全般発作」
主な症状2「焦点性発作」
気になる症状がある場合はご相談ください
発作を繰り返し起こすことによって、脳はより発作が起きやすい状態になります。
また発作が長時間持続した場合、脳への不可逆的なダメージが加わってしまいますので、できるだけ早く動物病院に行くことが薦められます。
東京都渋谷区千駄ヶ谷3丁目60-7
原宿駅徒歩4分
提携駐車場あり
てんかんの検査・診断方法は?(動物医療センターPecoの場合)

当院で実際に行う可能性のある検査についてご説明します。
問診・身体検査
年齢や発作時の状況、頻度などの情報が非常に重要になります。
神経学的検査を行い、脳に異常があるか調べます。
血液検査
低血糖や尿毒症(腎臓の病気で毒素が体内にたまる状態)などの内臓由来の問題からでも発作は起こります。
脳以外の異常がないか調べます。
画像検査
MRI(磁気を用いた画像診断装置)で脳を調べます。
検査には全身麻酔が必要になります。
※当院にはまだMRIの設備がないため、MRI設備を備えた病院を紹介いたします。
脳脊髄液検査
脳や脊髄の内部や表面を流れる脳脊髄液を採取し、炎症や腫瘍細胞が出ていないか調べます。
検査には全身麻酔が必要になります。
てんかんの治療方法
病状や原因によって異なりますが、以下の治療法が挙げられます。
・薬物療法
抗てんかん薬と呼ばれる薬を服用し、発作を起こしづらくします。
原因によってはステロイドや脳圧降下剤などの薬剤も使用します。
・外科治療
脳腫瘍が原因で発作が起きている場合に、手術で病変部位を摘出することがあります。
特発性てんかんの場合にも「てんかん外科」と呼ばれる手術が行われるようになってきています。
※いずれも当院ではできないため、ご紹介になります。
・放射線治療
脳腫瘍に対して放射線を当てて腫瘍を縮小させます。
※当院ではできないため、ご紹介になります。
当院がてんかんの診療で心がけていること
てんかんの診断には問診が非常に重要になります。飼い主様から必要な情報を丁寧に確認し、適切な診断や治療に繋げられるよう心がけることで、愛犬・愛猫と飼い主様の生活の質の向上を目指します。
実は起きている症状がてんかん発作でない場合もあれば、逆に思わぬ症状がてんかん発作であることもあります。問診を通して、症状を確認します。
てんかん発作の原因や体調によって治療法は異なります。
それぞれの症状や体調に合わせた適切な治療を選択します。
初診時の一般的な検査費用
当院では、病気の診断や状態把握のために、必要と思われる検査を選択致します。以下に一般的なてんかんの検査料金をご紹介します。
検査の内容 | 料金の目安 |
---|---|
問診・身体検査料 | 5,170円 |
神経学的検査 | 2,750円 |
血液検査 | 8,600円〜 |
合計 | 16,520円〜 |