犬と猫の避妊手術について解説・適切な時期や費用について| 動物医療センターPeco

この記事では獣医師監修の下、犬と猫の避妊手術について、そのメリットとデメリット、手術に適した時期や費用について解説します。

記事の監修者

佐久間龍之助

動物医療センターPeco 獣医師

避妊手術とは？メリットとデメリット

避妊手術とは、卵巣もしくは卵巣子宮を摘出することです。
第一の目的は不要な繁殖をさせないことであり、望まれない子が産まれてくる不幸を防ぎます。
また避妊手術には、以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット1：病気の予防効果が期待できる

避妊手術により、雌性ホルモンの分泌を抑えることで、以下のような雌特有の病気を予防する効果が期待できます。

病名	内容
子宮蓄膿症	子宮に膿が溜まってしまう病気です。主に未避妊の高齢犬によくみられます（猫でもみられます）。重症化すると命に関わります。避妊手術にて防ぐことができます（稀に避妊手術後にも発生することがあります）。
乳腺腫瘍	犬猫ともに、適齢期の避妊手術により発生率を下げることができます。
その他の卵巣疾患	一般に卵巣の病気は多くはありませんが、時に腫瘍などが見られます。避妊手術によって防止できます。

犬と猫の子宮蓄膿症：原因、症状や検査・治療法について解説| 動物医療センターPeco

この記事では獣医師監修の元、犬と猫の子宮蓄膿症の原因や症状そして検査・治療法について解説しています。動物病院に連れて行く前に参考にしてください。

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この記事では獣医師監修の元、犬と猫の乳腺腫瘍（にゅうせんしゅよう）の原因や症状そして検査・治療法について解説しています。動物病院に連れて行く前に参考にしてください。

メリット2：問題行動の抑制ができる

雌性ホルモンの影響による気分不安定、発情期の出血、偽妊娠などを抑えることができます。

逆にデメリットを確認してみましょう。

デメリット1：全身麻酔のリスクがある

避妊手術を受けるには全身麻酔をかける必要があります。

健康な動物であっても、麻酔の危険性はゼロではありません。

ただし、術前に血液検査やX線検査などで、全身状態の評価を行うことで、リスクを最小限にすることは可能です。

デメリット2：術後太りやすくなる場合がある

術後に太りやすくなる理由ははっきりわかっていないこともありますが、主に食欲が増加することや、運動量や代謝の低下などが関係すると考えられています。そのため、術後は体重管理が必要になることがあります。

避妊手術はやったほうがいい？

メリットの方が大きいと考えていますので、繁殖をしない場合には実施することを推奨しています。

メリットとデメリットをしっかりとご理解いただいた上で、決めていただければと思います。

悩まれる場合には、お気軽にご相談ください。

避妊手術をやるならいつ？適した時期

時期は・・・

一般的には、犬では6〜7ヶ月齢・猫では5ヶ月齢で実施します。

大型犬の場合には、1歳齢以降に実施するケースもあります。

適切な時期を過ぎた場合は？

時期を過ぎた場合でも、通常は問題なく手術を行えます。

高齢で手術を実施する場合には、麻酔リスクをより慎重に判断する必要があります。

避妊手術のおおまかな流れ（動物医療センターPecoの場合）

1.事前の診察

獣医師が飼い主様からその子の健康状態や飼育環境、病歴などを聴取します。

身体検査で全身状態を確認し、聴診で呼吸や心拍、心臓や肺の音を確認します。その上で、その子に合った避妊手術のタイミングをご提案します。

2.術前検査を実施

手術のおよそ1週間から数日前までに術前検査を行います。

血液検査

貧血や脱水がないか、肝臓や腎臓などの臓器の状態を評価します。

胸部X線検査

心臓の大きさや形、気管や肺などの状態を確認します。

検査結果のご説明

担当医が術前検査の結果に加え、手術当日の流れや注意事項等についてもご説明します。

術前検査にて何らかの異常や病気が見つかった場合は、治療を優先させていただくこともあります。

3.手術当日

手術当日の朝、体調を確認した上で動物をお預かりします。

朝お預かりして、日中に手術となります。（必ず連絡がとれるようにしておいてください）

4.翌日にお迎え

術後の状態を獣医師が確認した上で、基本的に翌日退院となります。

5.手術後

手術から1週間〜10日前後で、傷口を確認しながら抜糸を行います。

手術後に気になることがございましたらお気軽にご相談ください。

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避妊手術の費用

他の手術とは違い、セット料金でご案内しています。

動物種や体重により料金が異なりますので、詳細はお問い合せください。

犬の避妊手術料金

体重	5kg未満	5kg以上 10kg未満	10kg以上 15kg未満	15kg以上
術前検査	22,000円	22,000円	22,000円	22,000円
避妊手術	54,120円	61,490円	70,840円	87,450円
総額費用	76,120円	83,490円	92,840円	109,450円

※税込金額です

猫の避妊手術料金

項目	料金
術前検査	22,000円
避妊手術	45,000円
総額費用	67,100円

※税込金額です

ペット保険は適用される？

一般的に、ペット保険は病気やケガの治療に対し適用されます。そのため、病気の予防や問題行動の抑制を目的とした避妊手術は、保険適用の対象にはなりません。

補助金

望まない繁殖を防ぐ目的で、自治体によっては猫の避妊手術に数千円程の補助金が出る場合があります。
当院では、渋谷区在住の猫の飼い主様が助成金を受けられるよう、「渋谷区協力獣医師」の登録を行っております。

自治体	補助対象動物	内容
渋谷区	猫	「渋谷区協力獣医師」の病院で避妊手術を受ける場合、以下の条件を満たせば 5,000円の助成金が受けられます。 1.渋谷区内に飼い主が住んでいること。 2.渋谷区内において猫を飼育していること。 3.獣医師に手術可能と判断されること。詳しくは渋谷区のホームページをご覧ください。https://www.city.shibuya.tokyo.jp/kurashi/pet/neko/cat.html

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