この記事では獣医師監修の元、犬と猫のコクシジウム症の原因や症状そして検査・治療法について解説しています。動物病院に連れて行く前に参考にしてください。
犬猫のコクシジウム症とは？
コクシジウム症とは、コクシジウムという原虫（寄生虫の一種）による感染症です。
犬や猫の小腸に寄生し、主に免疫力がまだ十分でない子犬や子猫で、下痢や嘔吐などの消化器症状を引き起こします。成犬、成猫では、感染していても症状が出ない不顕性感染が多いと言われています。
犬猫のコクシジウム症の原因は？
感染した犬や猫の便を介して感染
主に、感染した犬や猫の便の中に排泄されるオーシスト（卵のようなもの）を口にすることにより感染します。
そのため、ペットショップや繁殖施設、保護施設など、多数の犬や猫が飼育されている環境では、特に感染が広がりやすいです。
発症しやすい犬種・猫種
免疫力がまだ十分でない子犬や子猫での発症が多いと言われています。
成犬・成猫では、感染しても症状が出ないことも多いです。
コクシジウム症の症状は？
主に免疫力がまだ十分でない子犬や子猫で、下記のような症状を引き起こします。
・下痢
・嘔吐
・血便
・発熱
気になる症状がある場合はご相談ください
子犬や子猫は、コクシジウム以外にも寄生虫・細菌感染がしばしば見られるため、飼育を始めたら、症状の有無に関わらず、必ず動物病院で糞便検査を受けることが重要です。
JR山手線「原宿駅」徒歩4分 /
地下鉄東西線「神楽坂駅」徒歩1分
東急田園都市線「三軒茶屋駅」
コクシジウム症の検査・診断方法は？（動物医療センターPecoの場合）
当院で実際に行う可能性のある検査についてご説明します。
糞便検査
糞便を顕微鏡で観察して、コクシジウムのオーシストを検出することにより診断します。治療を行った後も、その効果を確認するために何度か検査を行います。
身体検査
下痢や嘔吐に伴って脱水などが起きていないか、全身状態を評価します。
コクシジウム症の治療方法
コクシジウム症は、駆虫薬の内服によって治療します。
脱水など全身状態の悪化が見られる場合には、輸液などの対症療法を同時に行います。
同居動物がいる場合には、感染の可能性を考慮して、感染した犬や猫と同じ治療をすることがあります。
多くの場合、治療により速やかに駆虫することが可能で、重篤化することはあまりありません。
当院がコクシジウム症の診療で心がけていること
子犬や子猫は、コクシジウム以外にも寄生虫や細菌の重複感染がしばしばあり、その場合に重症化しやすいとも言われています。
そのため、検査ではコクシジウム以外の感染有無も確認し、感染が確認された場合には、それらに対する治療も同時に行うことで重症化を防ぎます。
治療の必要性を吟味して、適切な駆虫薬を選択します。
初診時の一般的な検査費用
当院では、病気の診断や状態把握のために、必要と思われる検査を選択致します。以下に一般的なコクシジウム症の検査料金をご紹介します。
| 検査内容 | 料金の目安 |
|---|---|
| カルテ新規開設料 | 1,100円 |
| 初診料 | 4,950円 |
| 糞便検査 | 5,280円〜 |
