ボーダー・コリーってどんな犬? 歴史や体の特徴について

様々な犬種の中でもっとも作業能力が高いとされ、運動神経も抜群なボーダー・コリー。しっかりとしつけをすれば、飼い主の声の大きさから状況を判断できるといわれるほど賢く、人気の犬種です。ここではボーダー・コリーの歴史や特徴についてみていくことにしましょう。

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ボーダー・コリーの歴史

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ボーダー・コリーの起源は定かではありませんが、祖先は8世紀後半から11世紀にかけてスカンジナビア半島を中心に発生したバイキングが、イギリスに持ち込んだトナカイ用の牧羊犬であるといわれています。そこで元からいた牧羊犬などと交配され、現在の形に近くなったと推測されます。原産国はイギリスです。

ボーダー・コリーは、最初の犬種標準ができたのが1906年と遅く、犬種名としてボーダー・コリーという名前が認められたのは1915年。さらに原産国のイギリスで犬種として認められたのが1976年と大変時間が掛かりました。FCI(国際畜犬連盟)の公認にいたっては1987年と、さらに年月が過ぎてからとなっています。

通常の犬種の場合、その容姿や大きさなどに重点が置かれ、犬種標準が定められます。しかし、ボーダー・コリーは、いかに牧羊犬としての作業能力を高めるか、ということに注力して改良が進められていたため、容姿に関してほとんど注目されていなかったのです。そのため、外見やサイズの統一性に欠けており、畜犬団体の公認が遅くなったというわけです。

ボーダー・コリーは、牧羊犬としてヨーロッパを中心に各地に広がりを見せた後、ドッグスポーツや訓練競技会などに参加するようになります。その賢さと運動能力の高さから、ボーダー・コリーは大会ごとに上位を独占し始めました。競技会などでの強さからボーダー・コリーの人気は徐々に高まり、それに後押しされる形で各団体に犬種として認められるようになったのです。

しかし、その前から愛好家が増加していたアメリカでは、ボーダー・コリーを、ショードッグとして見せ物扱いすることに反対する人たちが抗議を起こしたといわれています。このようなことがあり、とくにアメリカケネルクラブに犬種登録されるのには大変な時間が掛かったそうです。

ボーダー・コリーにはもう一つの歴史があります。1873年に初めて牧羊犬・牧畜犬の競技大会が開かれました。その大会で大活躍したのがオールド・ヘンプという名前のボーダー・コリーでした。この時はまだボーダー・コリーの犬種標準ができていない時代です。オールド・ヘンプは姿勢を低くして羊を睨み、まとめるという方法を取る犬で、当時このような方法で羊を誘導する犬は他に例がなく、大変な注目を集めたといいます。オールド・ヘンプはこの能力を買われて、種牡犬として200頭以上の仔犬の父親になったといわれています。

同じように眼力で家畜をまとめる、ケップというボーダー・コリーがいました。オールド・ヘンプと入れ替わるように生まれたケップは競技会で連戦連勝する強さを見せました。ケップもまた種牡犬として多くの子孫を残したのです。そしてこの2頭から産まれた子孫が現代におけるボーダー・コリーの基礎を作り、犬種を確立するのに大いに貢献したのでした。

ボーダー・コリーの体の特徴

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ボーダー・コリーは中型犬の部類に属しています。オスが体高53~55㎝、メスが体高50~52㎝程度になります。体重はともに14~20kg程度になります。牧羊犬として活躍していたこともあり、がっしりとした体つきをしているのが特徴です。

被毛はダブルコートで、長毛タイプと短毛タイプが存在します。毛色は様々なカラーが認められていて、ブラック&ホワイト、ブルー&ホワイト、レッド&ホワイトなど日本だけでも30種を超える毛色が認められています。ただしホワイトが優勢である個体は遺伝子的に好ましくないといわれています。

ボーダー・コリーの顔の特徴

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ボーダー・コリーは中頭種の部類に属しています。フレーズという鼻筋から頭にかけてみられる白い毛が特徴で「面ずれ」や「パンダ」と呼ばれる様々な模様を作り、ボーダー・コリーの表情を作っています。

耳の形も様々で立ち耳、垂れ耳、片方だけ垂れているなどそれぞれのボーダー・コリーで個性が異なります。

非常に活発で賢いボーダー・コリーはしっかりとしつけをすれば、他の犬種とは一味違う素晴らしいパートナーになることができます。ルーツと特徴を理解し、しっかりと向き合うようにしましょう。

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