小さくても理知的でパワフル、シェットランド・シープドッグの特徴!

小さくても理知的でパワフル、シェットランド・シープドッグの特徴!

「シェルティー」という愛称で親しまれているシェットランド・シープドッグ。美しく優雅な被毛と、理知的な顔立ちが優しく、一度は飼いたくなる人が多いようです。コリーの小型版として一気に人気が出ましたが、実際にはどんな犬なんでしょうか?

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    kana
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1.概要

シュッと細く聡明そうな顔立ち、胸と尻尾の飾り毛と長い被毛を優雅になびかせて歩くシェットランド・シープドッグ。愛好家の間では「シェルティー」と呼ばれて親しまれています。

2.歴史

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シェットランド諸島はイギリス・ブリテン島の北西部にあり、最大の島であるメインランド島を中心におよそ20,000人の人が住んでいます。

シェットランド・シープドッグはこのシェットランド諸島を原産地とし、そこからこの名称が付けられました。外見はコリーと大変よく似ていて、コリーの親戚だと思われがちです。実際のところは、ここに持ち込まれたコリーにスピッツやスパニエルなどを交配させて誕生し、血縁上のつながりは薄めになっているそうです。

シープドッグという名の通り、元々は牧羊犬として活躍していました。相手にしていたのは羊だけではなく、牛や豚、ニワトリなど多岐にわたり、牧畜兼特有の俊敏さとスピード、忍耐力を兼ね揃えていた万能兼犬だったとも言われています。

シェットランド諸島は大変気候が荒く、牧草地となる土地も限られており飼料も不足がちな環境でした。そのため家畜もサイズが小さく、それに順応するようにシェットランドシープドッグも小型化していったといわれています。

この犬がヨーロッパ本土で注目を浴び始めたのは19世紀の終わりごろで、イギリスの海軍が演習のためにシェットランド諸島に立ち寄るようになると、この犬が盛んにイギリス本土に持ち込まれるようになり、血統が確立されます。

もともとシェットランド諸島では農場の犬を意味する「トゥーニー・ドッグ」、また当初のイギリスでは「シェットランド・コリー」と呼ばれていましたが、コリーの愛好家団体の抗議により正式にシェットランド・シープドッグの名前が付けられたのは1914年でした。

3.身体的特徴

■体高:(牡)37cm (牝)35.5cm
■毛色:セーブル、トライカラー、ブルーマール、ブラック&ホワイト、ブラック&タン
(JKCの基準)

シェットランド・シープドッグがイギリスで認定されはじめたころ、ショータイプと作業犬タイプの2種類が混在しており、大きさもまちまちでした。このため、現在では容姿の統一を図るために体高の規定は厳しく定められています。大型のラフ・コリーと比べて半分ほど、ボーダー・コリーと比べてやや小さい程度です。

鼻筋はシュっと通っていて、凛とした顔立ちながらも愛らしい瞳をしています。耳が半分垂れているのもなんとも可愛らしいですね。毛色はトライ・ブルーマール・セーブル・バイブラック・バイブルーの5色で、セーブルが最もポピュラーです。目の色は褐色が多いですが、毛色がブルーマールの場合はシルバーかブルーになる傾向にあるようです。

4.性格・気質

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明るくて活発、もの覚えもよく、言っていることを理解しようとしてくれます。家族にはとても従順で甘えん坊ですが、知らない人に対して警戒心を持っているため、すぐに懐くことはほとんどありません。

また、牧羊犬だったことから運動するのは大好きです。毎日、たっぷりの運動量を確保してあげることで穏やかな性格になってくれるでしょう。

5.しつけ

無駄吠え

牧羊犬だった名残がある上、スピッツ系の血が混じっているからか、比較的吠えやすいことが玉にキズです。小型化された犬ゆえの神経質さもあり、吠えグセにはきちんと対応しなければなりません。無駄吠えを叱る際は「何に対して吠えているのか」を見極めて対応していきましょう。

噛み癖

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同様に噛み癖も出やすいです。牧羊犬は羊の足に噛みついて方向転換をさせていたので、遊んでいて興奮してくると、かかとに噛み付いてくることがあります。

興奮しても即座に冷静にさせる訓練をした方が良いでしょう。興奮してきたら「オスワリ」「マテ」など一旦遊びなどを止め、落ち着いたら再開するといざという時でも即座に冷静になれます。また噛んできた時も、甘噛みの内からやめさせるようにしましょう。

噛んで良いのはおもちゃだけ。手や服などを噛んだらやめさせ、やめたら褒めるなどを繰り返します。

6.お手入れ

ブラッシング

シェットランド・シープドッグは皮膚が弱い犬種です。ブラッシングなどのお手入れを怠ると、皮膚疾患になりやすいでしょう。シェットランド・シープドッグで一番に挙げられるデメリットが抜け毛、と言われるくらいなので、それは覚悟した方が良いのかもしれません。

長くて綺麗な被毛を保つためにも毎日ブラッシングしましょう。コームやスリッカーブラシで抜け毛を取り除きます。特にお尻や脇の下、耳の付け根などはこすれやすく、毛玉になりやすいので丁寧にブラッシングします。

シャンプー

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シャンプーは通常月1回程度でOKですが、夏場や換毛期には2週間に1回程度に頻度を上げてもよいでしょう。最初はお湯に慣らすことから始め、シャンプーは必ず刺激の弱い犬用のものを使用します。指先や指の腹で体の隅々まで丁寧に洗い、洗い流す際はシャワーのノズルをなるべく体に近づけましょう。終わった後は必ずタオルで拭き、ドライヤーの風を軽く当てて乾燥させましょう。

耳掃除・歯磨き

耳掃除をする際は、耳の奥を傷つけないように気をつけながら、イヤーローションを染み込ませた柔らかい布などで優しくふき取りましょう。歯磨きは歯ぐきを中心に、優しく汚れを落としていきます。どちらも嫌がる犬は多いので、まずは顔に触られることから少しずつ慣らしてあげてください。

7.かかりやすい病気

甲状腺機能低下症

シェットランド・シープドッグは甲状腺機能低下症に特にかかりやすい犬種です。甲状腺はのどの部分にあり、甲状腺ホルモンを分泌して全身の細胞の代謝を上げるための器官で、これの機能が低下する病気が甲状腺機能低下症です。

甲状腺機能低下症にかかると、元気消失、腹部の左右対称の脱毛、異常に寒がる、発情周期の不順、不自然な歩き方などといった症状が表れます。致死率は低く食欲も旺盛であるため、飼い主はこうした症状が出ても加齢のせいと考えてしまうことが多く、またすぐに診断を下すことも難しい場合があります。

かかりやすい犬種だということをあらかじめ知っておき、特に6~7歳ごろになったら健康状態を常にチェックするようにしましょう。

コリーアイ症候群

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コリーアイはシェットランド・シープドッグ以外にもボーダー・コリー、オーストラリアン・シープドッグなどのコリー系に特有の遺伝性の眼球の疾患で、眼球の外側にある強膜の一部が外側に拡張して網膜などにも影響が出る強膜拡張症、眼内出血、網膜剥離、脈絡膜の形成不全などの様々な症状が出ます。

治療法は現在のところ存在しないため、発病した犬を繁殖に用いないことが重要です。家族に迎える際は両親の病歴を確認するようにしましょう。

イベルメクチン中毒

フィラリアの予防薬であるイベルメクチンは犬の平均寿命の向上に大きな役割を果たした薬ですが、コリー系の犬はこの薬を服用すると副作用が強く出るケースがあることが知られています。予防に使用する程度ならば問題はありませんが、治療薬として使用する場合は多量を用いることがあるので注意しておきましょう。

さいごに

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『シェルティーは目で話す』と昔から言われるように、彼らは非常に理知的で、表情の豊かな賢い個体が多いです。初めて犬を飼う人でも、そういう面では飼いやすいと言える犬種でしょう。

その反面、牧羊犬だった事をちゃんと理解して向き合わないと、「想像と違った」「こんなに吠えると思わなかった」などという、人間側の勝手な落胆につながる事が多いようです。

しっかり躾けられ、一緒に遊んだりすることが好きな人には向いている犬種でしょう。家族と一緒にいる事が大好きな犬なので、愛情をかけた分だけ愛情を示してくれる素晴らしい家庭犬だと思います。

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