【獣医師監修】もしかしてうちの子ってデブ猫? 肥満の原因と判定方法について
ちょっとふっくらした猫というのは何とも愛嬌のあるものですが、この“ふっくらした”体格は、猫の心臓や関節に大きな負担をかけてしまうリスクがあります。そこで今回は、猫が肥満になっていないかどうかをチェックする方法を紹介します。
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長
猫が肥満になる原因
まず、猫が太ってしまう、肥満になってしまう原因には、どのようなものがあるのでしょうか?
キャットフードの与えすぎ
キャットフードの量が多すぎると、カロリーの過剰摂取により太ってしまいます。猫の体重・体質によって、1日に摂取していいカロリーの目安があるので、キャットフードのパッケージに記載されている推奨量をチェックし、適正な量以上のフードは与えないようにしましょう。
キャットフードの原料
激安のキャットフードは穀類が主原料の場合が多いのですが、これが肥満の原因になることがあります。というのも、トウモロコシ粉や小麦はエネルギー代謝が悪いので、内臓脂肪がつきやすくなってしまいます。よって、糖尿病や脂肪肝になるリスクが高くなります。
年齢とキャットフードの不一致
猫は、歳を重ねるにつれて運動量が少なくなることから、カロリーの消費量も低下していきます。成猫になっても仔猫時代と同じ量のキャットフードを食べさせ続けていると、みるみるうちに太ってしまったというケースがよくあります。猫の年齢に合わせて、最適な栄養バランスになるようキャットフードの変更も検討しましょう。
運動量の減少
性格によっては運動が嫌いな猫もいますが、運動をしないのは肥満の原因になってしまいます。猫が自ら動きたがらないようであれば、キャットタワーを設置したり、飼い主側から積極的に運動を促したりすることが必要になります。自然に猫の運動量が増えるような工夫を考えて、肥満を防止しましょう。
避妊・去勢手術後
猫が避妊・去勢手術をした後は、運動量やカロリー代謝が落ちるといわれています。そのため、手術前と同じ量のフードを与えていると太ってしまうことがあるので、手術後は量を減らすか、カロリーが低めのフードに変えるようにしましょう。また、運動量が減らないように、コミュニケーションも積極的にとるようにしましょう。
猫の肥満の判定基準
それでは、猫の健康的な体重とはどのくらいなのでしょうか。猫の種類や性質によっても異なりますが、およそ3~5kgが平均体重となります。もともと立派な体格を持つ猫の場合でも、7~8kgが上限の目安です。逆に小柄な品種では、3kg以下でも健康な猫もいます。
また、その個体の理想体重を「生後1年後の体重」とし、「その体重の1.2倍以上になったら肥満」という基準もあります。仔猫の頃から飼っている場合は、1歳になった時の体重を記録しておき、肥満チェックに役立てましょう。たとえば、1歳の時に4kgだったとすると、1.2倍の4.8kgを超えると肥満状態なので、改善策をとらなければなりません。
体重を測るだけでなく、猫に触れてカラダつきをチェックすることも重要です。猫を触った時に、頭蓋骨・背骨・脇腹・骨盤など基本的な骨格部分の「骨」の存在を感じられれば、標準的な体型を保っていると考えられます。逆に、脂肪がつきやすい首や、前足の付け根を触った時に肉の塊がみられた場合は、肥満状態になっている可能性があります。
猫の肥満を予防するためには、飼い主も意識を高く持たなければいけません。
肥満は、糖尿病・心臓病・関節炎など様々な病気のリスクを高め、猫の健康を脅かします。定期的に肥満チェックを行い、フードの量や運動量を見直して、猫の肥満予防に努めましょう。
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