【獣医師監修】犬のしゃっくりが止まらない? 止め方や原因、考えられる病気と予防法について
横隔膜の痙攣により、「ヒック」となってしまう症状…これをしゃっくりと呼びますが、人間同様犬もしゃっくりをします。人でも犬でも生理現象のひとつと考えられることが多いですが、しゃっくりが病気のサインになっていることがあります。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
犬がしゃっくりをする原因
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犬のしゃっくりも、直接的な原因は横隔膜の痙攣によるものです。横隔膜は外部から刺激を受けることにより痙攣しますが、どんなことが横隔膜への刺激となるのでしょうか。
胃が拡張したとき
■食べ物を急いで食べ過ぎたとき
犬が急いで食べ物をどんどん胃の中に入れていくと、横隔膜がびっくりして痙攣を起こしてしまいます。犬の性格によって、なかなか早食いを止めてくれないこともありますので、この場合は食事の回数を分けたり、早食いが出来ないようなデコボコした容器を使ったりするなどして、一度に口に入れられる量を調整します。
■食べるときに空気を一緒に飲み込んでしまうとき
早食いでも空気を飲み込みますが、短頭種などで鼻呼吸がうまくできない犬では、口呼吸の際に空気を一緒に飲み込んでしまうことがあります。
■胃内でガスが発生しているとき
胃腸の動きが悪くなったり、食後すぐに運動をしたり、食べたものの影響でガスが発生することがあります。フード変更のタイミングでしゃっくりをするようになった時は、もとのフードに戻してみるのもいいでしょう。
胃が冷えすぎたとき
■冷たい食べ物や飲み物を飲んだとき
冷たいものが急に胃に入ってくると、横隔膜が刺激を受けて痙攣することがあります。夏場で暑いからといって、氷の入った水などを与えすぎるのは控えましょう。
病気が原因になっているケース
・横隔膜付近の臓器の腫大・腫瘍
・消化管内寄生虫
・呼吸器疾患 など
まれに、就寝中に「ポワッ、ポワッ」としゃっくりを繰り返す犬がいますが、これは寝言に近いものである可能性が高く、それほど気にする必要はないでしょう。
犬のしゃっくりを止める方法
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一時的な要因によるしゃっくりは数分で自然に止まることも多いですが、少し苦しそうにしているとき時は、以下のような方法で止めてあげましょう。
みぞおちをやさしくマッサージする
横隔膜に近いみぞおちをやさしく押したりなでたりしてあげることで、横隔膜の痙攣が少しずつ収まります。このマッサージを何度か繰り返すと、しゃっくりが止まることがあります。
何かを口にするよう促す
おやつや水など何かを口に入れると、犬は呼吸を整えようとします。呼吸のパターンを変えることで、しゃっくりが止まることがあります。
軽い運動をする
これも呼吸のパターンを変える方法のひとつです。過度な運動では余計に苦しくなってしまいますが、軽い運動で呼吸のパターンを変えることが、しゃっくりを止めるきっかけになります。
犬のしゃっくりを予防する方法
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このように、しゃっくりが病気のサインになっていることがありますので、普段の生活をよく観察しておくことが大切です。
しゃっくりを予防する方法としては、なるべく落ち着いて食事を食べさせることや、冷たいものは与えないこと、食後は休ませることなどが挙げられます。
あまりに続く時には、身体に異常がないか動物病院で診てもらうと安心ですね。