猫の低血糖症 考えられる原因や症状、治療法と予防法

人間の健康を保つために、よく聞かれる血糖値ですが、この血糖値が低くなりすぎてしまうことで発症する低血糖症(ていけっとうしょう)は、猫にも起こります。低血糖症の症状や原因、治療法、予防法についてみていきましょう。

  • サムネイル: ひなた ふゆみ
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

低血糖症の症状

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低血糖症とは、血液中の糖分が減少し、様々な症状を起こしてしまう状態のことをいいます。本来、血液中には糖分が含まれており、その糖分がカラダの至るところに回ることで、カラダが通常に機能するようになっています。その糖分が減少してしまうのが、低血糖症です。低血糖症を発症すると、カラダに栄養が行き届かなくなるため、様々な障害が起こります。低血糖症が原因で起こる症状には、自律神経系の症状と中枢神経系の症状があります。

自律神経系の症状

血糖値が急激に減少することで、自律神経に影響を及ぼします。全身の震え、気が動転する、動悸、失明などの症状が挙げられます。

中枢神経系の症状

血糖値がゆっくり減少していくと、中枢神経系の症状が強く現れます。意識の混乱、ふらつき、ぐったりする、怒りやすくなる、痙攣、昏睡などがおもな症状として挙げられます。

症状は、軽度のものから重度のものまで様々です。重篤化した場合は、回復が難しいほど脳に損傷を受けるケースがあり、最悪の場合、命を落としてしまうこともあります。

低血糖症の原因

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低血糖症を発症する原因は様々です。また、猫の年齢によって原因は異なり、若い猫よりも老猫の方が発症しやすくなります。

1歳未満での発症

1歳未満の仔猫が低血糖症を発症した場合、カラダの冷え、空腹、内臓による栄養吸収不良などの原因が考えられます。とくに、生後間もない仔猫は、半日程度の絶食で簡単に低血糖症を発症してしまいます。

1歳以上での発症

1歳以上の猫が発症する原因としては、空腹や栄養失調などが挙げられますが、そのほかにも極度の興奮や、運動のしすぎが原因となるケースもあります。

高齢での発症

7歳以上の高齢の猫が発症した場合、基礎疾患が存在する可能性があります。低血糖症の原因となる疾患には、膵臓の腫瘍、糖尿病、不整脈、胃下垂、肝不全、肝がんなどが挙げられます。これらの疾患が直接の原因となっている場合と、疾患の治療の副作用により低血糖症になっている場合があると考えられます。

糖尿病の猫の場合

先述した病気の中でも、とくに糖尿病を患っている猫は、低血糖症を発症する可能性が高い傾向にあります。糖尿病の治療にはインスリンを使用しますが、投与するインスリンの量が多すぎると、血糖値が急激に低下し、低血糖症を発症してしまうからです。また、糖尿病の猫の場合は、健康な猫では正常な血糖値でも、低血糖症を起こす場合があります。

低血糖症の治療方法

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猫の低血糖症は、早期に発見し、しっかりと治療することで回復が見込めます。しかし、何らかの疾患が原因で低血糖症を発症している場合、その疾患の進行具合によっては、低血糖症と長く付き合っていかなければならない場合もあります。

糖分を補給する

低血糖症のおもな治療方法は、糖分を補給することです。消化のしやすい食事を与えたり、ブドウ糖溶液を口の中に塗ったりすることで、血糖値を安全なレベルにまで上げていきます。ブドウ糖溶液がない場合は、ガムシロップなどで代用もできますが、獣医師とよく相談してから与えましょう。

基礎疾患の治療

低血糖症の原因が、ほかの疾患にある場合、基礎疾患の治療を優先します。著しく衰弱している場合には、点滴や輸液などが行われます。

低血糖症の予防方法

血糖値を下げすぎないように、日頃から注意することが大切です。空腹の時間が長くならないように、こまめに食事を与えるほか、猫のカラダが冷えないように、環境を整えてあげることが大切です。糖尿病の治療でインスリンを投与している場合は、投与量には細心の注意を払いましょう。

低血糖症は、すべての年齢の猫が発症する可能性があります。普段から飼い猫の様子をよくチェックし、異変があれば、すぐに動物病院で相談してください。

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