幸せを呼ぶ猫? 人なつっこさ全開の黒猫と暮らそう!
猫には、種類によって性格の違いがあることは知っている人も多いことでしょう。しかし個体差はありますが、被毛の色や柄によっても性格が異なるという説もあるようです。 今回は、全身が黒一色の被毛で覆われた黒猫の性格について、多くの飼い主が抱いている印象を紹介します。
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黒猫は不吉? いいえ、幸せを呼ぶ猫です!
夜、暗闇の中でくっきりと光る猫の目に、驚かされた経験を持つ人は少なくないでしょう。とくに黒猫は、目以外の全身がすっかり闇に溶けてしまうので、余計に不気味な印象を抱かれがちです。
また、おとぎ話や物語によって「魔女の使い魔」というイメージが定着しているため、どうしても黒猫=不吉と考えてしまう人がいるようです。とくに欧米では、かつて黒猫を不吉の象徴と考えていた国もあり、魔女狩りなどによって黒猫が殺されてしまうこともあったそうです。ちなみに、黒猫に目の前を横切られると縁起が悪いという日本の迷信も、ヨーロッパの魔女にまつわる伝承がルーツになっているという説があります。
しかしその一方で、「黒猫が横切ると幸運がくる」というまったく逆の言い伝えが存在するのも、黒猫のユニークなところです。江戸時代には「黒猫を飼うと結核が治る」という迷信もあり、新撰組の沖田総司もこれを信じて黒猫を飼っていたといわれています。そしてじつは、夏目漱石の名作「吾輩は猫である」のモデルも自宅に迷い込んできた黒猫です。また、「夢に黒猫が出てきたらいいことが起こる」というジンクスを聞いたことがある人もいるでしょう。
この「黒猫=幸運の象徴」というイメージの象徴といえるものが、「黒い招き猫」です。黒い招き猫には魔よけや厄除けなど、災いから遠ざけてくれる効果があると信じられています。
ちなみに、上写真のように白いスポットが入った黒猫を見たことはありませんか? 黒猫の胸やお腹などにある白い毛の部分は「エンジェルマーク」と呼ばれており、「神様が触れた」という言い伝えから縁起が良いとも言われています。
初心者におすすめ? 黒猫の性格について
「猫は毛色や模様によって性格が違う」という話を聞いたことがある人も多いでしょう。実際、猫の性格を研究している科学者もいますが、結論からいうと、現段階では猫の毛色や模様と性格の関係性を立証する根拠は見つかっていないようです。
とはいえ、猫と人間は1万年ほど前から共同生活を営んでいたといわれており、その間猫と関わった多くの人間が「猫は毛色や模様によって性格が違う」という共通認識を持っていることを考えると、猫の毛色や模様と性格は、あながち無関係とはいえないかもしれません。
それでは、実際に黒猫を飼育した経験を持つ人が思う「黒猫の性格」とはどのようなものなのでしょうか。
性別によっても異なりますが、黒猫は一般的に穏やかで甘えん坊、そして賢いという印象が強いようです。しかし、現在のところその理由は解明されておらず、猫種や遺伝、育った環境に左右される部分が大きいと考えられています。そのため、被毛の色や柄による性格の特徴については、「おおむねそういう傾向がある」程度の認識として覚えておくとよいでしょう。
黒猫は人懐こくて飼いやすい?
上述の通り、猫の被毛の色や柄と性格の関係性については立証されておらず、猫の性格は猫種や遺伝、育った環境に左右される部分が大きいと考えられています。そのため、黒猫だからと言って、必ずしも「人懐こくて飼いやすい」という印象に当てはまるわけではありません。
ちなみに、黒(ブラックソリッド・ブラックスモーク等)のカラーが認められている猫種で言うと、スコティッシュフォールドやアメリカンショートヘア、マンチカンは人懐っこく、初めて猫と暮らす人でも比較的お世話がしやすいといわれています。また、長毛種ではメインクーンやノルウェージャンフォレストキャットなど、大型の猫種が温厚な性格として知られています。
ただし、猫の性格には個体差があります。たとえ同じ環境で育った兄弟の猫でも、違う性格になるのが当たり前。黒猫に限らず、猫を家族に迎え入れる際には、その猫の個性をしっかりと理解し、お互いに唯一無二のパートナーになることを心がけてください。