【獣医師監修】動物病院でかかる猫の治療費。その目安はどのくらい?

猫が病気やケガをした時、様子がおかしいけれど、どうすればいいのかわからない時など、頼りになるのはやっぱり動物病院ですよね。ただ、気になるのは受診や治療にかかるお金。猫を動物病院に連れて行く際の費用の目安を紹介します。

  • サムネイル: PECO編集部
  • 更新日:

監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

基準のない動物病院の治療費

動物,犬,猫,しつけ,飼い方,育て方,病気,健康


出典 Lapina/Shutterstock.com

猫の治療や受診にかかるお金は、飼い主が思っているより高額である場合が多いと思います。また、実際にどれくらいかかるのか、わかりづらいものです。とくに、日本は国民保険のため、人間の医療費は保険適用内の診療であれば自己負担は3割と大変安いので、動物の治療費は非常に高額に感じられると思います。ですが、3割負担を10割負担に計算してみると、人の医療費よりも実際には安いことがわかると思います。

そうはいっても、10割負担は大変なので、ペット保険を利用する飼い主も増えています。保険会社にもよりますが、動物病院の支払の際にその場で自己負担分のみ支払う場合と、一度10割全額を支払い、後ほど保険会社に請求する場合があります。
また、補償割合は保険会社によって異なりますが、診察費の5割~7割程度が一般的です。ペット保険に加入する場合は補償割合のほか、契約条件や免責事項をしっかりと確認しましょう。

動物病院は自由診療であり、受診料や治療費などの明確な基準がありません。これは、診療などに対して基準となる価格を決めたり、獣医師同士で料金を決めたりすることが、法律で禁じられているからです。つまり、受診、治療、薬などに関わる金額は、それぞれの動物病院が自由に設定できることになります。同じ薬をもらっているのに、病院によって金額が違うのはこのためです。

ペット保険にも加入しておらず、価格設定も病院の自由で、全額自己負担となれば、請求書を見てびっくりしてしまうのも無理はないかもしれませんね。

動物病院の治療費の相場

動物,犬,猫,しつけ,飼い方,育て方,病気,健康


出典 Elnur/Shutterstock.com

それでも、愛する猫のために、動物病院へ連れて行くことは避けては通れません。せめて、ある程度の相場くらいは知っておきたいところです。日本獣医師会が発表している、家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査によると、下記のような金額となっています。

●初診料 1,386円
●往診料 2,232円
●時間外診察料(平日) 2,234円
●時間外診察料(深夜) 4,513円
●ワクチン(3種混合) 4,474円
●ワクチン(4種混合) 6,514円
●入院料 1日2,619円
●入院料 ICU 3,788円
●輸血料 10,283円
●去勢費用 12,652円
●避妊費用(卵巣子宮切除) 20,986円
●レントゲン 3,931円
●歯石除去 8,849円
●全身麻酔 10,020円
●爪切り 725円
※平成27年度調査
※平均的な価格を表示

さらに各保険会社が発表しているデータによると

●紐などの誤飲で腸閉塞を起こした場合
検査・手術・入院 150,000~200,000円
●歯周病の治療
麻酔・歯石除去 10,000~30,000円
●結膜炎により、目ヤニで目が開けられない状態の治療
診察・点眼薬の処方 8,000~10,000円
●嘔吐を繰り返し、胃腸炎と診断された場合
検査・診断・薬代 50,000~70,000円
●骨折
検査・手術・入院・通院 200,000~250,000円(骨折箇所により変動)

となっています。

上記はあくまでも平均金額なので、どこの病院に行くかによって実際の金額は変動します。また、それぞれのケガや病気診療に強い病院などは、費用もさらに変動することでしょう。ただ、目安として、ある程度の金額を知っているだけでも、病気に対する備えや日々の健康管理の見直しにつながるなど、愛猫に対する意識は高まると思います。

わからないことが多い動物病院の費用。病院側が自由に設定できる以上、具体的な金額は、その時になってみないとわからないものですが、いざという時の備えとして、把握しておきたいところです。治療費をサポートしてくれるペット保険への加入を検討するのもいいでしょう。愛する家族の身に何が起こっても、取れる手立ては考えておきたいものです。

内容について報告する