【獣医師監修】マルチーズのカット(トリミング)の種類と注意点
真っ白な被毛が人気のマルチーズ。マルチーズのような長毛犬を飼う時の楽しみの一つは、トリミングです。マルチーズのカットスタイルには様々なパターンがあるので、飼い主としてもおしゃれに気合が入ってしまいますね。そこで今回は、マルチーズのカットスタイルを紹介していきます。
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長
マルチーズってどんな犬?
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マルチーズのトリミングを行うにあたり、まずはその歴史や特徴についておさらいしておきましょう。
マルチーズの起源となった犬は、紀元前1500年という古い時代から、ペットとして人間と共同生活を送っていたといわれています。当時はいろいろな毛色のマルチーズがいたようですが、後年になって一番人気の高かった白に統一されました。
地中海のマルタ島が原産であることから「マルチーズ」との名前がついたといわれており、中世の時代には、とくにフランスの貴族に愛されたそうです。そのマルチーズの一番の特徴といえば、真っ白な被毛の美しさ。様々なカットスタイルを楽しめる犬種です。
マルチーズのカットの種類
まんまるお顔カット(テディベアカット)
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定番ともいえるまんまるお顔カットは、カット後の見た目がテディベアに似ていることから「テディベアカット」とも呼ばれます。耳の毛の長さで雰囲気の変化を楽しめますが、顎のラインで丸くカットするのが一般的です。
パピーカット
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仔犬のようなふわふわな仕上がりのパピーカットは、すきバサミを利用して毛の長さを適度にカットしたスタイルです。とはいえ、それなりの毛の長さがあるので、毛玉になりやすいというデメリットがあり、毎日のブラッシングが不可欠です。
エレガントカット
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顔は丸く、耳は長めにする、女の子らしい上品なカットスタイルです。マルチーズはシングルコートと呼ばれるオーバーコート(上毛)しかない犬種なので、被毛を短くしすぎると肌が透けてしまうため、カットのしすぎには注意が必要です。
サマーカット
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顔は丸く、耳の毛は耳の形なりに三角にカットするサマーカットは、男の子向けのスタイルです。全身を短くカットするとお手入れが楽になるだけでなく、暑い時期の熱中症対策や、服を着せやすくなるというメリットがあります。
フルコート
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被毛をカットせず、たっぷりの長さと量を保持しておくスタイルがフルコートです。マルチーズはもともとフルコートの状態で飼育するのが一般的でしたが、最近は様々なカットスタイルを楽しむ飼い主が増えてきています。ちなみに、ヨークシャーテリアやシーズーなどもフルコートで飼育することが多い犬種として知られています。
フルコートのメリットは、防寒対策になることです。その反面、お手入れが大変というデメリットがあります。
アレンジカット
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顔は丸くカット、トップノットだけを伸ばすというアレンジカットもあります。カラダをフルコートにしておくとお手入れは大変ですが、三つ編みや二つ結びにするなど、様々な楽しみ方ができるスタイルです。
ライオンカット
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マルチーズでは珍しいスタイルですが、首の回りの被毛だけを長く残し、ライオンのたてがみのようなデザインをつくるカットです。
マルチーズのトリミングの注意点
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マルチーズは古代から人間と共同生活を送ってきた犬種なので、性格的に飼育しやすいことで知られていますが、被毛のお手入れには充分に手間をかけてあげる必要があります。毎日のブラッシングを怠ると、毛玉ができたり、皮膚病になってしまったりと、健康面にも悪い影響を与えるので注意してください。
マルチーズのトリミングカット自体は決して難しいものではないので、飼い主が自分でお気に入りのスタイルに整えてあげることもできます。ただし、慣れるまではプロのトリマーに任せて、コツややり方を教えてもらいましょう。