チベタン・マスティフってどんな犬? 歴史やカラダの特徴について
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チベタン・マスティフってどんな犬? 歴史やカラダの特徴について

ライオンのような貫禄のある風貌と、大きなカラダが特徴的なチベタン・マスティフ。中国で、約1億5000万円という破格の値段で落札され、話題になりました。ここでは、チベタン・マスティフの歴史とその特徴についてみていくことにしましょう。

  • サムネイル: ひなた ふゆみ
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チベタン・マスティフの歴史

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チベタン・マスティフは、チベットを中心とするヒマラヤ山脈で、遊牧民と共に暮らしてきた犬です。チベットやネパール、中国、モンゴルなどで、家畜やテント、修道院、村、宮殿などを守る番犬として、その役割を果たしてきたといわれています。

中国で発見された、チベタン・マスティフの原種(古代チベタン・マスティフ)の頭蓋骨は、紀元前1100年頃のものと推測されており、遥か昔から存在していたと思われますが、その祖先や来訪については、はっきりとしたことはわかっていません。

モンゴル帝国の初代皇帝であるチンギス・ハンは、遠征の際に3万頭ものチベタン・マスティフを、軍用犬として引き連れていたといわれています。また、ヴェネツィア共和国の商人だったマルコ・ポーロが中央アジアを旅した際に、チベタン・マスティフと遭遇し、その大きさに驚愕したことが、後の「東方見聞録」に「ロバのように背が高く、ライオンのような力強い咆哮を兼ね備えた犬」として記述されています。これがきっかけとなり、チベタン・マスティフと呼ばれるようになりました。

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チベタン・マスティフは、1800年代半ばにイギリスへと輸出されるようになります。1828年にイギリスのジョージ4世が、チベタン・マスティフをロンドン動物園に寄贈し、1847年には、インド総督からヴィクトリア女王へ献上されました。1875年にはウェールズの王子が、「Alexandra Palace Dog Show」に自らが輸入したチベタン・マスティフを披露したなどの記録が残っています。

その後、戦争へ突入すると、人々のチベタン・マスティフへの関心は薄れていき、イギリス国内では、ほぼ絶滅状態に陥ります。また、1955年に中国とチベットが併合すると、「すべてのチベタン・マスティフを殺せ」との命令が下り、原産国のチベットでも個体数が激減してしまいます。しかし、すでにヨーロッパや、アメリカへ渡っていた個体をもとに計画繁殖され、絶滅の危機は脱することができました。

2006年になって、ようやくアメリカンケネルクラブに犬種登録され、その後、中国でも国家第二類保護動物に指定されました。現在でも、チベタン・マスティフの純血種は大変希少で、全世界でも200頭に満たないといわれています。

チベタン・マスティフのカラダや顔の特徴

チベタン・マスティフの体高は、オスが66㎝以上、メスが61㎝以上にもなり、大型犬の中でも、とくに大きなカラダの犬種です。非常に骨太で、体格もいいです。見た目の迫力と、どっしり構えて物怖じしない雰囲気は、チベタン・マスティフ独特のものといえるでしょう。個体によっては、体重が100kgを超えることもあり、成人男性よりもはるかに大きくなります。

被毛はダブルコートとなっており、オーバーコートは真っすぐの長毛、アンダーコートはやわらかい毛が密生しています。また、首周りの厚い毛が特徴的で、「獅子型」「虎型」などのタイプに分けられます。毛色は、ブラック、ブラウン、グレー、レッド系など様々で、タン(ポイントカラー)の入り方も多様です。

チベタン・マスティフは、頭蓋骨が大きく、首周りの被毛も豊富ですので、頭が大きく見えます。耳は垂れ耳になっています。

チベタン・マスティフは、番犬として用いられていたため、知らない人間への警戒心が非常に強い犬です。カラダがとても大きくなるので、しつけがままならないまま成犬になると、大変なことになってしまいます。日本では純血種のチベタン・マスティフは手に入りにくく、さらに高額で取引されているため、「買う」ことも「飼う」ことも難しい犬種といえるでしょう。どうしても飼いたいと思う場合は、飼育するための費用がかさむことや、超大型犬を飼育する能力が必要であることを覚悟し、飼育環境を整えて迎え入れるようにしましょう。

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