猫オーナー必読! 獣医師が教えてくれた 動物病院を上手に 活用するアイデア10

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「ペットの定期健診に行ったり未病段階で病院に行けば、早めに病気を見つけて治療できて医療費が抑えられる」ということは、ペットの飼い主ならだれでもわかっていることです。でも、とくにネコの場合は、四苦八苦しながらキャリーケースに入れたり、病院での待ち時間中もミャーミャー鳴いて震えている様子に「大丈夫!?」と不安になったりで、診察を受ける前にすでに飼い主さんのほうがぐったり・・・ということも多いはず。「ネコと病院をもっと身近で気軽な関係にできるコツはないですか?」獣医師にお聞きしてみました。
なるほど!のアイデア満載です。

「アニクリ24」院長 三宅亜希先生

「アニクリ24」院長 三宅亜希先生


「アニクリ24」は、獣医師が、24時間365日 犬猫に関する相談に対応してくれる電話相談専門の動物病院。10年前の創立以来、毎年相談件数が増加して、いまでは毎月約2500件の相談コールに対応しています。院長の三宅先生が今までに受けた相談はなんと累計1万件以上。

動物病院は、飼い主にとっても ハードルが高い!?

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PECO 「アニクリ24」は24時間365日相談できるので心強いですね。やはり深夜の相談が多いのでしょうか?
先生 じつはいちばんコールが多い時間帯は、朝と夜の8~9時台。出勤前に「会社に遅刻してでも連れていったほうがいいか」、または帰宅して「その日中に病院に連れて行くべきか」を相談されるお勤めの方が多いですね。
PECO 昼間はどんな相談が多いのですか?
先生 ペットを飼い始めた方のしつけやフードに関する相談、それと、動物病院での治療内容や処方された薬など、病院で先生に質問できなかったことをあらためて相談される方も意外に多いです。
PECO その方々は動物病院で先生には聞かないのですか?
先生 白衣姿の先生を目の前にして緊張しちゃう方や、診断結果に動揺してしまって先生の説明をちゃんと理解できていないのに「わかりました」と言ってしまうケースも少なくありません。病院ではペットはもちろんですが、じつは飼い主さんもストレスを感じているのでしょうね。

「病気を隠す」ネコの不調は、 飼い主のカンを働かせて!

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先生 ネコはもともと「狩り」の動物ですから、体調が悪いことを周囲(敵)に悟られないようにする習性があります。ですから、飼い主さんが「ちょっとおかしい?」「いつもと違う?」と感じるなら、それはすでに不調を隠し切れていない状態かもしれません。だから飼い主さんのカン、本当に大事なんです。
PECO でも、「病院に連れていくのがたいへんで」と、病院を敬遠するネコの飼い主さんって本当に多いですよね。
先生 「たいへん」と並んで多いのが、「病院に連れていったらもっと体調が悪くなった」「病院で震えている様子を見ていられない」などの「うちの子がかわいそう」という理由。
様子を見ていて病気が悪化したら、入院や大がかりな治療が必要になってもっと「かわいそう」なことになるのですが・・・。

スムーズに病院まで ネコをつれていく方法

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【アイデア1】 ソフトのキャリーケースは外況が感触的に伝わりやすいのでハードタイプがオススメです。

【アイデア2】 キャリーケースの形状は、蓋が横と上についているものを。とくに、上半分がパカっと取り外せるタイプのものは取り出しやすいし、キャリーケースに入ったままで診察・治療してもらえることもあります。

【アイデア3】 キャリーケースはしまいこまないで普段から置いておきましょう。キャリーケースの中にネコの好きな匂いをつけたり、その中で好物を与えたりして「キャリーケース=楽しい場所・安全な場所」というイメージに。

【アイデア4】 久々に来院すると、先生も飼い主さんも、どうせだからといろいろな検査をしたくなるものです。でもそうなると余計「病院=いやなことがたくさんある場所」という印象に。何回かに1回は体調を確認してもらうだけのライトな診察も入れるとその印象が和らぎます。

ネコに優しい病院の見つけ方

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先生 最近は飼い主さんとネコの負担を配慮したサービスを行っているクリニックが増えてきました。たとえば
①ネコだけを診療する時間帯「キャットアワー」
②ネコ用の待合室・診察室(イヌ用と分ける)
③ネコ用白衣、イヌ用白衣を先生が着分ける
④ネコがリラックスできる空間作り(匂い・音に配慮) 
⑤ネコについて特別に学んでいる獣医師・看護師がいる など

PECO そのような病院はどうやって探せばいいのですか?

先生 「キャットフレンドリークリニック」で検索してみてください。これは、ネコにやさしい動物病院環境を推奨することを目的に設立された国際組織(International Society of Feline Medicine /通称isfm)が運営する国際基準規格を満たしている病院のこと。
Isfmの公式日本パートナー「ねこ医学会(JSFM)」サイト内で案内されています。

【アイデア5】 ネコにやさしい「キャットフレンドリークリニック」が家の周辺にないか探してみましょう。

症状を伝えるのは 飼い主の腕のみせどころ

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【アイデア6】 気になったネコの行動はメモしておきましょう。診察室に入ると緊張して意外に思い出せないものです。

【アイデア7】 動画や写真で気になる様子を撮影できればベストです。

【アイデア8】 「うちの子、ごはんを全然食べないんです」という飼い主さんにいろいろ質問していくと「いつもより食べない」「おいしそうに食べていない」ということも。『普段の状態や量を100とすると今は・・・』と考えると伝わりやすいです。

【アイデア9】 普段ネコの世話をしている人が必ず付き添いましょう。先生の質問に答えられなくて、結局は先生といつも世話している人が電話で話すというケースも。

あとあと後悔しないように ベストな治療法を選んで!

PECO 動物病院の先生が、いくつか治療方法を提案してくださっても「ネコのカラダの負担や費用のことを考えるとなかなか選べない」という声を多く聞きます。
先生 たしかに獣医療が発展してきて選択肢が増えてきました。例えばガンだったら、①外科手術+抗がん治療 ②抗がん治療のみ ③痛みの緩和のみ など。ただし、高額な治療がどんな時もネコにとって一番いいかといわれると、そう言い切れない難しい点もあります。たとえば、基礎疾患があり全身麻酔のリスクが高いこともあれば、長期入院や移動のストレスもあるでしょう。かかりつけの先生やご家族とよく相談して決めていく必要があります。

PECO 費用といえば、最近、加入者が増えてきているという「ペット保険」ですが、 加入している人としていない人では選択する治療内容は違いますか?
先生 違うと思います。先ほど言ったように治療を選ぶ際にはいろんなことを考慮しなくてはいけませんが、そのいろいろなことが全てクリアされているのであれば、たとえば外科手術適応のガンなら、手術や術後の定期的な診察は獣医師がベストと思うタイミングで行うことが推奨されます。しかし、手術をしたものの費用を抑えるために術後に診察する頻度を減らしてしまい、その間に再発してしまったというケースもあります。

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先生 もちろん「ペット保険」に加入しているからといって、治療法をすぐに選択できるかというとそうではありません。また、「お金の不安」が軽減されたことでベストな治療法を選んだつもりでも、「あの時もっとやっておけばよかった」「あの時やらなければよかった」という後悔はついてまわるものです。でも、少なくとも「あの時お金があったら」という後悔はなくなると思います。
「ペット保険」を「いざというときのための備え」というより、「よりいい治療を選択するための準備」と考えていただきたいですね。

【アイデア10】 「ペット保険」は、無理も後悔もしないで「よりいい治療を選択する」ための備えです。まずは「ペット保険」がどんなものかを知るところからスタートしてみてください。

ネコの飼い主さんは病院の利用頻度が低いので、治療への備えや心構えがまだまだ十分とはいえません。たとえ家ネコでも加齢に伴って病気は発症しやすくなりますから、いずれやってくる「シニア生活」に向けて、ネコの健康ためにできることを真剣に考えてみてはいかがでしょうか。

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