ウサギの性格とつき合い方
「ウサギはおとなしく、ぬいぐるみのようなペット」という印象がありますが、実際に飼っている人からは「こんなに活発だと思わなかった」という声もよく聞きます。ほかのペットと同様に、ウサギも個性豊かな生きものなのです。
- PR公益社団法人 日本愛玩動物協会
犬猫同様に感情豊かなウサギ
ウサギは犬や猫のように鳴いたり、ひんぱんにシッポを振ったりなど、すぐに人に伝わるようなアピールをしない動物です。相手を信頼するまではじっと様子を伺うような用心深さもあります。そんなことから、「ウサギは感情表現をしない、おとなしい動物」と思われてきました。
しかし、じつはウサギも豊かな感情をもつ動物です。ほかのペットと同様に、うれしいときや不快なときには全身で喜びや怒りを表します。ウサギには声帯がないため犬猫のような鳴き声は出しませんが、小さく鼻を鳴らして意思を示すことがあります。
ウサギの感情表現
鼻をピクピク動かす
周囲のニオイを嗅いで情報収集をしている
尾を立てる
求愛時のアピールや敵の目を引きつけるときに、尾の裏側の白い部分を見せる
立ち上がる
本来は情報収集のためだが、好物のおねだりのために飼い主にすることもある
ジャンプ
楽しいときやうれしい気分が最高潮に達すると、その場で飛び上がって体をひねる
ダッシュ
とても楽しいときには、短いダッシュをする
スタンピング
家庭内でのスタンピングは、飼い主へ不満の訴えとして行うことが多い
前足をそろえて叩く
イライラしている。床をならすように叩くのは、巣穴を埋める習性の名残り
うずくまる
ケージの隅などで丸くなってうずくまっているのは、体調不良の可能性がある
8の字回り
本来は求愛行動だが、楽しいときに飼い主の両足のまわりをくるくる回ることがある
人の手をなめる
ウサギの体をなでているときなどになめてくる。愛情表現といわれている
鼻でつつく
飼い主をつつくのは、「一緒に遊ぼう」と誘ってくるしぐさのひとつ
手足を伸ばして寝る
すぐに起き上がれない姿勢で寝ているときは、とてもリラックスしている証し
「ひと言では言えない」そこがまたウサギの魅力
自然界では生態系の下位にいる被捕食動物ですから、臆病で警戒心が強いというのが基本的な性格です。そのうえで、幼いころの生育環境や、人にどのように扱われてきたかなど、さまざまな要素が関与して、それぞれのウサギの性格が形成されます。
たとえば、「縄張り意識が強く、飼い主よりも優位にいたいタイプ」「マイペースで初対面でも愛想のいいタイプ」「神経質なタイプ」「内気なタイプ」「大胆で警戒心をみせないタイプ」「飼い主のことが大好きな甘えん坊タイプ」「頑固なタイプ」などなど。10匹いれば10匹それぞれが異なる個性をもっているという点では、犬や猫と変わることはありません。
ウサギとの信頼関係の築き方
ウサギを飼うにあたり、ウサギとどのようなつき合い方をするかは人それぞれです。密接なコミュニケーションを望む人もいれば、かわいい様子を眺めて癒されたいという人もいるでしょう。
どのような場合でも、ウサギが人との生活をストレスなく送れるよう信頼関係を築くことが必要です。そのためのポイントを2つ紹介しましょう。
①怖い思いをさせない
ウサギは基本的に臆病な動物です。また、ほかの動物と同様に、嫌なことをされたり、怖い記憶は忘れにくいものです。「人は怖い存在ではない」ということをわかってもらうように心がけましょう。
初対面のウサギには、いきなりさわったりせずにやさしく声をかけます。ケージから部屋に出して遊ばせるときは、急に捕まえようとしたりせず、ウサギが近づいてくるのを待って、手から好物を与えます。「人の近くにいるといいことがある。楽しい」ということを理解してもらいましょう。
②リラックスして接する
ウサギをなでたり抱っこしたりするときには、人もリラックスするようにしましょう。緊張した態度はウサギにも伝わり、恐怖感を与えたりします。ウサギからすれば、外敵が接近してくるのと変わらないのかもしれません。穏やかに、大らかに接することがウサギといい関係をつくる秘訣ともいえるでしょう。
こうした点に注意しながら、日々、一緒の時間を過ごすうちに、ウサギも飼い主を信頼し、さまざまな感情表現を見せるようになります。また、ウサギのほうから遊びに誘う行動を示すなど、コミュニケーションも深まっていくでしょう。
ウサギとしつけ
犬に行うようなしつけやトレーニングをウサギに対して行えるかどうかは未知数ですが、ウサギにも学習能力はあります。トレーニング次第で、名前を呼ばれたら来るようになるコもいます。
ただし、ケージの金網をかじることをやめさせようとしてオヤツを与えたり、ケージから出したりしていると、好ましくない学習をしてしまうこともあるので注意が必要です。ウサギには、次のようなしつけが可能です。
①トイレのしつけ
ウサギの「決まった場所に排尿をする」という習性を利用します。尿を拭き取ったティッシュなどをトイレ容器に入れて誘導し、それ以外の場所で排尿したらすぐに掃除してニオイを残さないようにします。ただし、フンはいつでもどこでも排泄するため、しつけを教えるのは難しいでしょう。(覚えるコもいます)。
②抱っこのしつけ
ウサギにとって、体の自由を制限されることは外敵に捕獲されるようなもの。そのため、抱っこ嫌いのウサギも少なくありません。しかし、グルーミングや爪切り、健康チェックなどのためにも抱っこをさせてくれるようにしておくといいでしょう。無理せず少しずつ慣らしていきましょう。
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