人とペットの幸せな共生を目指して…日本愛玩動物協会の取り組み
ペットを飼ううえでの正しい知識と愛護精神を普及し、人とペットの豊かな共生の実現を目指す、公益社団法人日本愛玩動物協会。同協会は、全国に支所を構え、日々さまざまな活動を行っています。今回は、市町村の防災訓練で活躍する、同協会埼玉県支所の様子を取材しました。
- PR公益社団法人 日本愛玩動物協会
行政とタッグを組み、啓発活動を行う
お邪魔したのは、埼玉県入間市の総合防災訓練(@入間市立仏子小学校)。
入間市では今年度から動物同行避難(災害時に飼い主がペットとともに避難をすること)の訓練も導入するということで、日本愛玩動物協会埼玉県支所は入間市からの依頼を受けて、同避難訓練のデモンストレーションを行いました。
参加した埼玉県支所の皆さんは全員、犬・猫をはじめ、鳥類、小動物、爬虫類などに関する十分な知識を身につけた「愛玩動物飼養管理士(ペットケアアドバイザー)」資格の保有者。ペットの防災についても十分な専門知識を持っている方々です。
この管理士の資格は、ワンちゃん・猫ちゃんの飼い主さんたちにも最近人気が高い資格なのだそうです。
同行避難をする際は、飼い主は住所氏名、ペットの名前や品種、体格、毛色、ワクチンの有無…などを書類に書き込み、提出します
獣医師が待機している際は検診を受け、キャリーケースやケージにペットを入れた状態で避難エリアに預けます
同行避難の手順の実演だけでなく、専用ブースを設け、展示による啓発活動も行われました。
パネル展示では、大規模災害時に飼い主・ペットに生じたさまざまな問題の事例についてや、被災地からの報告、災害時の動物救援活動のフローなどについて紹介。また、用意しておくべきペットの防災用品も展示。実際に埼玉県支所の会員さんが用意しているアイテムが展示されていたのですが、その多さに驚き! フードや水は、5日分以上は用意しておくことが好ましいそうです。
多くの市民の方々がブースに足を止め、熱心に展示を見学していました
ペットの防災用品がズラり。
避難中はワンちゃん・猫ちゃんにもかなりストレスがたまるので、使い慣れた食器やおもちゃも用意しておくと◎
ペットの個体・健康情報と飼い主の情報を書き込んだ防災手帳は、必ず用意しておくべき。
避難時の引取りなどをスムーズにするために、飼い主とペットが一緒に写っている写真を貼りつけておくことが重要だそうです
動物(ペット)に関する圧倒的知識量を持っているから、できること
今回の防災訓練のように、行政からの要請を受けて啓発活動を行う意義について、同協会常務理事の水口修さんはこう語ります。
「今回はたまたま防災がテーマでしたが、ほかにも、人とペットをつなぐ多様な啓発活動をさせていただいております。そういった中での私たちの活動目的は、“人と動物とが共生する社会の実現”、そして“そのための適正飼養と管理の知識を普及、啓発すること”です。
支所活動を行っている会員は皆、愛玩動物飼養管理士(ペットケアアドバイザー)の資格を持っており、動物関係法令(動物の愛護及び管理に関する法律)の知識はもちろんのこと、動物に関する包括的な知識のもとに活動しています。この資格は動物取扱責任者の資格要件のひとつとして、国や自治体からも認められているもの。そのため行政からの信頼が厚く、広く公的な説得性とともに行政とタッグを組んで活動できる…という点は我々の強みもあります」
管理士の資格を持つ会員の皆さんたちがこのような信頼度の高い活動ができるのは、同協会の歴史と実績が高く評価されているからだといいます。
「日本愛玩動物協会は38年の歴史を有し、これまでに16万人以上の愛玩動物飼養管理士認定者を輩出してきました。管理士資格は公益法人の立場での認定資格である、全国に支所ネットワークが存在する…という点でも行政から信頼されており、歴史、実績、内容すべてにおいて高い評価を得ているのです」(水口さん)
全国に広がる、ペットケアアドバイザーのネットワーク
同協会は、埼玉県支所を含め、全国37カ所に支所があるのだとか。「支所は、協会の意志を全国に広める、いわば毛細血管です」と水口さんは例えますが、実際には普段どのような活動を行っているのでしょうか?
「埼玉県支所では防災面での啓発活動のほかに、一般の飼い主さん向けにペットの飼い方教室や無料セミナーなども行っています。動物愛護週間の際には自治体等が開催するイベントに参加し、動物愛護の啓発活動も行います。それ以外ですと、定期的に会員同士での勉強会を開いていますね」(埼玉県支所長・柏櫓廣美さん)
また、全国の支所同士でネットワークが確立されており、常にさまざまな情報を共有しているそうです。
「それぞれの支所が各地で啓発活動を行っているので、“こういう展示・配布物が効果的だったよ、興味を持ってくれる人が多かったよ”など、日々有益な情報を交換しています。
また、被災した地域の支所からも現地の報告があり、被災時にトラブルになりやすいことや懸念点なども逐一共有。災害が発生した後、支所としてできる支援にはどのようなことがあるか、話し合っています。これだけ大きなネットワークを持った動物愛護団体は唯一無二だと思います」(柏櫓さん)
飼い方だけでなく、法律の知識も身につけることで、ハッピーなペットライフを
さまざまな観点からペットについての知識を持っておくことは、ペットとのより豊かな生活を実現するために大切です。いち飼い主でもある埼玉県支所会員の皆さんも、愛玩動物飼養管理士資格取得の際に培った法律の知識がとても役に立っていると日々実感しているとのことでした。
「楽しく適正飼養を学び、人と動物が豊かに共生していくための活動を、管理士の皆さんは日々実践しています。またそれは、志を同じくする愛玩動物飼養管理士(ペットケアアドバイザー)がさらに増えていくことを願っての活動でもあるのです。興味を持たれた方は、ぜひ当協会にお問い合わせいただけますと幸いです」(水口さん)
日本愛玩動物協会では、「愛玩動物飼養管理士」資格取得のための通信教育や、犬猫にまつわる深い知識を身につけることができる「ペットオーナー検定」を実施しています。愛するペットとよりハッピーな毎日を過ごすために、チャレンジしてみてはいかがですか?
取材にご協力いただいた、日本愛玩動物協会埼玉県支所の皆さん(中央が柏櫓さん)
日本愛玩動物協会が行っている教育・検定事業
愛玩動物飼養管理士(ペットケアアドバイザー)
「動物の愛護及び管理に関する法律」の趣旨に基づき、犬や猫をはじめとするペットの愛護・適正飼養管理の普及啓発活動などを行うために必要な知識・技能を身につけるための資格。
ペットオーナー検定
犬・猫と一緒に暮らすうえで知っておくと役立つ、さまざまな知識を身につけることができる検定。