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【つい許して甘やかしてしまう人、続出】みんな愛犬に心広すぎじゃね!?

【つい許して甘やかしてしまう人、続出】みんな愛犬に心広すぎじゃね!?

愛犬をつい甘やかしてしまうけど、それって飼い主の心が広すぎでは? と思うこともしばしば。ちょ、待てよ。家庭に笑顔が多いのは、この「広さ」にあるのかも?(Shi-Ba 2017年11月号 Vol.97より)

  • サムネイル: Shi-Ba編集部
  • 更新日:

犬を甘やかす秘密とは? 犬と飼い主の笑顔から探れ!

犬と暮していると愛犬の笑顔に癒される。笑顔は伝染するというが、そんな愛犬を見て笑う家庭は多い。

犬を甘やかす秘密とは? 犬と飼い主の笑顔から探れ!

その分犬も飼い主に心広いんじゃ~!!
あと、タイ人も犬に心が広いよ!

ところでタイは「微笑みの国」なんていうけど、どうして笑顔に溢れているか考えてみると、細かいことは気にせず、のんびりした心が広い国民性にもあるようだ(あくまでもライターHの意見ね)。各家庭で笑顔が多いのは、このタイのような「心広すぎじゃね?」ってとこにもあるかもしれない。その真実を取材で探ってみよう!

飼い主を舐めている!? いいえ、広い心で愛しています

体動かすのスキ~♥

体動かすのスキ~♥

神奈川県/鈴木 凪(メス・1歳)
名前は奥様の釣り好きのお父さんが直感で決めた。凪は、休日はアウトドア好きのご夫婦と一緒に登山や釣りに出かけるのが大好きなアクティブガール。性格は人も犬も好きで社交的。

優等生犬だけど顔舐めはどうにも止まらない~

鈴木家の奥様は、犬を飼うのは初めてだが健康やしつけについて勉強熱心だ。ご主人は実家で犬を飼っていた経験があり、犬の扱いに慣れている。そんなご夫婦に育てられているからか、凪は元気いっぱいでありながらも人の話は冷静に聞けるし、体のどこを触っても平気という、1歳とは思えない落ち着きを払っている。時々ヘソ天で寝てるけどね。

一般的に日本犬が苦手とされる洋服を着せても平気顔。そんな凪を見てご夫婦は「親バカだけど、うちの子天才か? と思うんです」と笑う。

「凪の困った行動は思い当たらない」という奥様だが、これにはご夫婦の努力が大きい。危険な行動をとれば凪を本気で怒るし、関節が悪い凪のことを考えて山登りで筋トレをしている。そんなご夫婦の愛情が伝わっているのだろう。信頼関係が厚いご夫婦を見つめる凪の目は輝いている。

ほれぼれするような優等生の凪の目がさらにキラッと光る時がある。それは奥様のお父さんが家に来た時。速攻走り寄ると顔をペロペロと舐め、どうにも止まらない。この様子に家族全員大爆笑だ。

遊びたくても焦らないのです

若いけど落ち着いています

遊びたくても焦らないのです

遠くから他の犬がやってくると、社交的な凪は遊びたくて、その方向をじっと見て立ち止まる。飼い主も凪に合わせて止まり、ゆったりとした気持ちで、様子を見守るのだ。

苦手なハーネスには反抗的

苦手なハーネスには反抗的

それには心を開けない……

優等生な凪だが、特定のハーネスが嫌いで、着けられる一瞬は机の下にもぐりこみ、反抗的な態度を見せる。でも諦めが早い性格なので、このあと素直に装着に応じるけれど。

「じぃじだ~い好き♥」 「これって塩分補給?」

なめなめ柴星人現れる!

「じぃじだ~い好き♥」
「これって塩分補給?」

お父さんが遊びに来るとなめなめ攻撃。おかげで顔はカピカピ。心が広く凪が大好きなお父さんは決して怒らない。むしろうれしそう……!?

遊んでほしいアピール上手

遊んでほしいアピール上手

これで遊ぼうよ

ご夫婦がスマホ操作などに夢中だと、自分に注目を集めたくて、オモチャを持ってきてポトッと落とし、遊びに誘う。これをやられるとメロメロであっさりお相手。心が広い!

信頼関係バッチリです!

信頼関係バッチリです!

「凪、かわいいね!」
「パパの抱っこもいい感じよ」

信頼関係が厚いご主人の片手抱っこに、凪も安心顔。ちなみに以前は、日本犬に洋服を着させるのは反対だったが、凪の洋服姿に「かわいい」と開眼し、今ではOKに。

首輪はあまり慣れてないの

首輪はあまり慣れてないの

あと少しで慣れますのでお待ちくださいませ

普段はハーネスだが、この日は首輪に。これがお気に召さなかったようで、その場でイヤイヤする凪。でも諦めが早い性格なので、この後はご機嫌で撮影♪ さすが!

食卓のお肉、いただけますか?

食卓のお肉、いただけますか?

「ダメです!」
「ここはお肉をひとつ……」

「食卓のゴハン、もらえるかも」の期待を込めて、奥様の腕をちょいちょいつつく。しかし人の食べ物はあげないので凪は空振り。体に悪そうな甘やかしはしませんよ!

凪の\もっとこうあれ!/

ハーネスなしで自由に歩くのが夢なんです!
鈴木家では、関節が弱い凪のことを考えてドッグランには行かない。これは他の犬とじゃれ合った時、関節に負担がかかる危険性があるからだ。一方、ご夫婦の趣味でもある登山は筋トレとして出かける。あの大嫌いな拘束具(ハーネスのことね)をつけて。ホントはノーリードで自由に歩くのが夢なんだよね。

噴水も草むらもどんなところへも広い心と好奇心で向かっちゃう

噴水も草むらもどんなところへも広い心と好奇心で向かっちゃう

3番目の「ラ」だからね!

神奈川県/田口ラミ(オス・1歳)
ラッキー、ラックと、先代の犬の名前にいずれも「ラ」がついたので、この名に。性格は元気いっぱいで、とにかくやんちゃ。耳や目もよく好奇心旺盛で、散歩も自分が行きたいほうに向かってグイグイと歩く。

家族を爆笑の渦に巻き込む自由が好きなわんぱく犬

犬好きの田口家に、犬のいない生活は考えられない。先代犬が亡くなってから、ほどなく迎え入れられたのがラミだ。笑顔が愛らしいラミは、田口家の女性陣をあっという間にとりこにした。なんてったって口角がキュッと上がった笑顔が、とびきりかわいいのだ。

ラミの性格は、とにかくやんちゃ。散歩の時も母の裕子さんを先導するようにリードを引っ張る。これはラミの目や耳がよく、視覚や聴覚を刺激されると、持ち前の好奇心で思わずそちらに向かってしまうからだ。だから決まった散歩コースはこれといってなく、裕子さんも「自由に歩かせる」という。

心の広さは飼い主さえ広ければよし!

心の広さは飼い主さえ広ければよし!

「ラミは一度言い出したら聞かない性格」とは、しつけ担当のお兄さんの哲也さん。叱っても降参しない姿にやれやれという感じだけど、笑って許してしまう。お姉さんの綾子さんも同様に「かわいいから仕方がない」と笑う。

取材中、ラミの一挙手一投足に家族から笑いが起こる。自由にさせてもらっている分、予想外の行動をとるのだ。ラミのわんぱくぶりに振り回されているけど、それも楽しい。今日もラミが元気で笑顔でいればいいのだから。

広い公園の大きな噴水……うひょ~楽しい~!

広い公園の大きな噴水……うひょ~楽しい~!

フラッシュダンス的な?

好奇心旺盛で怖いもの知らずのラミは、日本犬が苦手とされる水も大丈夫。すごい勢いで吹き出す水にひるむどころか、ひゃっほ~という感じで楽しんじゃっている!? びしょ濡れになっても、心が広い田口家の全員は、わははと笑う。

オヤツは絶対離しません!

オヤツは絶対離しません!

え~これ返すの?

オヤツやオモチャが大好き。この日もお気に入りのオヤツをウマウマ。懸命な姿に広い心でずっとあげちゃう。ラミのうれしい顔はドヤ顔なのだ!!

今日も元気に散歩それが一番!

今日も元気に散歩それが一番!

お互い足腰を鍛えてるっ

今日も裕子さんを連れて(?)お気に入りの公園まで元気に散歩。好きなコースを自由に歩いてご満悦のラミ。家族もいい運動になると喜ぶWin-Winの関係だ。

ぶるぶるっとね

水に濡れても笑って許して

ぶるぶるっとね

怖いもの知らずのラミは、噴水にも興味本位で近づき、結局びしょ濡れ。ぶるぶるっとして水を飛ばすと同時に、家族から「キャー」歓声が。その後は全員で大爆笑。

前歯が見えているけど怒ってるわけじゃないの

ボールを離してほしい時の「必殺! 鼻つまみ」

前歯が見えているけど怒ってるわけじゃないの

お気に入りのボールをくわえると何が何でも離さない。そんな時は、裕子さんの鼻つまみ作戦。鼻の穴をふさがれて苦しくなって口を開けた瞬間にボールを奪い返すのだ。ブタ鼻になってちょっと愉快。

あれ? ガムありませんでしたっけ?

くわえられるもの品切れです!

あれ? ガムありませんでしたっけ?

大好きなオモチャを取り上げられて、他にくわえられるものを物色するラミ。ガムもオモチャもなくてがっかり。危ないものはくわえさせないのが田口家のルールなのだ。

好物があればごきげん♪

好物があればごきげん♪

広い心でどーぞどーぞ

ガムがとにかく大好きで、それをくわえている間は終始ごきげん。コロコロで毛をとってもなんだか楽しそう。お気に入りのものがれば広い心を持てるラミなのだ。

ラミの\もっとこうあれ!/

ネコ型ロボットみたいにどんどん出して!
好奇心旺盛で体力があるラミは、オモチャで遊ぶのが大好き。ゴハンよりも遊ぶことを優先する。特に新しいオモチャに目がないようで、取材班が持ってきた新物にも釘付け。そして一度くわえるとなかなか離さない。そんなわけでラミの夢は、オモチャに囲まれた楽園で暮らすこと。次から次へと新しいオモチャが出るといいな~。

ムクムク天使のかわいさに家族全員ノックダウン! 広い心で見守ります

豆助よりかわいいっしょ?

豆助よりかわいいっしょ?

東京都/石川豆太(オス・4歳)
柴犬の子犬が活躍する番組の看板犬「豆助」にあこがれて、「豆」をつけた名前を、と家族でいくつか候補を挙げた中からあみだくじで決まったのが「豆太」。石川家の末っ子的存在で家族全員に愛されている。

のんびりムクムク天使に家族全員柴犬マニアに

豆太を飼い始めて家族全員が柴犬のとりことなった石川家。それを証明するかのように、家には柴犬グッズが溢れている。もちろんどんなグッズよりも豆太が宇宙一かわいいのだけど。

お姉さんの未羽さんが「この子がいい!」と直感で選んだ豆太。そしてとことんハマってしまったのが、お兄さんの大弥さん。以前は犬に興味がなかったが、家にやってきた毛むくじゃらの天使にあっさりフォーリンラブし、今では大抵のことは許してしまう。例えば豆太は2階が立入禁止区域なのだが、自分に甘い大弥さんの部屋にはこっそりと上がりこむ。もちろん大弥さんは大歓迎だ。うむ、心が広い……ってか豆太のこと、好きすぎでしょ!?

犬は悟り開く必要なくね?

犬は悟り開く必要なくね?

若い頃こそ拾い食いに随分悩まされたけど、今ではそのクセも直り、困ったことは特にない。自分が世話をしなくちゃいけないからと、最初は飼うことを反対していたお母さんの利枝子さんも「豆太のおかげで家族の時間が増えた。飼ってよかった」と笑顔で話す。笑顔を運んできたムクムクの天使は、今日も心の広い石川家の家族全員に囲まれてのびのびマイペース。かわいがられて幸せ顔だ。

ボールはひとり遊びがお好き

ボールはひとり遊びがお好き

「遊ぼうよ~」
「ボール好きだからひとり占めしたいし」

マイペースでひとり遊びが得意な豆太は、ボール遊びも自分流。大弥さんがボールを投げてもモッテコイをしないで、自分の前足でDJみたいに回して遊ぶ。これじゃ楽しくボール遊びが続けられないよと、大弥さんがっくり。

父ちゃん、抱っこより肉くれ

愛はなかなか伝わらない

父ちゃん、抱っこより肉くれ

お父さんの典弘さんの抱っこはややぎこちない。これも愛する豆太を落とさないように緊張しているだけなんだけど。不安定な体勢に豆太、真顔でフリーズ……。愛の表現って難しい~。

水も好きなところから

水も好きなところから

大丈夫! ぽんぽん丈夫だから!

散歩から帰宅後、器で新しい水を差し出すも、豆太は庭の水たまりから飲む始末。ちなみにこの庭は、典弘さんの手により豆太仕様に改造されている。家族全員に愛されているなあ。

豆太時間は家族の誰も邪魔できない

豆太時間は家族の誰も邪魔できない

家族が帰宅? でも俺、今仕事中だから

石川家全員に愛されているのに、誰かが帰宅しても出迎えることはしない豆太(気分で出迎える)。この日は、このようにカーテンに頭を突っ込み、とりこみ中。

兄ちゃんのひざ枕サイコー!

兄ちゃんのひざ枕サイコー!

デラックスなリラックスタイム

すっかり柴犬マニアになってしまった石川家。ソファに乗った豆太を、誰が抱っこするか取り合いに……。この日のWINNERは大弥さん。なでなでされた豆太はうっとり顔だ。

おいしい顔ってこんな顔!

おいしい顔ってこんな顔!

んまんまっ
次はチーズも食べたいな

自分の時間軸で動く豆太だが、その豆太が一瞬機敏になる時がある。それはオヤツタイム。利枝子さんが持つパンに目がキラリ。おいしいものを食べる時の豆太の笑顔は満点!

豆太の\もっとこうあれ!/

ミルクやヨーグルトの海で溺れたい!?
マイペースゆえ(なのか?)、ゴハンは食べムラがあるらしい。ところがミルク、チーズ、ヨーグルトといった乳製品を目の前に出されるとキラーン! ぼんやりお昼寝していた豆太も覚醒する。んなわけで豆太の夢の楽園は、乳製品食べ放題なのかも。どこか人生を達観しているオヤジっぽいところもあるけれど、こういう時は4歳の若柴犬らしくなるのだ。

ちなみにタイでは……①

国宝って考えていいんだよ?

国宝って考えていいんだよ?

微笑みの国では犬ものんびり~
タイには、日向ぼっこ&のんびりしている犬が溢れている。寺院の敷地内にいてもシッシッと追い払われることがない。ちなみにライターHの個人的感想だが、タイ人は「喜怒哀楽」のうち「怒」がないと思うくらい、怒らない(見たことがない)。犬を見守る目もおだやかだ。

ちなみにタイでは……②

自由に寺で過ごしてるよ

自由に寺で過ごしてるよ

小さな生き物に優しい国
タイでは、犬や猫は地域で飼われていることも多く、民家の間を自由に行ったり来たりする様子をよく見る。敬虔な仏教信者が多いタイは、生き物の殺生をよしとしない。犬や猫に優しい目を向けるのは、そんなことも関係しているのかもしれない。

ちなみにタイでは……③

あ~お腹もいっぱい

あ~お腹もいっぱい

野良犬を引き取るほど国王も愛犬家
タイの国民に犬が大事にされているのは、故・プーミポン国王が愛犬家であったことも大きいようだ。野良犬を引き取って育てた愛犬の話は本にもなり、タイでベストセラーになっている。日本でも『奇跡の名犬物語』(世界文化社)の題名で翻訳・出版されている。

【まとめ】熱い愛に溢れた「微笑みの国」

取材したお宅の愛犬への心の広さといったら、世界6大陸と3つの海洋を足してもあまるほどだ(地球規模かよ!)。とはいえ、しつけ的に問題になることに対しては、きちんと「ダメ」を出して行動を制していた。心が広い=放任ではないのである。

ここでふと気が付く。広い心を持つ飼い主は、まるでお釈迦様であり、愛犬は、手のひらの上にいる孫悟空的な存在かもしれないってことを。何もかもお見通しだからこそ飼い主は広い心で、愛犬のイタズラやわがままも笑って許してくれているのだろう。

ところでタイには「マイペンライ」という言葉があるが、これは「大丈夫」「問題ないよ」という意味。そうなのだ。笑顔が溢れる家庭はタイのように寛大で優しい空気が流れている、まさしく「微笑みの国」なのだ。

Text:Megumi Hirakawa 
Photos:Minako Okuyama、Miharu Saitoh

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