松本里美さんは、ユニークなモチーフを作品に反映させる東京在住の銅版画家。中でも猫と文学や芸術の世界の著名人と、癖のある顔つきをした猫のツーショットの作品は、通好みで大人の猫好きの心をくすぐります。
松本さんのアトリエにて。ここで作品が生まれます
ビート・ジェネレーション作家バロウズや無頼派と称されたブコウスキーのある作品の猫に関する記述に触れた時、彼らの代表作からイメージするのとは違う、意外な一面……猫を通じてその根っこの部分のやさしさを感じたことを銅版画作品に反映したそう。
『内なるネコ』という作品に触発されて制作した『バロウズと猫』は紅茶パッケージにも使用
『悪の華』で知られる詩人と猫の組み合わせ『ボードレールと猫のツメ』
松本さんの作品のいくつかは、自らブレンドした紅茶や、「フォレストサイド横森ぶどう園」のぶどうを使ったオリジナルワインのラベルとしても使われています。もちろん銅版画作品としてじゅうぶん素敵なのですが、ラベルになると、猫好きの人向けのプレゼントとしてもぴったりと評判です。
白ワイン「ベル・エキップ」は山梨の「ひまわり市場」にて取り扱い中。ラベルに使用した作品の名は『マドレーヌの記憶』
そんな松本さんは、実家暮らし時代はずっと猫や犬と一緒。現在同居しているのは小型犬ですが、猫との縁は続いています。2011年の大震災の年に実家で生まれた2匹の猫は2年後、松本さんのご主人の一周忌に、なんと同時に3匹ずつ子猫を出産。
3匹の子猫を産んだ、ねねちゃん
松本さんがFacebookで里親を募り、お知り合いの家庭に迎え入れられることに。今でもときどき彼らの様子をFacebook上で見られるのがうれしいと話していました。
実家で飼っていた猫たち。真理ちゃん(左)と鯖男くん
松本さんのブログ:https://eggdays.exblog.jp
ひまわり市場:http://himawari-ichiba.com
取材・石井理恵子