災害救助犬ボランティアをサポートするホンダアクセス『S.A.R.Dog Concept』開発秘話

災害救助犬ボランティアをサポートするホンダアクセス『S.A.R.Dog Concept』開発秘話

東京ビッグサイトで3/28〜3/31に開催された『インターペット2019』。PECO編集部は読者の鈴木さん&愛犬の三郎くんと一緒にホンダアクセスさんのブースにお邪魔して、災害救助犬を乗せる『S.A.R.Dog Concept』の開発秘話を聞いてきました!

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ペット用カーアクセサリー『Honda Dog』シリーズを展開するホンダアクセスさんのブースに、会場でも一際目を引く、爽やかなカラーリングのN-VANを発見。
実はこれ、救助犬を災害地まで運ぶレスキューカーなんです。
今回はその商品開発に至るストーリーを、読者を代表して鈴木さん&三郎くんのペアがデザイン担当の加藤智久さんに取材してきました。

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株式会社ホンダアクセス 商品企画部 デザイン 研究員 加藤智久さん 

災害救助犬ボランティアの活動をサポートするきっかけ

読者・鈴木さん:今回、災害救助犬ボランティアの活動をサポートする車作りに取り組む事となった、きっかけを教えてください。

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写真提供:NPO法人 災害救助犬ネットワーク

加藤さん:日頃、お出かけ時のペット用アクセサリーの商品開発をしていますが、もともと私が人のパートナーとして共に生きる犬の姿にとても関心があり、犬と人と車の間を介在するもので、なくてはならないものは何だろうか?と考えた時に、偶然、災害救助犬の話を耳にしました。災害現場では救助犬の活動が注目を集めますが、現場にたどり着くまでの移動に着目した事はなく、果たしてどうやって向かって来ているのだろうかと疑問に思ったんです。災害地は発生から72時間がデッドラインという厳しい現場なので、車の機能を改良する事で救助活動がやりやすくなれば、より多くの人に役立てるのではと思い、災害救助犬ボランティアの訓練場に取材に行って、そこから商品開発が始まりました。

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写真提供:NPO法人 災害救助犬ネットワーク

“軽自動車”のN-VANだから出来る事

読者・鈴木さん:災害救助犬を乗せる車と聞くと大型車を想像しますが、今回のコンセプトカーはなぜN-VANを起用したのでしょうか?

加藤さん:軽自動車は本来、長距離移動には向かない車です。ただ、昨年起きた西日本豪雨の時など被災地が山奥にある場合、大型車だとその奥地までは進めないという事が実際にありました。軽自動車であれば、山道も進む事が出来、災害地の最前線まで向かい救いに行ける可能性を広げられます。軽自動車の利点を活かす事を考え、コンパクトな車が一台現場にある事で役立つのではないかと思い、N-VANを起用しました。

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読者・鈴木さん:なるほど、軽自動車ならではのコンパクトさが役立つ時があるんですね。日常使いの車としても使用できますよね。

加藤さん:災害救助犬のボランティアは個人の方が訓練してボランティアを行なっているので、大型車でないと不可能ではと誤解されている面もあり、コンパクトな車でも救助に行けるという事を伝えたかった事もあります。なので、今回、商用車でもありますが普段は乗用車として乗っていただき、いざという時は救助に行ける車を目指しました。

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災害救助犬の移動を快適にする4つの工夫

読者・鈴木さん:救助犬に車内で快適に過ごしてもらうための特別な仕様を教えてください。

加藤さん:今回、通常のN-VANから特別に変更した仕様は4箇所あります。ボランティアの方に設計の段階から、写真やスケッチをお送りしてアドバイスをもらい、形にしていきました。救助に向かうには長距離移動を伴う為、救助犬のストレス軽減を最優先に考えます。その為、車内の換気を良くする為にファンを車内後方の左右上部に設置し、ルーフ(屋根)には遮熱塗料を塗装して車体の屋根が熱くなり車内の気温が上昇するのを防いでいます。

ポイント1:換気を改善して居心地の良い車内へ

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車内後方にある換気用ファン

ポイント2:遮熱塗料で車内の気温上昇を防ぐ

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遮熱塗料を塗装してある屋根

読者・鈴木さん:後ろのテールゲート(荷室扉)を開けるとメッシュ地のカーテンが掛かっていますね?
加藤さん:災害救助犬は現場でケージに入ったまま待機している時間が長く、現場は天候や環境に恵まれていない事も多いので、雨風を凌ぎながら換気を可能にし、日除けにもなるよう形状や素材にこだわったカーテンを設置しています。収納する際も構造上、挟まず畳み込まれるこだわりの設計です。そして車体の外に付いているのが、うんちボックス。救助犬はレトリーバーなど中型犬以上の犬種が多く糞の量に悩む飼い主の方もいると思い、外付けのボックスがあれば犬も人も気にせず車内で快適に過ごせるのではと思い設計しました。

ポイント3:メッシュ地のカーテンで雨風・日よけ対策

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サイドから見るとより分かる、収納時に絡まないこだわりの設計

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雨風はもちろん、日よけ効果も期待できる

ポイント4:外付けボックスでうんち問題もクリア

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車外に設置されたうんちボックス

災害救助犬活動の認知拡大を目指して

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写真提供:NPO法人 災害救助犬ネットワーク

読者・鈴木さん:災害救助犬の活動をサポートする車として誕生した『S.A.R.Dog Concept』ですが、その誕生までのストーリーを聞くほど、今後どんどん広まっていって欲しいなと思います。

加藤さん:災害救助犬は「犬が働かされて可哀想」という意見もありますが、私も実際に今回の商品開発にあたり現地に行って取材させてもらい、「犬は仕事という概念ではなく、飼い主とのコミュニケーション」と理解していると教わりました。訓練内容も7割が人である飼い主、3割が犬へのトレーニングなんです。救助犬達が訓練場で楽しそうにボールを追いかけたり、原っぱで走り回っている姿を見た時は驚きました。災害救助犬の活動自体は認知度がまだまだ低いので、今後コンセプトカーがアイコンとなり少しでも活動の支援が出来れば嬉しいですね。クルマ作りを通して犬と人がよりよく共生していく手助けが出来ればと思っています。

今回記事で取り上げた災害救助犬サポートカー『S.A.R.Dog Concept』の詳細はこちらから!

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