
【伊豆/長岡】“三養荘” 名建築と名湯と庭園美。心も体も癒される別天地
伊豆半島の玄関口とも言える、伊豆長岡温泉。4万2000坪の大きさを誇る敷地に、国の登録有形文化財を有する三養荘があります。愛犬と宿泊できるのは、日本建築界の巨匠が手掛けた離れ。宿泊者とその愛犬専用の坪庭や建築の伝統美、洗練された美味、客室内のかけ流し温泉……、五感を満たせる至福の滞在が叶います。
- 更新日:
1日2組限定の離れで、贅沢にくつろぎの時間を過ごす

京都の庭師 小川治兵衛の手による近代日本庭園の中に静かに佇む、三養荘。
愛犬と宿泊できる離れ「藤裏葉~和んずHanare~」(ふじのうらば~わんずはなれ~)へは、春は桜、夏は花菖蒲、秋は紅葉、冬は梅が華やぐ日本庭園を通って向かいます。

もとは貴賓室として1棟貸しをしていたという離れは、文化勲章受章者である建築家 村野藤吾が設計した純日本風数寄屋造り。
共有スペースの板の間を中央に、右手と左手にそれぞれ約89㎡の「華の間」と約76㎡の「栄の間」があります。
意匠を凝らした建築美を愛でられるのもまた、この宿に滞在する醍醐味です。

村野藤吾は、「猪目」と呼ばれるハート型に似た文様や、升目に組まれた「格天井」、竹の素材を好んで採用しています。
建築に携わる人々が三養荘に足を運ぶことも珍しくないそうです。

伝統と格式を有する温泉旅館ならではのもてなしは、離れ専用の客室係によって供される抹茶と茶菓子から。
日本らしい懐かしさや温もりとともに、風雅な滞在時間が幕を開けます。
ドッグランも温泉浴も。すべて離れで完結する贅沢さ

ひと休みをしたら、ぜひ明るいうちに愛犬と坪庭へ。ここは、離れの宿泊者専用のドッグランでもあります。
愛犬が心地よく走れる芝生の上に配された石と、斜面に植えられた木々が多彩な表情を描く坪庭に身を置くだけで、心豊かなひとときが過ごせるに違いありません。

客室内には、かけ流し温泉の内湯を完備。浴槽の御影石と、洗い場の床に使われている伊豆石が、無色透明の名湯を浴びて青々とつややかに輝いて見えます。
坪庭の中で湯に浸かっているかのような爽快感と、肌をさらりと包むなめらかな湯が、心身ともに究極の癒しへと誘ってくれることでしょう。

部屋で舌鼓が打てる夕食を待ちながら、一幅の絵のような坪庭を眺めていると、時が経つのを忘れてしまいそう。
愛犬が腰を下ろしている広縁の床は、夏はひんやりと涼しく、冬は床暖房で快適に過ごせます。
最上の食材を用いた夕食と朝食を部屋で堪能

東京プリンスホテルなどで腕を振るった料理長こだわりの懐石料理は、舌だけでなく目でも楽しめます。
たとえば、活けアワビ酒蒸し、和牛サーロインからし醤油焼き温野菜添え、車海老や穴子の天ぷら、しらす炊き込みごはんなど、伊豆の豊かな山海の幸を、繊細な味わいで堪能。

凛とした静寂感が包み込む、離れの日暮れ時。
外から見えることのないプライベートな空間ゆえ、障子を閉めず、夜のとばりが下りゆく坪庭を眺め続けるのも一興です。

朝食もまた、部屋でいただきます。朝日に照り映える坪庭の清々しい趣も、朝のごちそうのひとつ。
愛犬とともに、満ち足りた朝のひと時を満喫できることでしょう。
おわりに

貴賓室を改築して犬用の設備と備品を充実させた1日2組限定の離れで、坪庭のドッグラン、日本の建築美や贅を尽くした懐石料理、さらにはかけ流し温泉を気兼ねなく楽しめます。
愛犬は同伴できませんが、露天風呂を備える大浴場での湯浴みや日本庭園の散策も、旅の思い出に彩りを添えてくれるはず。
洗練された日本らしさとくつろぎを存分に堪能できる、極上の湯宿です。
施設基本情報
【三養荘】
静岡県伊豆の国市ままの上270
TEL:055-947-1111
https://www.princehotels.co.jp/sanyo-so/
ペット宿泊基本情報
・同伴可能種別 犬のみ
・同伴可能サイズ 小型犬(概ね体重10Kg未満)
・頭数制限 1室最大2頭まで
・宿泊料金 1頭目は宿泊代金に含まれる(2頭目は9,259円)
・同伴条件 狂犬病予防注射および伝染病混合ワクチン接種後2週間以上1年未満であること
・客室への同伴 可
・客室でフリーにする 可
・レストランへ同伴 不可
・共有スペースへ同伴 不可
・立ち入り遠慮区域 共用スペース全般
・ペット食事 該当なし
・持参するもの ーーー
・その他 ーーー
※価格は全て税抜です。
アクセス
○車でのルート
東名高速道路沼津I.C.から国道136号線で19km(平常時30分)
○電車でのルート
東海道新幹線三島駅で伊豆箱根鉄道に乗り換え20分、伊豆長岡駅からタクシーで5分(約810円)
○送迎・駐車場情報
・駐車場20台
・送迎あり
駅に到着した時点で電話連絡(17:00まで)
ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui
旅行誌の編集記者を経て、フリーに。30代にオーストラリアでドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。ノーリッチ・テリア2頭と暮らしながら、「人と動物のよりよい関係」を願い、雑誌や書籍等多数の媒体で執筆活動を行う。東京都中央区動物との共生推進員。著書にタイの犬の写真集『うみいぬ』などがある。
コンテンツ提供元:愛犬と行きたい上質なおでかけを紹介するWEBマガジン Pally