【獣医師監修】犬の避妊手術 時期や方法、費用、術後のケアについて
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【獣医師監修】犬の避妊手術 時期や方法、費用、術後のケアについて

飼っているメスの愛犬に避妊手術は必要? 愛犬の健康のためにも受けさせたい避妊手術の方法や費用、手術後のケアも紹介します。

  • サムネイル: PECO編集部
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

大切な愛犬に避妊手術を受けさせるか、受けさせないか…。メス犬の飼い主がまず考えなければならないことかもしれません。

仔犬を産ませたいという強い希望がある場合は別ですが、避妊手術は愛犬の病気を防ぐ上で非常に大切なことなので、積極的に考える飼い主が増えているようです。

愛犬にとって大切な手術時期

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飼い主は、愛犬にどのタイミングで避妊手術を受けさせたらいいのか、ベストな時期はいつなのかと迷うことでしょう。一般的には、最初の発情を迎える前が理想的とされています。
犬種による差や個体差はありますが、初めての発情は生後6〜8カ月くらいに起きるようです。すべての犬に当てはまるわけではないので、個々の犬に合わせて手術の時期を検討する必要性があります。初回発情前に避妊手術をすることで、乳腺腫瘍の発生率がかなり抑えられるという説があります。

仔犬を家に迎えた飼い主は、飼い始めてすぐかかりつけの病院を見つけて相談を。獣医師の方針や愛犬の状態により、避妊手術に適した時期は違ってきます。あまりに早いタイミングで避妊手術を行うと尿失禁を発症する可能性があるので、獣医師と相談しながらベストな時期を検討しましょう。

気になる手術の内容

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犬の避妊手術は、動物病院にて全身麻酔で行われます。開腹手術で卵巣のみを摘出、または卵巣と子宮の両方を摘出する2つの手術方法があります。一般的には、子宮内に膿がたまる子宮蓄膿症という病気の予防を含めて子宮も摘出する(子宮卵巣摘出手術)ことが多いですが、子宮蓄膿症は卵巣から分泌されるホルモンが影響しているため、卵巣を取ることで子宮蓄膿症も十分に予防できるともいわれています。信頼できる獣医師に相談し、ベストな方法で手術を受けさせてあげたいものです。

手術を受ける際は、術前検査をしっかり行ってもらい、術後は、開腹手術となるため1~2泊することになります。術後の回復状況によっては延泊もあります。健康状態に問題がないと獣医師が確認できれば、連れて帰ることができます。

避妊手術の費用

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避妊手術の費用は犬種や犬の大きさ、動物病院の設備や価格設定により異なってきます。一般的に開腹を伴わないオスの去勢手術に比べ、当然高額になります。

おおよその避妊手術費用は3万円~5万円前後と幅がありますが、大型犬ではそれ以上必要になることもあります。術前検査をどこまで行うか、日帰りか入院かなどによっても当然価格は変わってきます。費用の内訳なども十分確認し、万全の状態で手術に臨みましょう。

手術後のケア

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手術が終わり、病院からお迎えOKのお電話をもらったら、いざ愛犬のもとへ。術後は傷口の経過観察が大事です。術後に痛みが残ったり、傷口が開いてしまうことは基本的にはありませんが、エリザベスカラー(ネッカー)等が取れてしまい、犬が傷口を舐めてしまうと話は別です。エリザベスカラー(ネッカー)があることで食事をうまく食べられないというような場合は、術後着を着用させることもあります。

抜糸は、一般的に7日~10日ほどで行われることが多いです。抜糸までの間は病院で処方される抗生剤や消炎剤を内服させることになりますが、基本的には普段通りの生活をして構いません。

避妊手術を行うと、ホルモンバランスの変化などにより太りやすくなるため、摂取カロリーを通常の3割ほど減らした方がいいといわれています。避妊手術をした犬用の低カロリーフードもあるので、獣医師に相談してみるといいでしょう。

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