【獣医師監修】パピヨンは抜け毛が多い? パピヨンの被毛の特徴と抜け毛対策
蝶が羽を広げたような大きな耳と、ふんわりとした毛並みが特徴的なパピヨン。日本でも多くの人々に愛されている犬種ですが、抜け毛は多いのでしょうか。今回は、パピヨンの抜け毛について解説していきます。
- 更新日:
監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長
パピヨンは抜け毛が多い?
De Jongh Photography/Shutterstock.com
犬の被毛の種類には、ダブルコートとシングルコートの2種類があります。
オーバーコート(上毛)とアンダーコート(下毛)の二重構造になっているダブルコートと、下毛がほとんどないシングルコートに分けられるのですが、パピヨンは室内飼育用に改良されてきた犬種ということもあり、比較的抜け毛が少ないシングルコートに分類されます。ただし、系統によってはダブルコートのタイプも存在し、その場合はかなりの抜け毛が発生します。
個体差はありますが、春と秋の換毛期と呼ばれるシーズンには、シングルコート・ダブルコート問わず抜け毛の量が増加します。また、避妊手術をしていないパピヨンの場合、ホルモンバランスが崩れることで一気に大量の抜け毛が発生することもあります。
パピヨンの抜け毛のケア
Sergey Lavrentev/Shutterstock.com
パピヨンの抜け毛対策としてもっとも重要なのは、毎日のブラッシングです。上述の通り、パピヨンは比較的抜け毛が少ない犬種ですが、ブラッシングをする必要がないというわけではありません。
パピヨンのブラッシングにコームやスリッカーブラシなどの目の細かいブラシを利用すると、抜け毛の予防になるだけでなく、被毛に艶を出すこともできます。また、ブラッシングには皮膚を刺激することで血行を良くする効果があるため、皮膚病の予防にもつながります。
もうひとつ、シャンプーもパピヨンの抜け毛の予防になります。シャンプーをすると、余分な毛を洗い流せるだけでなく、皮膚についた汚れを取り除くこともできるので、ブラッシング同様、抜け毛対策と皮膚病対策の効果が期待できます。
ただし、シャンプーをしすぎると、皮膚の健康を保つのに必要な皮脂まで洗い流してしまうので注意が必要です。月に1~2回程度を目安に、愛犬の被毛や皮膚の状態をみながらシャンプーをしてあげましょう。
とくに、首輪や散歩時の泥はねによる汚れなどで不衛生になりやすい首回りやお腹回りは、犬用シャンプーを使って重点的に洗ってあげましょう。
また、足を清潔に保つことも大切です。足の指の間は汚れがたまりやすいので、散歩から帰ってきた時は必ずきれいに汚れを落とし、シャンプーの時も念入りに洗ってあげましょう。
パピヨンのお尻・内股・耳などは毛がもつれやすいので、ブラッシングやシャンプーをする時に丁寧にほどいてあげましょう。とくに、耳の飾り毛はもつれやすいので、しっかりとケアしてあげる必要があります。
そのほか、パピヨンの抜け毛対策としては、ドッグウェアを着せるという方法もあります。ドッグウェアを着せると、抜け毛が床に落ちることがないので、自宅はもちろんよその家やドッグカフェ、病院などに出掛ける時のエチケットとしても効果的です。また、シングルコートのパピヨンは寒さに弱いので、ドッグウェアが防寒対策にもなります。
しかし、ドッグウェアを長時間着せていると、通気性が悪化し、皮膚病になるリスクが高まります。抜け毛が少ない時期などは、着せるのを控えた方がよいでしょう。また、ドッグウェアを着ることにストレスを感じる犬もいるので、犬の様子を見て着用させるかどうかを見極めましょう。
パピヨンは一般的に抜け毛が少ない犬種ではありますが、毎日のお手入れは欠かせません。日頃から被毛や皮膚の状態に気を配り、大切な愛犬の健康を守りましょう。