愛猫の万が一に備えて。動物病院でかかる費用とペット保険の活用方法
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愛猫の万が一に備えて。動物病院でかかる費用とペット保険の活用方法

猫を飼っている人であれば誰しもが、愛する猫にできる限り健康でいてほしいと願うもの。しかし、一生のうちで何度かは、ケガや病気で動物病院のお世話になることがあるでしょう。大切な愛猫に万が一のことがあった時、金銭面の負担はどうしても気になりますよね。ここでは、動物病院にかかる治療費用など、様々なケースを想定して紹介します。

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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

大切な愛猫の病気やケガに備えて

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猫を飼っていると、病気やケガで動物病院に連れて行かなければならないことがありますし、定期的なワクチン接種や去勢手術・避妊手術での通院は、ペットを飼う人の多くが経験することでしょう。愛猫の健康を守るためには、定期的な健康診断も重要です。

しかし、健康保険により比較的価格を抑えて治療が受けられる人間の病院とは違い、動物病院での治療費は、想像していた以上に高額になることも少なくありません。いざという時に「えっ! こんなにお金がかかるの!?」と焦ってしまわないためには、日頃からペットにかかる医療費について心構えをしておく必要があります。

動物病院でかかる費用の目安

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さて、猫にかかる標準的な医療費について紹介します。ただし、動物病院は自由診療のため、治療にかかる費用には、病院によって差があります。また、具体的な費用や治療にかかる期間は、病気やケガの状態や治療の内容によっても変わるので、あくまでも目安と考えてください。

【診察】※2018年3月現在
初診料 1,000~2,000円程度
再診料 500~1,000円程度
ワクチン接種 3,000~6,000円程度
血液検査 3,000円~5,000円程度
入院 1日3,000円程度

初診料は病気やケガで初めて通院する際に必ずかかる費用、再診料は2回目以降に毎回かかる費用です。問診だけでは病気やケガの状態がわからなかった場合、必要に応じて検査をすることがあります。治療内容によっては入院が必要となったり、薬の服用が長引いたりする場合があり、費用総額が10万円を超えるケースもしばしばあります。

【避妊・去勢手術】※2018年3月現在
避妊手術(メス) 15,000~30,000円程度
去勢手術(オス) 10,000~20,000円程度

愛猫に子どもを産ませる予定がない飼い主は、ほかに特別な理由がない限り、避妊・去勢手術を行いましょう。避妊・去勢手術をすることで望まない繁殖を防げるほか、生殖器系の病気にかかるリスクを軽減することもできます。多くの場合、メスに行う避妊手術と、オスに行う去勢手術では値段が異なり、開腹を必要とする避妊手術の方が少し高くなります。

ペット保険の活用

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健康保険を利用できる人間とは違い、ペットの医療には公的医療保険制度がなく、その分治療費はどうしても高額となってしまいます。しかし、愛猫に万が一のことがあった時の備えとして、最近ではペット用の医療保険を取り扱う保険会社も増えてきました。ペット保険に入っていれば、いざという時にお金の負担を少なく抑えられます。万が一の病気やケガに備え、健康なうちに加入しておくのも一つでしょう。

ペット保険には色々な商品があり、商品によって補償される内容はまちまちです。一般的には、実際にかかった医療費の数割~全額を補償してくれる実費タイプ(※年間上限額あり)、通院・入院に対して5,000円~20,000円程度の日額が支給される日額タイプや、特定の病気やケガに対して定額で100,000円~200,000円程度が支払われる定額タイプのものなど、人間用の医療保険と似たような補償内容となっています。

月々の保険料は補償内容によって大きく変わりますが、もっともお手頃なクラスのものでは、0歳で月額500円程度から利用できます。一方で、ペットが年を取れば取るほど新規加入時の保険料は高額となる場合が多いので、高齢のペットに手厚い補償を準備するためには、月額10,000万円程度の掛け金が必要になると考えておきましょう。

また、保険会社ごとに年齢制限や免責事項等が定められているので、加入したいペット保険の加入条件や補償内容をあらかじめ確認しておくことが大切です。

例えば、保険の契約前から発症している病気に対する補償の有無や、生まれたときからの病気・障害に関する補償などは、保険ごとにカバーできる範囲が違います。また、免責事項が厳しく、保険金が下りるまでに手間取る場合も。ペット保険は種類が多く、とても複雑です。加入する前に必ず重要事項の説明を読み、どのような保険なのかを把握するようにしましょう。

大切な愛猫と一日でも長く一緒に過ごすために、異常がみられた時はなるべく早く動物病院へ連れて行ったり、必要に応じてペット保険に加入したりといった対策をしましょう。

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