【獣医師監修】犬にレンコンを与えるメリットと注意点

シャキシャキした食感が特徴のレンコンは、その穴の開いた形から、先を見通すことができる縁起の良い食材としても知られています。また、日本では古くから薬としても使われてきました。このように、人間にとっては馴染みの深いレンコンですが、犬に与えても大丈夫なのでしょうか。今回は、犬とレンコンの関係について解説していきます。

  • サムネイル: PECO編集部
  • 更新日:

監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

犬にレンコンを与えても大丈夫!

動物,犬,猫,しつけ,飼い方,育て方,病気,健康

Chendongshan/Shutterstock.com

結論からいうと、犬にレンコンを与えても大丈夫です。レンコンは、薬としても利用されるほど、豊富な栄養と食物繊維を含んでいます。レンコンのおもな栄養分は糖質、いわゆるデンプンです。糖質は、エネルギー源としていち早く消費されるので、動物が活動する源になります。それ以外にも、レンコンには以下のような栄養素が含まれています。

レンコンの栄養素

動物,犬,猫,しつけ,飼い方,育て方,病気,健康

Wealthylady/Shutterstock.com

ビタミンC

レンコンにはビタミンCが多く含まれています。犬はビタミンCを体内で生成できますが、高齢犬や病気の犬、暑い夏場などはその機能が落ちるので、レンコンから摂取するのは効果的です。

ビタミンCのおもな効能としては、疲労回復、老化予防、粘膜の強化が知られています。また、通常ビタミンCは加熱すると破壊されますが、レンコンにはデンプン質が多いことから、加熱してもビタミンCの破壊が少ないというメリットもあります。

食物繊維

レンコンには、不溶性の食物繊維が豊富に含まれています。これは腸内環境の改善に役立ちますが、消化しづらいので、大量に与えると消化不良を起こしてしまうおそれがあります。

ミネラル

鉄分・カリウム・カルシウム・亜鉛など、犬が生きていく上で必要なミネラルを数多く含んでいます。

タンニン

ワインに含まれていることで有名なポリフェノールの一種で、消炎・止血に効果があるといわれています。

ビタミンB6

血を作るビタミンですが、野菜に含まれることはまれなので、レンコンは貴重な存在といえます。

レンコンの旬は9月初旬から冬まで。この時期のレンコンはやわらかく、あっさりしているのが特徴です。旬の後半になるにつれ、粘りと甘みが増しておいしいレンコンになっていきます。

レンコンの中でもとくに味が良いといわれているのが、ふっくらと丸みを帯びた円筒型のものです。また、節と節の間が長いもの、重さを比較して重いもの(それだけ水分を含んでいる)がよりおいしいといわれています。また、レンコンの切り口は時間の経過とともに酸化して茶色く変色してしまうので、白いものの方が新鮮といえるでしょう。

レンコンは泥の中で育つ植物なので、皮の色の違いでは、味や鮮度の判断ができません。ただし、皮に茶色いシミがたくさんあったり、不自然に白かったりするものは、過剰な農薬が使用されている可能性があるので避けた方がよいでしょう。

犬にレンコンを与える際の注意

動物,犬,猫,しつけ,飼い方,育て方,病気,健康

sidefin/Shutterstock.com

では、犬にレンコンを与える時は、どのような点に気をつければよいのでしょうか。

レンコンに関していえば、犬は生でも加熱したものでも食べられます。しかし、犬はもともと肉食に近い雑食動物なので、肉を消化することは得意ですが、野菜を消化することは不得意です。

とくに、レンコンは食物繊維が多いことから消化不良を起こしやすいので、生で与える場合はすりおろして与えましょう。加熱した場合でも、犬が食べやすい大きさに切って与えてください。

ただし、栄養素が豊富なレンコンも、与えすぎると下痢などの原因になるので、犬の様子を見ながら少しずつ与えていきましょう。また、レンコンは比較的アレルギー反応が出づらい野菜ではありますが、下痢や嘔吐などの症状がみられた場合は、すぐに与えるのを中止し、動物病院で診てもらいましょう。

レンコンには、犬の健康に役立つ栄養素がたくさん含まれています。消化不良や与えすぎに注意しながら、食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。

内容について報告する