【獣医師監修】猫が抱っこを嫌がる! 抱っこの慣らし方と正しい抱き方
猫がしっぽを立ててゴロゴロすり寄ってきたら甘えている証拠。正しい抱っこの仕方で抱き上げてみましょう。抱っこ紐があればなおよしです。
- 更新日:
監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長
抱っこを嫌がる理由
JuliaLerma/Shutterstock.com
警戒心の強い猫が、突然持ち上げられて、地に足のつかない状態になればパニックを起こすのは当たり前です。それでは、猫にとって抱っこは恐怖でしかありません。飼い猫を抱っこ好きにするためには、抱っこを嫌がる理由を知ることが大切です。
カラダが不安定な状態になるため
猫が抱っこを嫌がる理由の一つは、カラダが不安定な状態になるためです。立ったまま抱き上げたり、脇だけを持ってお尻が宙に浮いた状態は、猫がもっとも不安になる抱き方です。
過去に嫌な経験があるため
以前抱っこされた時に、病院やペットホテルなど、自宅以外のところへ連れて行かれた、無理矢理お風呂に入れられたなど、嫌な経験があるためだと考えられます。
嫌なニオイがするため
猫はたばこや香水、柑橘系のニオイが苦手なので、それらのニオイがする人に抱っこされるとたちまち逃げ出してしまいます。
強引に抱っこしようとしたため
もっとも猫に嫌われるのは、強引に抱っこすることです。そもそも猫は人にさわられるのがそれほど好きではありません。嫌なことを強要されたと学習し、以降、抱っこを拒否するようになるかもしれません。
猫を抱っこ好きにする方法
Ronnachai Palas/Shutterstock.com
猫に抱っこ好きになってもらうためには、いくつかコツがあります。猫の性質を知って、自分から抱っこを求めてくれるよう仕向けましょう。
仔猫のうちから慣らしておく
何事も早いうちから経験をさせることが大切です。仔猫は生後3~7週間ころから親兄弟など、他者や生活環境などと関わり、適応能力を身につけていきますが、この時期から慣らしておくと、抱っこを嫌がらなくなります。
リラックスしている時を狙う
警戒心を解いてくつろいでいる時や、しっぽを立ててすり寄ってきた時がチャンスです。撫でたり、マッサージしたり、十分にスキンシップをはかってから静かに抱っこしてみましょう。嫌がるようであれば諦めて、次の機会を待つことです。
正しい抱っこの仕方
猫の両脇に手を入れてゆっくりと持ち上げ、次に片手でお尻を支えます。猫のカラダを包み込むように抱いて自分のカラダに密着させると、猫は安心してカラダを任せてくれます。ただし、猫は気まぐれな上に束縛されることが苦手な生き物です。自由に飼い主の腕から抜け出せるよう、力を入れずにゆったりと抱っこしてあげましょう。
冬の寒さを利用する
猫は寒さが苦手です。冷たい床の上にいるよりは、膝の上の方が温かいことを覚えると自然と自分からやってきます。ただし、膝の上に乗ってきたから構われるのもOKとは考えないこと。しつこくされるのが嫌いな猫は、しつこく構うと膝の上に乗らなくなってしまいます。様子を見ながら、嫌がらないようであれば抱っこしてみましょう。
抱っこ紐があれば便利
Africa Studio/Shutterstock.com
抱っこが嫌いな猫がいれば、抱っこが好きでたまらない猫もいます。羨ましい話ですが、家事や勉強をしたくても、猫が膝から降りてくれなくて困るという悩みを抱える飼い主もいます。そんな人たちの間で話題を呼んでいるのが、「抱っこ紐」です。
抱っこ紐を使えば、猫を抱っこしながら家事などができるため、猫にとっても、人間にとっても好都合。冬はお互いに温かくなるのもメリットです。裁縫が得意な人は、オリジナルの抱っこ紐にチャレンジしてみるのもいいでしょう。
そのほか、カンガルーのように大きなポケットがついたエプロンやパーカーなどもあります。抱っこ紐ではありませんが、リュック型のキャリーバッグは猫をおんぶした感覚を楽しみながら外出できるスグレモノです。
膝に乗せたり、抱っこをしたいという理由で猫を飼った人は多いはず。それなのに猫が抱っこを嫌がったら、思い描いていた猫との暮らしが泡となって消えてしまいます。猫を思い通りにしつけるのは容易なことではありませんが、手間と時間をかけて、ゆっくりと確実に慣らしていきましょう。