猫の糖尿病性ケトアシドーシス 考えられる原因や症状、治療法と予防法

糖尿病性ケトアシドーシスとは、糖尿病を発症している猫に起こる、緊急を要する症状です。糖尿病性ケトアドーシスは進行が速く、早急に適切な治療を施す必要があるので、あらかじめしっかりとした知識を身につけておきましょう。

  • サムネイル: ひなた ふゆみ
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

糖尿病性ケトアシドーシスの症状

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糖尿病性ケトアシドーシスは、糖尿病の猫が発症するもっとも重篤な合併症であるといわれています。

動物は細胞中のエネルギーが不足すると、脂肪を分解することでエネルギーを補充するようになります。この脂肪の分解により、ケトン体という物質が生成されます。

糖尿病による極端なインスリン不足が血液中のケトン体を増加させ、代謝性アシドーシス(動脈血のpHが低下した状態)などを引き起こすことで、カラダに異常が発生する状態が糖尿病性ケトアシドーシスです。

猫の糖尿病性ケトアシドーシスの全身症状としては、以下のようなものが挙げられます。

●食欲不振
●水を飲まなくなる
●元気がない
●昏睡

糖尿病性ケトアシドーシスを発症した猫にこれらの全身症状がみられた場合は、速やかに高度で適切な集中治療を施す必要があります。処置が遅れた場合は死に至るため、できるだけ早く動物病院へ連れて行ってください。

糖尿病の症状について

上述の通り、糖尿病性ケトアシドーシスは糖尿病の急性合併症なので、まずは糖尿病の早期発見・早期治療に努めることが大切です。

●多飲多尿
●食欲増加(のちに食欲減少)
●体重減少
●毛艶が悪くなる

糖尿病の症状は見落としやすく、飼い主が気づかずに放置してしまいがちな病気ともいわれています。日頃から猫の様子をよく観察すること、定期的に健康診断を受けさせることを心がけましょう。

糖尿病性ケトアシドーシスの原因

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糖尿病性ケトアシドーシスの根本的な原因は糖尿病です。糖尿病による極度のインスリン不足に、基礎疾患や併発したほかの疾患が関与した場合に、糖尿病性ケトアシドーシスを発症しやすくなるといわれています。

糖尿病のおもな原因としては、不適切な食事(低タンパク質、高炭水化物)、肥満、感染症、膵炎などが考えられます。

血液中の糖は膵臓から分泌されるインスリンにより細胞内に取り込まれ、各臓器を動かすエネルギーとして働きます。そのため、何らかの原因でインスリンが欠乏すると、糖が細胞内に取り込まれなくなってしまいます。これにより、過剰になった血液中の糖が尿中に排泄され、細胞内の糖は枯渇するという状況になります。これが糖尿病です。

猫の糖尿病は、インスリンが出ているが不足している、もしくはインスリンは出ているがカラダが反応しないというパターンが多いです。

糖尿病性ケトアシドーシスの治療方法

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輸液

体内の電解質バランスを回復させるために輸液を行います。

インスリン注射

糖尿病性ケトアシドーシスを発症した場合、治療に緊急を要するため、即効性のあるインスリンを筋肉注射や静脈注射します。

糖尿病の治療

血糖値がある程度まで落ち着いたら、輸液やインスリンの種類を変えます。インスリンは持続型のものを使用し、皮下に注射をすることで血糖値を維持できるようにします。

糖尿病性ケトアシドーシスの予防方法

糖尿病性ケトアシドーシスの予防方法としては、猫が糖尿病にならないようにすることが重要です。

飼い主としてできることは、猫にとって適切な食事を与えること、肥満にしないことです。また、日頃から食欲、元気、飲水量、尿量などのチェックを行い、少しの異変にもすぐに気づいてあげられるようにしましょう。また、定期的に健康診断を受けることで、愛猫の健康状態をしっかりと把握することも大切です。

すでに糖尿病を患い、治療を行っている猫の場合は、血糖値が安定するように、かかりつけの獣医師の指示に従ってインスリン注射を行い、定期的に血糖値の測定を行ってください。

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