犬の肥満細胞腫 考えられる原因や症状、治療法と予防法

犬の健康は、飼い主の知らない間に損なわれていることがあるので、定期的なチェックは欠かせません。中でも早期発見が重要な病気の一つに、「肥満細胞腫(ひまんさいぼうしゅ)」というものがあります。これは犬のガンの一種で、命にも関わる恐ろしい病気です。今回は、この肥満細胞腫について解説していきます。

  • サムネイル: ひなた ふゆみ
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

犬の肥満細胞腫の原因

犬の肥満細胞腫の原因は、充分に解明されていないのが現状です。環境的な要因、遺伝性、免疫機能の低下など、様々な原因によって発症すると考えられており、犬種を問わず発症する可能性があります。

犬の肥満細胞腫の症状

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犬が肥満細胞腫になると、以下のような症状が現れます。

●皮膚にしこりができて、そのしこりから出血している
●皮膚の一部が虫さされのように赤く腫れている
●皮膚が荒れている
●毛が抜ける

また、以下のような体調の変化がある時は、内臓に腫瘍ができているかもしれません。

●食欲が低下している
●下痢をしたり、血便・黒色便が出る
●排便が困難になっている
●体重が減少している

犬の肥満細胞腫は、その程度により3つのグレードに分類されています。

グレード 1

犬の肥満細胞腫の初期段階にあたるもので、皮膚の表面に1 cm以下のしこりができている状態です。周囲への浸潤も少ないので、適切な手術で切除が可能で再発のリスクは低めとなります。

グレード 2

悪性度は中間くらいで、腫瘍を完全に切除できれば良好な経過を示します。しかし、まれにリンパ節や内臓、全身の皮膚などに転移している場合があるので注意が必要です。

また、周囲の正常な組織にまでガン細胞が入り込んでいるので、腫瘍を完全に切除するためには、周囲の正常組織も含めた広範囲の部分を切除することになります。

グレード 3

悪性度の一番高い状態で、このグレードまで進んでいる腫瘍は成長が早く、急速に病状が悪化してしまいます。気づいた時には、すでに多くの部位に転移していることが多く、腫瘍を切除するだけでは完治しないことがほとんどです。

動物病院で正しい判断をするには、「腫瘍がいつ頃からできたのか」「どれくらいの速さでこの大きさにまで成長したのか」など、腫瘍に関する情報が必要になります。診察の際には必ず聞かれる質問なので、日頃の犬の健康チェックが大切です。

犬の肥満細胞腫の治療方法

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犬の肥満細胞腫の治療方法は、以下の通りです。

●外科手術
●放射線治療
●化学療法

これらの方法を単独、もしくは併用して治療していきます。どの方法も犬のカラダに負担がかかるので、獣医師としっかり相談してから治療方法を決めましょう。

犬の肥満細胞腫の予防方法

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犬の肥満細胞腫は、その発症の原因がはっきりわかっていないので、確実な予防法はありません。しかし、早期に発見すれば影響を最小限にすることができる病気なので、普段から犬のカラダを触ってチェックすることが大切です。

定期的にマッサージをして、皮膚に変化がないか、しこりや腫れているところがないかなどをチェックしましょう。この病気は、皮膚の表面だけでなく内臓でも起こる可能性があります。初期判断が難しいため、少しでも異常を感じた時は、すぐに獣医師の診断を仰ぐことが大切です。日頃から犬の様子に気を配り、早期発見・早期治療に努めましょう。

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